Noism1 X SPAC 劇的舞踊 vol.4 ROMEO & JULIETS
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2018年7月6日(金) 19:00  新潟市民芸術文化会館 劇場
 
演出・振付:金森 穣
出演:Noism1、 SPAC
 

原作:シェークスピア 「ロミオとジュリエット」(河合祥一郎・訳)
音楽:プロコフィエフ Romeo & Juliet



第1幕

(休憩:15分)

第2幕








 

 数十年に1度という記録的豪雨が西日本を襲っています。幸い新潟は大雨にはなりませんでしたが、天候は優れません。こんな状況ではありますが、Noismの公演に行くことにしました。Noismを観るのは、昨年5月以来1年ぶりになります。

 今回の公演は静岡県舞台芸術センター(SPAC)との共演で、舞踏家と俳優が渾然一体となった舞台芸術を創り上げようという意欲的な作品です。どんな舞台になるのか期待が膨らみました。公演は今日が初日で、明日・あさってと公演が続きます。そして、新潟の後は富山、静岡、埼玉で公演が行われます。

 仕事を早めに切り上げ、雨の中大急ぎで車を進め、開演10分前に到着しました。平日夜の初日の公演でしたが、客席はほぼ埋まっていて、劇場内は熱気に包まれていました。客層はいつものクラシックコンサートの客層よりかなり若く、私などは高齢者グループに入りましょう。そして圧倒的に女性が多いですね。

 開演時間となり、ステージの前方ぎりぎりに、横一列に白い衣裳の出演者が並び、物語が始まりました。演目は、シェークスピアの古典的名作ですが、現代の病院が舞台となっています。それも精神病院でしょうか。現代人は誰もが自己矛盾を抱え、精神疾病を患っているという視点から、現代社会が病院になぞらえて表現されているようです。

 出演者は舞踏家(Noism1)と演劇俳優(SPAC)が半々ずつで、プロコフィエフの音楽に乗せて台詞が語られ、物語が進行します。演題名が「ROMEO & JULIETS(ロミオとジュリエットたち)」となっており、JULIETが複数形になっているのに意味があり、JULIETが5人も出てきます。分裂した精神状態を示唆するのでしょうか。ROMEOは車椅子に乗っていたり、私のような素人にとっては舞台設定はちょっと難解です。ちなみに井関さんは看護師役、金森さんは医師役で出演されています。

 舞台芸術に疎い私ですので、多くを語ることはできませんが、演劇と舞踏が渾然とした舞台は、物語の進行が分かりやすくて楽しめました。
 今日は初日で、これからも公演は続きますので、詳細を書くことは控えますが、台詞が投影されたり、映像が効果的に使われ、死の場面では舞台から身を投げたりと演出的に面白かったです。ラストには開演時と同じく、白い衣裳の出演者が横一列に並んで終演となりました。

 プロコフィエフの音楽は、当然ながら生の演奏ではなく録音された音楽のため、音楽好きにとっては音響的には難があり、もっといい音で聴きたかったですが、この公演にそれを求めるのは筋違いですね。

 舞踏や演劇に疎く、素養のない私ですが、たまにはこういう舞台を見るのも良いですね。こんな素人でもNoismの凄さは伝わってきます。全国に誇りうる新潟の宝・Noism。これからも発展を続けてほしいです。
 
  

(客席:2階15-26、 S席:会員割引:¥3600)