第22回 新潟第九コンサート2023
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2023年12月24日(日) 14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
指揮:平川範幸
ソプラノ:中須美喜、アルト:湯川亜也子、テノール:平野太一郎、バリトン:片倉 旭
管弦楽:新潟交響楽団
合唱:新潟第九合唱団(合唱指揮:佐藤 匠)
 
ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」序曲

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125 「合唱付」

(アンコール)
ヘンデル:オラトリオ「メサイヤ」より ハレルヤコーラス

 毎年の年末に恒例の「新潟第九コンサート」です。この形態になってからの「第九」は、回を重ねて今年は22回目になります
 コロナ禍で、2020年、2021年と2年連続で中止されましたが、昨年3年振りに再開されました。毎回聴かせていただいていますので、今年も聴かないわけにはいきません。
 先週ウクライナ国立フィルの「第九」を聴いたばかりなのですが、今度は新潟市民による「第九」を楽しませていただくことにしましょう。

 毎年のことながら、チケットはSS席4000円から設定されていますが、私は今年も3階正面のS席のすぐ後方のA席で聴かせていただきました。
 指揮者は、昨年から新潟交響楽団を指揮している平川範幸さんです。昨年の「第九」はコロナ渦中で、人数を絞った合唱団が、マスク姿で歌いましたが、制限が緩和された今年はどのような演奏になるのか楽しみにしていました。

 今週は今シーズン最強の寒波に襲われ、海岸部の新潟市の市街地でも大雪に見舞われました。交通機関は麻痺して、道路事情も悪かったのですが、昨日から天候は落ち着いて良かったです。大雪の真っ最中でしたら「第九」どころでもなかったのですが、ずれてくれて幸運でした。
 昨日は家の前の除雪に励んで疲労困憊。加齢による体力低下により、昨年は何でもなかった除雪作業が、今年は身体に応えました。毎年確実に年を重ねていることを実感させられました。

 午前中はゆっくりと休息をとり、着飾ってデパートに買い物に出かけた暴君を見送り、道路事情・駐車場事情も考慮して、早めに家を出ました。道幅が狭まって渋滞もありましたが、比較的順調に白山公園駐車場に車をとめることができました。
 県民会館を覗いた後、りゅーとぴあ入りし、チラシ集めをして東ロビーに行きますと、クリスマスツリーの前で、合唱団の女性団員たちが、順に記念写真を撮っておられて、華やいだ空気感を感じました。
 ロビーでは、スマホをスピーカーモードにして、大音量で通話している老婦人がおられてやかましかったですが、周りに聴こえていることなんて、気付いていないんでしょうね。

 ほどなくして開場となり、早めに入場して、この原稿を書きながら開演を待ちました。私の席の2列前には、私の友人の姿もありました。
 3階席の後方ですので、ステージを見下ろす場所ですが、オケとステージ周囲のAブロック、Pブロック、Eブロックを俯瞰することができますので、なかなか良い場所だと思います。
 ステージと客席には、収録用のテレビカメラが配置されていました。カメラマンも正装しているのは良いですね。今日の演奏会は、12月29日の朝8時から、BSNテレビで放送されるそうです。私は29日は、通常通りに仕事ですが、世間は休みなんでしょうね。
 開演時間が近付くにつれ、客席は埋まってきましたが、相変わらず、I ブロックの I を 1 と勘違いする人が多いですね。私のいる3階席はサイド席を含めてほぼ満席でした。2階のサイド席に若干の空席が見られましたが、大盛況といえるでしょう。年末の風物詩ですものね。

 開演15分前から合唱団が入場し、席に着きました。ステージ左のEブロックにソプラノ(68人+賛助出演6人)、後方のPブロックにテノール(42人)とバス(37人+賛助出演の平山前知事)、右のAブロックにアルト(90人+賛助出演5人)が着席しました。昨年とは異なり、人数制限はなく、メンバー表では総勢249人という例年通りの大人数で席を埋めました。この合唱団を見るだけでも気分は高まります。

 開演時間となり、拍手の中に新潟交響楽団の団員が入場し、最後にコンマスが入場してチューニングとなりました。今年は松村さんではなく、男性のコンマスでしたが、どなたでしょうか。オケのサイズは14型で、通常の配置です。弦5部は、14-10-9-9-8 です。

