毎年夏休み恒例のファミリー向けのコンサートです。11時開演と14時開演の2回公演ですが、11時開演は3歳以上、14時開演は小学生以上となっており、14時の回に参加させていただきました。
もともとは、新潟市の小学校5年生全員をりゅーとぴあに招待して、東京交響楽団の演奏を聴いてもらうという「わくわくキッズコンサート」があり、素晴らしい企画だったのですが、新潟市の財政難により、2017年を最後に中止されました。
2018年から、同じ内容のコンサートを有料公演として夏休みに開催されることになったのが「オーケストラはキミのともだち」です。
小学生とその家族を主な対象としているコンサートではありますが、私の精神年齢は小学生であり、外はジジイながらも中身は小学生ということで、毎年聴かせていただいています。
指揮者は、2018年と2019年は飯森範親さん、2020年は原田慶太楼さん、2021年は永峰大輔さん、2022年は原田慶太楼さんでしたが、今年は再び永峰大輔さんです。
「わくわくキッズコンサート」時代から、指揮者は東京交響楽団の正指揮者の役割になっていましたが、現在の正指揮者の原田さんは人気指揮者でアメリカにも拠点を持ち、国内でも他のオケへの客演も多く、多忙ということもあってか、永峰さんが代打で登場のように見受けられます。
永峰さんは昨年まで新潟市ジュニアオーケストラ教室のA合奏を率いていましたので、すっかりとお馴染みです。2021年に引き続いての登場となりますが、東京交響楽団とどのような演奏を聴かせてくれるか楽しみにしたいと思います。
プログラムは、小室昌広編曲による「ディズニーのメロディによる管弦楽入門」による楽器紹介を基本として、そのほかの曲は変更されており、私のような常連客も飽きさせない工夫がされています。
肩の凝らない子供向けの名曲コンサートですが、演奏は超一流です。素直な気持ちで、音楽を楽しませていただこうと思います。
さて、東京交響楽団の皆さんは、昨日から新潟入りして、今日の2公演に備えられておられました。明日は長野での演奏会が予定されており、指揮者や曲目は全く別であり、移動も含めて準備が大変だと思います。プロとはいえ、ご苦労なことと同情します。
猛暑続きで、連日熱中症警戒アラートが発令されています。今日も暑さが厳しい土曜日となりました。寂しく昼食を摂り、行くなと懇願するネコに見送られて外に出ますと、ムッとする暑さ。ギラギラ太陽が眩しく感じられました。ごみ捨てをして、そのまま車に乗り込んでりゅーとぴあへと向かいました。
暑さの中にりゅーとぴあに入りますと、既に開場されており、インフォメーションで某コンサートのチケットを買って入場しました。ホールは親子連れで賑わっていました。
家族連ればかりの客席に、ジジイが1人寂しく座ってこの原稿を書き始めていますと、13時50分からの石丸由佳さんのパイプオルガンによるウェルカム演奏が始まりました。
「白色彗星」の重低音がホール内に響き渡り、迫力あるパイプオルガンの響きに、初めての人は驚かれたのではないでしょうか。子供たちがパイプオルガンの素晴らしさ、りゅーとぴあの素晴らしさを感じてくれると良いですね。
開演時間となり、拍手の中に団員が入場。最後にニキティンさんが登場して、大きな拍手が贈られて、チューニングとなりました。オケは12型で、弦5部は
12-10-7-7-5 です。
永峰さんが登場して、「スター・ウォーズ」で開演しました。この曲は、つい最近見附で聴いたばかりなのですが、全く次元が異なる素晴しさでした。
見附での東京ユニバーサル・フィルの演奏も決して悪くはなかったのですが、ホールの響きは全く異なり、りゅーとぴあの豊潤な響きを体験しますと、あれはいったい何だったのだろう思うほどで、ホールも楽器であることを再認識しました。新潟の子供たちは、こんな素晴らしいホールで、一流オケの演奏を聴くことができて幸せですね。
ここで永峰さんによる挨拶と東京交響楽団の紹介があり、以後永峰さんの手馴れたトークとともに演奏が行われました。
続いては、今日のコンサートの要である「ディズニーのメロディによる管弦楽入門」です。今回も榎本さんによるナレーションです。
毎回書いていますが、この曲は良くできており、メロディはディズニー音楽ですが、構成はブリテンの「青少年のための管弦楽入門」に準じており、最後のフーガはブリテンそのものです。
東響の各パートの見事さもあって、何度聴いても楽しめて新鮮な感動をいただけます。榎本さんのナレーションも手慣れたもので、お見事というしかありません。
どの楽器が良かったか会場の子供たちに質問し、永峰さんは客席の中まで入ってインタビューして盛り上げてくれました。
次はゲーム音楽の「スーパーマリオブラザース」です。ファミコン時代は4つの音しか出せず、それでメロディを作ったわけですが、編曲の素晴らしさがあって、見事なオーケストラ曲となり、楽しませてくれました。
次のペール・ギュントからの「山の魔王の宮殿にて」は、トロールが迫ってくるおどろおどろしい音楽劇の情景が眼前に浮かぶようで、緊迫感と迫力に胸が高鳴りました。
続く「白鳥の湖」は、最上さんのオーボエソロも美しく、しっとりとした情景が思い浮かぶようで、美しいサウンドに酔いました。
ここで、6月に新潟市内の小学校・特別支援学校でアウトリーチ活動をしてくれた5人の団員(第1ヴァイオリンの中村楓子さん、第2ヴァイオリンの鈴木浩治さん、竹田詩織さん、フルート&ピッコロの高野成之さん、オーボエ&イングリッシュホルンの最上峰行さん)の紹介があり、一人一人に大きな拍手が贈られました。
次は「サーカス・ポルカ」です。サーカス団の象が踊るための曲だそうですが、まさに象が踊る光景が思い浮かぶようでした。最後に現れるシューベルトの軍隊行進曲のメロディも面白いですね。
続いては運動会の定番曲である「天国と地獄」からの「カンカン」です。スピード感に溢れる演奏で客席の手拍子も加わって大いに盛り上がりました。
そしてプログラム最後は「威風堂々」です。石丸さんのパイプオルガンも加わって、ホールいっぱいに響き渡る音楽はゴージャスそのもの。このサウンドはりゅーとぴあならではのもの。オーケストラを聴く喜びが満喫できました。
アンコールは毎回演奏されている「君をのせて」です。しっとりとした感動の中に、1時間のコンサートは終演となり、手を振って団員と別れを惜しみました。
このような子供向けのファミリーコンサートでも、東響の演奏は素晴らしいですね。永峰さんの曲作りもあってのことと思いますが、私のようなジジイでも大満足でした。
美しくゴージャスなオーケストラサウンドは、ホールで聴いてしか味わえません。子供たちも感動してくれたのではないでしょうか。
私のような老兵は去るのみですが、次代を担う子供たちが、このようなコンサートをきっかけにして、音楽の喜びを知り、人生が豊かで素晴らしいものになってほしいですね。そして、新潟市にりゅーとぴあがある喜びと幸せを知り、コンサートに足を運んでもらえると良いですね。
これから東響の皆さんは長野市へと向かわれるものと思います。ご苦労なこととは思いますが、長野の皆さんに東響の素晴らしさを知らしめていただきたいと思います。
(客席:2階C2-9、一般: \1500) |