武満徹の音楽と彼の愛した音楽
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2020年10月3日(土) 14:00  新潟市江南区文化会館 音楽演劇ホール
ピアノ・企画・演出:石井玲子、ヴァイオリン:佐々木友子
ソプラノ:アマリア、西谷純代
 
武満 徹:「Songs」より
      小さな空、ワルツ

武満 徹:雨の樹素描U−オリヴィエ・メシアンの追憶に−

中田 章:早春賦

アイルランド民謡:ロンドンデリーの歌

ガーシュイン:サマータイム
コンヴァース:What a friend we have in Jesus
ジロー:パリの空の下

(休憩10分)

武満 徹:悲歌

コズマ:枯葉
ルイギ:ばら色の人生

ピアソラ:アディオス・ノニーノ

武満 徹:「Songs」より
      死んだ男の残したものは、うたうだけ

(アンコール)
アーレン:Over the Rainbow
 

 江南区文化会館と新潟県立大学がコラボして「江南区文化会館 X 新潟県立大学コンサートシリーズ」というコンサートが開催されていますが、今回は2020年度の第1回目となります。

 このシリーズでは、これまでも「懐かしき歌・美しき日本の調べ」と題されたコンサートが開催されていますが、今回はその特別編として、武満徹生誕90周年を記念して「武満徹の音楽と彼の愛した音楽」と題するコンサートが企画されました。
 出演は、企画・演出もされたピアニストの新潟県立大学教授・石井玲子さんのほか、ヴァイオリンの佐々木友子さん、ソプラノのアマリアさん、西谷純代さんという新潟で活躍されている音楽家の皆さんです。
 新型コロナ対策として、先着150人限定とのことでしたので、受付開始早々に電話予約しましたが、その後すぐに予約はいっぱいになったとのことでした。

 今日は土曜日。いつものように、亀の水槽の水替え、猫のトイレ掃除、掃除機かけを済まし、ゴミ出しをしてテレビをつけますと、ちょうど「題名のない音楽会」をやっていました。エンニオ・モリコーネ特集で、演奏は東京交響楽団でした。東響の各メンバーが名前入りで紹介されており、とても親近感がわいて良かったです。いずれも素晴らしい演奏でしたが、特に荒絵理子さんの「ガブリエルのオーボエ」には涙しました。

 その後、簡単に昼食を摂り、江南区文化会館へとゆっくり車を進めました。家からバイパス経由で信号4つだけ。あっという間に到着しました。りゅーとぴあへ行くより早くて便利です。昨年7月以来、久しぶりの江南区文化会館です。江南区亀田は私が生まれ育った故郷。アットホームな印象を受けます。
 広大な無料駐車場に車をとめて館内に入り、奥に設けられたチケット交換所で検温を受けた後、500円を払ってチケットとプログラム類が入った袋を受け取りました。

 早い者順に良い席が割り当てられることを期待して早めに行ったのですが、既に席は決められていたようであり、最後方の右端の席がが割り当てられました。なにも早く行くこともなかったですね。
 席に着きますと、ステージをかなり見下ろす形ですが、400席弱の小さなホールですので、ステージからはそれほど遠くでもありません。新型コロナウイルス感染予防のため、席は1席おきに配されていました。
 ステージ中央には、宮谷理香さんが選定したというスタインウェイが設置されていました。しばし席に座ってこの原稿を書きながら開演を待ちました。りゅーとぴあと同じ開演のチャイムが鳴り、開演となりました。

 遠目でよく見えませんが、容姿端麗、黒いドレスの石井さんが登場しました。挨拶の後、コンサートの趣旨と武満徹についての解説があり、その後演奏が開始されました。
 曲目は武満徹の曲のほか、武満徹が好きだった曲が選曲されました。ピアノの石井さんは終始出ずっぱりでした。曲毎に照明が工夫され、雰囲気を盛り上げていました。

 最初は、薄紫のドレスの西谷さんが登場して、「Songs」からの2曲が歌われました。最初に挨拶がありましたが、久しぶりに歌うことができることに感激して、涙が込み上げておられました。メゾソプラノ的な(声が)太目のソプラノで、曲に良く合っていたように思いました。

 続いては、石井さんのピアノ独奏で「雨の樹素描U」です。いかにも現代曲というような前衛的な空気感が漂っていましたが、幻想的なピアノの響きが美しく感じられました。

 次は、緑のドレスの佐々木さんと西谷さんが登場して、3人による「早春賦」です。ピアノとヴァイオリンの調べに載せて、西谷さんが朗々と歌い上げました。

 続いて、佐々木さんの挨拶があり、石井さんのピアノに載せて「ロンドンデリーの歌」を情感豊かに歌わせ、うっとりと聴き入りました。さすがに我が故郷・亀田が生んだヴァイオリニスト。素晴らしい演奏でした。ちなみに、親戚の親戚は親戚とするならば、私と佐々木さんとは親戚なのです。どうでもいいですけれど。

 次は、黒いドレスのアマリアさんが登場して、マイクを使用して3曲歌いました。「サマータイム」をけだるく歌った後、挨拶と曲目紹介があり、賛美歌で有名な「What a friend we have in Jesus」を透き通るような声で歌って、汚れ切った私の心が洗われました。そして、「パリの空の下」を爽やかに歌って休憩に入りました。

 後半は、黒とこげ茶色の柄のドレスに着替えた佐々木さんと石井さんにより「悲歌」で開演しました。いかにも現代曲という曲でしたが、佐々木さんの美しいヴァイオリンとピアノとが絡み合って、幻想の世界へと誘われました。

 続いて、花柄のカラフルなドレスに着替えたアマリアさんが登場し、シャンソンの名曲が2曲歌われました。ムード満点で、アマリアさんの魅力がたっぷりと感じ取られました。ホテルのラウンジでカクテルでも飲みながら聴きたいと思わせるような、大人の雰囲気で酔わせていただきました。

 次は、佐々木さんによる「アディオス・ノニーノ」です。石井さんのピアノに載せて切々とヴァイオリンが歌い、情感豊かな響きが胸に染み透りました。

 最後は胸元に銀色のキラキラが眩しい青緑色のドレスに着替えた西谷さんにより、「Songs」からの2曲が歌われました。前半以上に素晴らしい歌声で、うっとりと聴き入りました。

 予定のプログラムが終わり、全員がステージに登場し、アンコールとして「虹の彼方に」が演奏されました。西谷さんもマイクを使って歌われましたが、ピアノとヴァイオリンの調べに載せて、アマリアさんと西谷さんの二重唱が美しく、感動の中に終演となりました。

 硬軟のバランスが取られ、聴き応えあるプログラムで良かったと思います。照明効果もバッチリであり、石井さんの企画・演出の素晴らしさ、ピアノ演奏の素晴らしさに拍手を贈りたいと思います。
 また、新型コロナウイルス対策は十分になされており、運営に携わったスタッフの皆さんにもブラボーを贈りたいと思います。

 帰り道もバイパス経由であっという間に帰宅できました。固定席の専用ホールとしては、新潟市内では一番便利なホールです。車があればの話ですけれど・・。

  

(客席:RC-4-34、\500)