 このコンサートでは、前座として序曲を演奏して、休憩なしで「第九」が演奏されます。序曲は毎年異なり、昨年はベートーヴェンの「エグモント」序曲でしたが、今年はロッシーニの「泥棒かささぎ」序曲です。

 平川さんが登場して、演奏開始です。左右に配置された小太鼓の軽快な響きとともに曲が始まりましたが、演奏はややゆっくり目でした。躍動感には若干欠けた印象がありましたが、乱れのないアンサンブルは美しく、アマチュア離れした潟響の素晴らしさを実感しました。

 団員の増強があって、休憩なしで「第九」です。平川さんが登場して、第1楽章の演奏開始です。途中に飴玉の袋を開けるバリバリ音に邪魔されましたが、終始緊迫感を維持し、演奏に引き込まれました。
 足音も高らかに客席から出て行かれたご婦人がおられて、静かになるまで待ち、第2楽章です。ゆっくり目の演奏でしたが、緊張感は維持し続けました。後半の木管の速いパッセージの聴かせどころも見事でした。繰り返しの後も緊張感を失いませんでしたが、最後は息が抜けたかのようでした。
 ここでチューニングとなり、拍手の中に4人のソリストが登場し、オケの後方のソリスト席にソプラノの中須さん(赤いドレス)、アルトの湯川さん(白いドレス)、テノールの平野さん、バリトンの片倉さんが着席しました。先ほど足音を響かせて出て行かれたご婦人も戻って来られました。
 第3楽章は、ゆったりと、美しく音楽が流れ出ました。最初に弦楽で美しい主題を提示する部分は速めに感じましたが、中間部での木管群の聴かせどころのアンサンブルも美しく、ゆったりとした音楽の流れに身を任せて、うっとりと聴き入りました。
 アタッカでなく、ちょっと間を置いて、いよいよ第4楽章です。緊迫感のある出だしから、各楽章の主題が奏でられ、それを否定して、いよいよ歓喜の歌が提示されます。
 この流れも美しく、低弦が奏でる歓喜の歌のメロディーがヴァイオリンに引き継がれ、オケ全体で高らかに歌い上げられて気分も高揚してきます。
 そして楽章冒頭のメロディに導かれて、合唱団とバリトンが立ち上がり、合唱団席には照明が当てられて、この演出に胸は高鳴ります。
 バリトンの声質が軽めに感じましたが、合唱団の歌声はパワーがあり、否が応でも興奮させられます。左のソプラノと右のアルトのステレオ効果も美しく、先週のウクライナ・フィルの「第九」では感じられなかった合唱団の音圧を身体に感じました。市民合唱団ですので、合唱の質としてはそれなりかもしれませんが、250人の大合唱はそれだけで聴き応えがあります。
 どのような演奏でも、それなりの感動を与えてくれるのがこの曲の魔力ですが、4人のソリストは、それぞれが見事にプロとしての仕事をこなし、合唱団とともに歓喜の歌を歌い上げました。
 新潟の市民オケと市民合唱団で、これだけの演奏を聴かせてくれれば何の文句もありません。昨年同様に、平川さんは、乱れることなく安全運転で曲をまとめましたが、良い演奏だったと思います。

 客席からは高らかにブラボーの声が沸きあがり、コロナ後の日常が戻ったことを感じました。カーテンコールでは、合唱指揮の佐藤匠さんも登場して、4人のソリストとコンマス、平川さん、佐藤さんに花束が贈られ、そのパフォーマンスを讃えました。

 アンコールは定番の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」かと思ったのですが、、2018年以来のヘンデルの「ハレルヤ・コーラス」でした。合唱団は譜面を手にとって歌い上げましたが、これも素晴らしい演奏でした。

 大きな満足感を胸にホールを出ますと、外は雪ではなく雨が降っていました。積もった雪も一気に融けそうですね。コートのフードをかぶって、速足で駐車場へと向かいました。

 さて、今夜はクリスマスイブ。皆様方はお楽しみのことと思いますが、私には何の予定もなく、寂しい夜が待っています。

 でも、言わせてくださいね。 メリー・クリスマス!
 

(客席:3階 I 6-8、A席:¥2000)