北区フィルハーモニー管弦楽団第7回定期演奏会
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2018年7月1日(日) 14:00  新潟市北区文化会館
 
指揮:長谷川正規
チェロ:片野大輔
ゲストコンサートマスター:阿部智子
 


フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より 第1幕への前奏曲

シューベルト:交響曲第7番 ロ短調 D.756 「未完成」

(休憩15分)

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104

(アンコール)
鳥の歌
ドヴォルザーク:スラブ舞曲第1番






 

 昨日までの悪天候から一転して、今日は青空が広がって日差しが強く、暑さも厳しくなりました。今週は超多忙で、慌ただしい一週間でした。
 昨夜福岡出張から帰りましたが疲労は蓄積し、今朝起きたら体調不良。家で休養していようかと思いましたが、結成当初から聴き続けている北フィルが協奏曲に初挑戦し、ソリストが片野さんというのも興味深く、思い切って出掛けることにしました。

 家を12時半すぎに出て、13時10分頃にホール入り。ちょうどロビーコンサートが始まるところで、チェロとクラリネットの二重奏が美しくホワイエに響いていました。その後は弦楽四重奏+クラリネットでの演奏が続きましたが、チェロの瀬高さん、クラリネットの藤井さんはさすがです。いい演奏でした。

 開場時間となり、中段に席を取りました。客の入りは良く、9割方は入っていたようです。開演時間となり、団員が入場。最後にゲストコンマスの阿部さんが入場して大きな拍手が贈られました。阿部さんといえばアンサンブル・オビリーでお馴染みですが、片野さんつながりでしょうか。賛助出演として某オケのコンマスもいらっしゃいました。

 長谷川さんが登場して、最初は「ヘンゼルとグレーテル」です。冒頭のホルンのアンサンブルが素晴らしく、すぐに演奏に引き込まれました。出だしは順調です。

 続いては「未完成」。この曲はつい先日スロヴァキア国立放送交響楽団で聴いたばかりで、中4日とうことになります。低弦の序奏からお馴染みのメロディへ。当然プロに比べれば技術的差はありましょうが、出てくる音楽の心では決して引けをとりません。心に優しく響くいい演奏でした。

 休憩後の後半はいよいよドヴォルザークのチェロ協奏曲です。片野さんはアズキ色のシャツで登場。長い序奏で演奏が始まりましたが、前半とは別のオケと思うほどに力強いサウンドに驚きました。片野さんの独奏もパワーに溢れ、オケとせめぎ合い、ときに寄り添い、歌わせどころでは流麗に歌わせ、淀みなく音楽が流れ出ました。
 前半も見事な演奏だったのですが、それは前菜に過ぎなかったのです。こんなにも濃密に、心を揺さぶる演奏が聴けるとは予想せず、一期一会の快演に立ち会えた幸せをかみしめました。

 アンコールに、オケをバックに片野さんが「鳥の歌」を切々と演奏し、ドボコンの興奮を鎮めました。そしてアンコール2曲目はオケだけでスラブ舞曲第1番を華やかに演奏して終演となりました。

 疲れを吹き飛ばしてくれるような力強い演奏に、パワーをいただきました。さすが片野さんと感激するとともに、北フィルの素晴らしさを再認識し、気分も軽やかに家路に着きました。
  

(客席:12-9、 ¥1000)