大阪フィルハーモニー交響楽団第528回定期演奏会
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2019年5月24日(金) 19:00 フェスティバルホール
 
指揮:シャルル・デュトワ
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指導:s章恭)
コンサートマスター:崔 文洙
 


ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」 作品9

ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲
       T. 夜明け
       U. 無言劇
       V. 全員の踊り

(休憩20分)

ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
       T. 夢想、熱情
       U. 舞踏会
       V. 野の風景
       W. 断頭台への行進
       X. 悪魔の祝日(ワルプルギス)の夜の夢
 

 大阪に出張の夜、繁華街で食い倒れも良いですが、私は音楽を楽しみましょう。コンサートを検索してみましたら、このコンサートがあり、聴かせていただくことにしました。
 大阪フィルは、2016年5月に出張で来たときに第498回定期演奏会を聴いて以来であり、ちょうど3年振りになります。

 仕事を終えて、安宿にチェックイン。土佐堀川の川縁をブラブラ歩き、フェスティバルホールに到着。地下のレストランで簡単な夕食をいただき、生ビールでいい気分になったところで、赤絨毯の大階段を上って入場し、長いエスカレーターで5階のホワイエに上がりました。
 今回の席は2階席の最後方。最低ランクのC席です。ちなみに、関西のコンサートにはS席がなく、A席が最上位であり、文化の違いを感じます。

 今日のプログラムは、デュトワの指揮によるフランス物であり、魅力的な演目です。私がデュトワの指揮を聴くのは、1996年12月以来であり、何と23年ぶり。随分と久しぶりになります。デュトワは1996年4月に、フランス国立管弦楽団とともに新潟で演奏していますが、以後新潟への来演はありません。

 開演前には、ロビーで、大フィル定期名物のプログラム解説がありました。時間となり、拍手のないなかに団員が入場。客演コンマスの崔さんが登場して拍手が贈られ、チューニング。デュトワが登場して、「ローマの謝肉祭」で開演しました。
 今日のプログラムはデュトワの十八番的な曲であり、指揮台には譜面台はなく、全演目とも暗譜での指揮でした。

 演奏が始まり、ビロードのような、柔らかなサウンドにうっとりしました。日頃は東響ばかり聴いており、たまに他のオケを聴くと新鮮な感じです。
 最安の席ですが、見晴らしも音響も良く、不満は感じません。2700席の大きなホールですが、解像度の高いクリアな響きで、なかなかいいですね。演奏は上品さがあり、さすがデュトワと感じました。

 合唱団が入場し、次は「ダフニスとクロエ」です。この曲を合唱付で聴くのは初めてでしたが、演奏効果が高まり、聴き映えがありました。切れの良いサウンドに感銘し、オケの質の高さを実感しました。

 休憩時間にコーヒーをいただきましたが、手際良く、たくさんの客を処理しているのは感心しました。また、ロビーに紙コップ式のウォーターサーバーがあるのはいいですね。

 後半は幻想交響曲です。前半同様に、美しいオーケストラサウンドにうっとりしました。透明感のある弦の素晴らしいアンサンブルに、ハープがアクセントを付けていました。第3楽章のクラリネットとオーボエの掛け合いもお見事。
 ちょっとグロテスクな感じもあるこの曲ですが、一貫して上品さを失わず、統率の取れた演奏はさすがでした。もっと暴れて、荒れ狂っても良かったかなとも思いましたが、節度ある興奮も不満はありません。

 今回は、大フィルとデュトワの初共演でしたが、大フィルから素晴らしいサウンドを引き出したデュトワの力量に感銘しました。

 オケの力量を知るには、本拠地での定期演奏会を聴くのが一番ですね。豪華さ溢れるホールの雰囲気も良く、満足度の高い演奏会に、気分良くホテルへと歩いて帰りました。
 
 

(客席:2階8-7、C席:¥4000)