グザヴィエ・ドゥ・メストレ ハープ・リサイタル
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2015年11月2日(月) 19:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ハープ:グザヴィエ・ドゥ・メストレ
 

グリンカ:歌劇「魔笛」の主題による変奏曲 変ホ長調

グリンカ:夜想曲 変ホ長調

リスト
(ルニエ編):2つのロシア民謡より 第1曲「うぐいす」 (アリャビエフの歌曲による) S250/1

ハチャトリアン:2つの小品より 第1曲「東洋的な踊り」第2曲「トッカータ」

チャイコフスキー
(ワルターキューネ編):歌劇「エフゲニー・オネーギン」の主題による幻想曲

(休憩20分)

フォーレ:即興曲 変ニ長調 op.86

ドビュッシー:2つのアラベスク(ルニエ編)

スメタナ
(トゥルネチェック編): 『わが祖国』より 「モルダウ」

(アンコール)
ゴドフロア:ヴェニスの謝肉祭
タルレガ:アルハンブラの思い出

 りゅーとぴあ友の会の会員増対策の一環として、会員は特別価格の2000円でチケットを購入できるというお得なコンサートです。このメストレのリサイタルのほか、トリスターノのピアノリサイタルが11月26日に予定されています。大変お得なコンサートですので、たくさんの人に集まってもらいたいものです。

 さて、今日のメストレは、チラシの「ハープの帝王」というキャッチコピーの通り、ハープ界のトップスターということには異論はないでしょう。卓越した演奏技術・音楽性のほか、超イケメンということで、女性ファンも虜にしています。
 ハープの演奏は協奏曲や他の楽器との共演で聴く機会はときどきありますが、ハープ単独でのリサイタルを聴く機会はなく、このメストレさんのお弟子さんである山宮るり子さんのリサイタル以来となります。

 ということで、楽しみにしていたわけではありますが、平日のコンサートはつらいものがあり、案の定今日も仕事がたっぷりとあって、後半から聴ければもうけものという状況でした。
 某所で5時開始の会議があり、長引くことが予想されましたが、運良く議事を早めに切り上げることができ、大急ぎでりゅーとぴあに向かいました。予想より早く到着できたため、結局前半の半ばから聴くことになりました。

 演奏の切れ目までドアの外に漏れ出る音を聴き、その後レセさんに案内されて2階席後方で聴きましたが、ホールの響きの良さに感動しました。ハープとホールが一体となり、美しい豊潤な響きを醸し出していました。壁際に田立って聴いていますと、客席よりも響きが豊かに感じられました。ホールも楽器であるということを実感しました。

 その後メストレさんの退場のタイミングで自分の席に着席しました。客席は1階席と、2階席(B,C,Dブロック)が発売されましたが、S席エリアとB席エリアはびっしりなのに、A席エリアだけ空席が目立っていました。会員は通常5000円のS席が2000円でしたので、皆さんS席を買ったものと想像します。そして、非会員は安価なB席(3000円)に回り、中間のA席(4000円)はお得感が少なくて 客が少なかったということでしょうか。

 どうでも良い話に逸れてしまいましたが、音量豊かに、ホールいっぱいに響き渡るハープの豊潤な調べに酔いしれるばかりでした。きれいな女性がポロン、ポロンと爪弾くハープのイメージとは大違いで、音域の広さ、ダイナミックさなどハープという楽器の持つポテンシャルの大きさに圧倒され、大きな感銘を受けました。
 ハープは両手で弦を弾くだけでなく、陰で両足でペダルを操作し、かなりの重労働です。繊細な響きのほかに、男性奏者ならではの力強さも感じさせ、メストレの魅力は全開でした。

 前半は途中から聴きましたが、最後のチャイコフスキーは息を呑む美しさで、休憩時間に出会った音楽仲間と、「すごいねえ」と語り合いました。
 後半は当初発表されたプログラムと一部変更され、フォーレとドビュッシーが演奏されました。当初はドヴォルザークのアメリカ組曲が予定されていたのですが、思うところがあったのでしょう。
 最後にモルダウを雄大に演奏し、鳴り止まない拍手に応えてアンコールを2曲。いずれも心に迫る演奏でした。実に良い音楽を聴いたなあという満足感で胸はいっぱいになりました。

 ハープひとつで、オーケストラやフルコンサートピアノに負けない音楽世界を創り出すメストレの素晴らしさに唖然とするばかりでした。こんな演奏を2000円で聴けるなんて、本当に贅沢な時間を過ごさせていただきました。たまったストレスも一掃され、幸せ気分で帰路に着きました。
  


(客席:2階C6-31、会員割引¥2000)