新潟メモリアルオーケストラ第29回定期演奏会
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2019年9月29日(日) 14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:工藤俊幸
コンサートミストレス:河本 彩
 
(ロビーコンサート 13:10〜)

 トランペット六重奏
    クラーク:イギリス組曲
 フルート・クラリネット四重奏
    アーレン:虹の彼方に
 ホルン四重奏
    作曲者不明:Bayricher Landler
 木管五重奏
    木村弓・久石譲:ハウルの動く城 より
 弦楽四重奏
    ベートーヴェン弦楽四重奏曲第14番より 第7楽章

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チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

シベリウス:交響曲第7番 ハ長調

(休憩20分)

ニールセン:交響曲第4番「不滅」

(アンコール)
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
 

 9月最後の日曜日。天候も良くなく、気温も下がって随分と秋めいてきました。ゆっくりと昼食をとり、小雨降るなか車を走らせ、開場30分前に到着。県民会館で開催中の某展覧会を観て、りゅーとぴあへと向かいました。
 今日は毎回楽しみにしている新潟メモリアルオーケストラの定期演奏会です。昨年は私が好きなマーラーの6番をやってくれて、是非とも聴きたかったのですが、仕事で行けませんでした。したがいまして、今回は2017年の第27回以来2年ぶりになります。

 りゅーとぴあの中に入りますと、劇場の公演の長い行列が伸びていましたが、コンサートホールの開場の列も負けずに伸びていました。今日はりゅーとぴあの各ホール、スタジオは全て公演があり、大盛況でなによりです。
 チラシ集めをし、私も開場の列に並んで、2階正面に席を取り、ロビーコンサートを聴くべく、3階バルコニーに上がりました。

 ほどなくしてトランペットのファンファーレでロビコンがスタートしました。以後各グループともに、美しいハーモニーをホワイエに響かせていました。特に最後の弦楽四重奏は聴き応えありました。

 ホールに戻ってこの原稿を書き始めましたが、開演5分前の予鈴が鳴るとともに、団員がパラペラと入場し、音だしを始めました。開演2分前には全員が揃い、ステージは賑やかとなりました。
 時間となり客席の照明が落とされると静かになり、コンミスの河本さんが立ち上がってチューニングが始まりました。

 工藤さんが登場して、チャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」で開演しました。最初の木管の和音から名演が予感され、コントラバス10人を擁する低弦の響きも美しく、切れの良い演奏で楽しませてくれました。甘いメロディはたっぷりと歌わせ、幻想の世界へと誘いました。

 団員が入れ替わって、続いてはシベリウスの7番です。単一楽章の交響曲ですが、透明感と色彩感あふれる演奏で魅了しました。ゆったりとした叙情的な美しいメロディが極上のアンサンブルに載せて奏でられ、壮大なブラスが北欧の広大な平原を感じさせました。曲自身の素晴らしさも再認識させてくれる美しい演奏でした。

 後半はデンマークの作曲家・ニールセンの交響曲第4番です。この曲も4つの部分からなる単一楽章の交響曲です。CDでは聴いていますが、実演は初めてです。こういう曲をプログラムに取り上げるのは、さすがメモリアル・オケという感じですね。
 演奏は、精緻かつダイナミック。淀むことなく流れ出る音の噴水。増強されたコントラバスによる重厚な低弦が音楽に安定感を生み、しっかりとした土台の上で音楽が弾けました。
 各パートがしっかりと自分の役割を最高のパフォーマンスで全うし、一期一会の快演を創り出しました。終盤の聴かせどころでの2組のティンパニの渾身の連打にはブラボーを贈りましょう。
 目を閉じれば東響定期ではないかと思うほどであり、これほどの演奏を聴けるとは予想もせず、驚きを禁じ得ませんでした。
 と、カラヤン指揮ベルリンフィルのCDを聴きながら書いていますが、今日の演奏の迫力とクオリティは引けを取るものではありません。

 アンコールは弦楽だけでの演奏でした。今日のコンサートを象徴するかのように、弦楽アンサンブルの美しさで酔わせました。これほどの演奏はなかなか聴けるものではなく、ため息が出るほどでした。

 山岡先生とともに、一時代を築いたメモリアルオケですが、工藤先生という素晴らしい指揮者と美しきコンミスとともに、新たな世界へとステップアップしています。

 次回の演目は、何とマーラーの交響曲第7番です。新潟初演じゃないでしょうか。今からわくわくしてきます。楽しみだなあ・・・。
 

(客席:2階C5-11、無料)