村杉温泉 風雅の宿 長生館 (阿賀野市) B (泉質B、浴室B、設備C、眺めC)
阿賀野市村杉温泉 TEL:0250-66-2111 営業時間:11:00-15:00(受付14:00まで)、18:00-21:00(受付20:00まで) 定休日:HPで確認
泉質:単純放射能温泉、25.2℃、循環濾過、加水なし、加温あり
タオル:なし サウナ:テントサウナ(別料金、要予約) 露天:あり 石鹸:あり シャンプー:あり 休憩所:なし 食堂:なし(食事付きプランあり)
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場所:かつての笹神村、現在は阿賀野市にある五頭温泉郷の中心をなすのが村杉温泉である。新潟市から磐越道安田IC経由で30分程度の距離であり、五頭山(ごずさん)の麓に当たる。その村杉温泉の中央に位置し、小規模旅館ばかりの温泉街の中では最大の規模を誇るのが長生館であり、玄関前も広々としている。建物は5階であるが、玄関は2階に当たる。館内は大変きれいであり、ロビーから見える大きな庭園の眺めはすばらしい。
料金:入浴のみは、大人1000円、小人600円、フェイスタオル販売300円、バスタオル貸し出し300円。回数券(6枚5000円)、6個で1回無料のスタンプカードあり。
浴室:ロビーから左手奥に進んだところに大浴場がある。内風呂は大浴槽があるのみだが、2面ガラス張りであり、緑鮮やかな庭園が眺められ、開放的でゆったりとしている。露天風呂は内風呂から少し歩いた先にある。トンネルを抜けると突然と大きな空間が広がり、そこには東屋付きの露天風呂がある。浴槽そのものも大きいが、周りは大きな広場状に広がっているため、開放感はこの上ない。新潟県下最大の1000坪の庭園大露天風呂と宣伝しているが、なるほどと感心する。浴槽中央には鯉が配された岩がある。温泉の投入部に向かって鯉のモニュメントがあっておもしろい。今はないが、かつては温泉投入部上の岩上に、道祖神みたいな小さな像があったほか、浴槽中央の石に、ニヤリとするような趣深い物が配されていて、なかなか楽しかった。(喜んでいたのは私くらいかな。) 露天風呂の広さ、開放感はすばらしく、これだけで心身が癒される。
洗い場は8ヶ所、ほかにシャワーのみ2ヶ所。ボディソープ、シャンプー類完備。脱衣場の洗面台にはドライヤー、櫛、整髪料等が完備。その他、森の中に3棟の貸し切り露天風呂がある。
その後、露天風呂の一部が仕切られて、非加熱・源泉掛け流しの浴槽が作られた。冬季は寒くて入れないが、暑い時期には気持ちよい。
泉質:ラジウム泉であり、無色透明無味であるが加熱循環されており多少のカルキ臭を感じる。分析表は大正3年7月12日付けの「鉱泉調査書」が掲示されている。それによると、源泉温度25.5℃、成分総量は0.3550g/kg。個々の成分は現在の表記と合わないので省略するが、ラジウムは60回測定し、最多65、最少49、平均56マッヘ氏単位と書いてあった。現在はどんな泉質なのか興味深いが、いずれにしても泉質そのものは特徴がない。逆に言えば、癖のない柔らかな湯とも言えよう。内湯に比して露天風呂はややぬるめなので、自然の中でゆっくりと湯に浸かり瞑想のひとときを過ごすことができる。
コメント:泉質をどうこう言うのがばからしいほど開放的な浴室である。写真でおわかりのように、内風呂も明るく眺めがよい。露天風呂も大変広い。トンネルを抜けると大きな空間が広がる演出は、感動を与え心憎い。通常の露天風呂は周りに塀があったりして開放感が乏しい場合が多いが、ここの露天風呂の開放感は特筆できる。村杉温泉の共同浴場はかなり混雑するので、喧騒を逃れて、こういう旅館の立ち寄り湯を楽しむのもお勧めである。ただし、入浴料が少し高いのが難点。咲花温泉や湯田上温泉のような「湯めぐり手形」のような企画があるとありがたい。
追記:2006年1月末、職場の新年会で宿泊利用した。露天風呂にあった「趣深い」モニュメントがすべて撤去されていた。浴槽中央の大岩のその部分は削られセメントで埋められていた。せっかくの楽しみが無くなって残念であった。嫌いな人はいないと思うんですけどね。その件について女将に尋ねてみたら、「旅館の品位を落とす」と無粋な意見を申された方がおられ、真面目一徹な専務は気に病んで、女将に無断で撤去してしまったとのことであった。誠に残念である。
また、前回訪問時と違った成分表・効能書きが掲示されていたので紹介する。源泉名は薬師の湯3号井(掘削自噴)。泉質は単純放射能温泉。源泉温度26.0℃。湧出量483L/分。主な成分(イオン濃度mg/kg)は、Na
51.0、K 1.0、Mg 0.3、Ca 20.2、Sr 0.1、F 0.5、Cl 10.5、SO4
129.2、HCO3 28.3、CO3
0.2、メタ珪酸 26.7、メタ硼酸 0.2、遊離CO2 0.5 など、ガス性除く成分合計は268.3mg/kgである。また、Rnを744.2x10-10キュリー/kg(204.7マッヘ)含む。実際の湯は無色透明無味無臭でカルキ臭はごくわずか。放流一部循環濾過式、加水なし、加温あり、と記載されていた。成分的には薄く、特徴のない湯に感じられるが、実際は肌に優しく、温まりが大変によい。開放的な大きな露天風呂に入っていると心地よく癒し効果は高い。泉質を論じる以前に十分な満足感を得ることができる。この温泉の良さを再認識した次第であった。
その後の新しい分析(平成23年5月2日分析)では、泉質は単純放射能温泉(アルカリ性低張性低温泉)で、源泉温度25.2℃、湧出量
510L/分、pH 8.6。主な成分(イオン濃度mg/kg)は、Na 50.4、K 1.4、NH4 0.4、Mg 0.3、Ca
28.3、Sr 0.3、F 0.6、Cl 9.5、I 0.3、SO4 84.4、HCO3 36.6、メタ珪酸 26.2、メタ硼酸 0.1、遊離CO2
0.2 など、ガス性除く成分合計は238.8mg/kgである。また、Rnを136.6x10-10キュリー/kg(37.6マッヘ)含む。ラドンの含有量がかなり減ったことが気になる。
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(No.325 2004/6/13、2006/1/28、2007/4/7、2009/1/25、2013/5/19追記、2024/7/21営業時間・料金訂正) |