りゅーとぴあ Best Slection 2019 と題されたコンサートシリーズです。新潟が来年の東京オリンピック・パラリンピックで、フランスのホストタウンとなったことを記念して、フランスのソリスト3人が招聘されました。
第1回はフルートのマチュー・デュフォー、今回の第2回はピアノのエリック・ル・サージュ、そして第3回はハープのグザヴィエ・ドゥ・メストレです。
平日夜のコンサートということで、仕事を早めに切り上げて、大急ぎでりゅーとぴあへと向かいました。隣の県民会館では葉加瀬太郎のコンサートが開催され、駐車場は満車の掲示が出ていましたが、タイミング良く、どうにかいつもの場所に駐車できました。
既に開場されており、入場しましたが、客の入りとしては予想より空いていて、サイドでは空席が目立ちましたが、私の周囲は混み合っていました。
今日のプログラムは、ル・サージュお得意のシューマンのほか、フォーレとドビュッシーが演奏されます。こういう演目は新潟ではなかなか珍しく、楽しみにしていました。
開演時間となり、最初はシューマンの子どもの情景です。トロイメライはしばしば聴きますが、全曲をまとめて聴く機会はめったにありません。
ちょっと早めに、曲の切れ目なく、シームレスに演奏が進みました。淀みなく演奏が進みましたが、トロイメライでは間を置いて、ゆったりと歌わせました。思うがままに音楽を繰り出し、美しい響きと余韻で酔わせてくれました。
2曲目はフォーレの夜想曲。この曲だけは楽譜を見ながらの演奏で、チャーミングな譜メクリストがサポートしました。はじめは寝静まった穏やかな夜かと思いましたが、うなされるような興奮も感じさせました。
続いてはドビュッシーの子どもの領分です。各曲の対比も鮮やかに、色彩感あるクリアな音と響きで楽しませてくれました。最後のゴリウォークのケークウォークではじけて〆ました。
前半最後はドビュッシーの喜びの島。個人的には前半で一番感銘を受けました。揺れ動く心のように、流れ出る音楽の泉。濁りのないクリアな響きがやがて大きなうねりとなって押し寄せました。
後半はシューマンの謝肉祭です。全20曲が連続して演奏されましたが、前半の印象とは一転して、原色系の色彩感あふれる音楽で楽しませました。カーニバルの賑わいを感じさせ、おもちゃ箱をひっくり返したかのように、個性ある様々な音楽がこぼれ出て、光り輝く変幻自在な音楽で圧倒しました。
アンコールにシューマンを2曲を演奏して終演となりましたが、一貫してパワーで圧倒することなく、しなやかな指裁きで魅了しました。全体として透明感がありながらも、刺激的でもあり、そのクリアな音は、炭酸が効いた上等なシャンパンという感じでした。
熱く燃え上がり、胸が高鳴るような感動とは異なりますが、青白く燃える炎のような、爽やかな感動を胸に、駐車場へと急ぎました。
(客席:2階C2-12、S席セット券・会員割引:¥2700) |