東京交響楽団第114回新潟定期演奏会
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2019年7月14日(日) 17:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
指揮:ロレンツォ・ヴィオッティ
コンサートマスター:水谷 晃
 


ブラームス:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 op.25
       (シェーンベルクによる管弦楽版)

(休憩20分)

ドヴォルザーク:交響曲 第7番 ニ短調 op.70

(アンコール)
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番

 5月以来、2ヶ月ぶりの東響新潟定期です。いつもなら13時からのロビーコンサートも聴くのですが、今日は北区フィルの定期演奏会と重なったため断念し、北区フィル終演とともに大急ぎでバイパスを走り、りゅーとぴあへと駆けつけました。幸いバイパスはたいした渋滞はなく、小雨の中に、開演15分前にホール入りできました。

 今日の演目は、昨日開催された東京オペラシティシリーズ第110回と同じです。渋い演目で集客はどうかと危惧しましたが、客の入りはいつもの通りでしょうか。U25シート利用の若者たちが多いのは良いですね。

 時間となり、いつものように拍手の中団員が入場。全員揃うまで起立して拍手に応える新潟方式。最後にコンマスが登場して大きな拍手が贈られました。
 オケは14型で、ヴァイオリンが左右に別れる対向配置ですが、ヴィオラが左、チェロとコントラバスが右という珍しい配置です。今日のコンマスは水谷さん。次席は廣岡さんです。
 長身で細身のヴィオッティさんが颯爽と登場。燕尾服ではなく、通常のスーツです。靴はスニーカー風でかっこ良いです。1990年スイス生まれといいますから、まだ20代。この若さで世界で活躍しているとは凄いですね。

 前半はブラームスのピアノ四重奏曲第1番のシェーンベルクによる編曲版です。有名曲だそうですが、私は初めてです。北区フィルには申し訳ないですが、プロオケの音は違いますね。当然でしょうけれど・・。
 美しい弦楽アンサンブルに管楽器が絡み合い、多彩な打楽器が色づけしています。ハッとするような瞬間が散りばめられた曲であり、演奏だったと思います。色彩感あるオーケストラ編曲を、見事に表現し、まとめあげた指揮者の実力を見せ付けられました。

 休憩時間にステージ奥の打楽器群が片付けられて、中央にティンパニだけ残されました。管楽器もさっぱりし、後半はドヴォルザークの交響曲第7番です。8番、9番に隠れて、めったに聴く機会はありませんが、渋いながらも味わい深い音楽ですね。頻回に演奏されないというのは理由があるわけですが、曲の魅力をダイレクトに示してくれたヴィオッティの曲作りの素晴らしさに感銘しました。
 緊張感溢れ乱れることのない弦のアンサンブル、ホルンをはじめ抜群のパフォーマンスを発揮してくれた管楽器。いい演奏でした。

 定期演奏家では珍しくアンコールがありました。前半のブラームスつながりと思いますが、ハンガリー舞曲を軽快に、猛スピードで演奏し、興奮の中に終演となりました。

 まだ20代の若さで、私としては馴染みの少ない音楽を、これほどまで生き生きと聴かせてくれたヴィオッティのパフォーマンスに感動し、ウキウキした気分で家路に着きました。

 明日はミューザ川崎で、同じプログラムでのコンサート(名曲全集第148回)があります。東京ー新潟ー川崎と、3日連続のコンサート、ご苦労様です。

 

(客席:2階C*-*、S席:定期会員)