コンサートホールに移動して、続いては15時開演のアンサンブルフィーデルです。いつもお世話になっている方が出演されるため、毎年必ず聴かせていただくことにしています。
新潟のヴァイオリン界のレジェンド・鈴木和子先生、ピアノ界の重鎮・村山和子先生の指導の下に、西区で活動されているアマチュアの弦楽アンサンブルです。
開演時間となり、メンバーが登場。弦は第1ヴァイオリン4、第2ヴァイオリン3、ヴィオラ3、チェロ2という編成で、後方に設置されたピアノには村山和子先生がつき、コンマスはもちろん鈴木和子先生です。お元気そうでなによりでした。
1曲目は、ショパンのピアノ協奏曲第1番の第2楽章です。弦楽の穏やかな響きで演奏が始まり、村山さんのピアノが加わって、ロマンチックな音楽世界が広がりました。
申し上げにくいことですが、メンバーの平均年齢はかなり高いと推察され、アンサンブルが合わないところも少なからずありましたが、音楽を楽しもうという熱い思いが伝わってきて、ショパンの甘いメロディを奏者とともに味わいました。
アマチュアならではの不安定さの中に、ときおりはっとする美しさもあり、村山先生の穏やかなピアノとともに、曲の美しさを味わうには十分な演奏であり、癒やしのひとときを過ごしました。
村山先生が指揮者になって、2曲目は、ヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲第1番です。初めて聴く曲ですが、演奏に安定感が感じられて、アンサンブルの美しさを感じさせました。
第1楽章は、ゆったりと美しく、第2楽章は、ピチカートに始まり軽快に、躍動感に満ちて心地良く駆けていきました。第3楽章は、ヴィオラがゆったりと歌い、ヴァイオリンが重なって溶け合い、極上の響きを創り出して、美しいメロディにうっとりしました。少し悲しげに陰りを見せながら優しく歌い、疲れた心を癒やしました。第4楽章は、明るくリズムを刻み、力強さを増していき、第5楽章は、ゆったりと物憂げに、切々と訴えるように歌い、胸を打ちました。そして、最終第6楽章は、力強いヴィオラに第2ヴァイオリンとチェロが加わり、第1ヴァイオリンが重なって、明るく力強くリズムを刻み、盛り上がりをみせてフィナーレとなりました。
曲の楽しみも知らしめてくれるいい演奏だったと思います。指揮者がいた分、アンサンブルの乱れも少なくて良かったと思います。
(客席:2階C3-7) |