第8回新潟クラシックストリート
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2018年5月5日(土)    新潟市内各所
 
 
12:30 新潟市民プラザ 
     新潟医療福祉大学吹奏楽部
       ラフマニノフ(吉田亘・編):パガニーニの主題による狂詩曲
       ガーシュウィン(佐藤博昭・編):ラプソディ・イン・ブルー

13:30 ホテル・オークラ バー・エジンバラ
     キャトル・フルートトリオ (手島尚子、西山直子、水島あや)
       石毛里佳:ときおりの島
       福島弘和:雪灯りの幻想
       ベートーヴェン(七瀬あゆこ・編):エリーゼのために
       神長一康:木漏れ日の散歩道
       葉加瀬太郎(つじたかりろ・編):情熱大陸

14:30 新潟市音楽文化会館練習室12
     Sound Story  (S:内澤郁子、Pf:古川由紀子) 
       野ばら、宵待草、ウィーンの夜は最高 ほか

15:00 新潟市音楽文化会館ホール
     アンサンブル・フィーデル
       グリーグ:ホルベルグ組曲 Op.40
       ドヴォルザーク:ピアノクインテット 第2番 イ長調 Op.81 第3・4楽章

15:30 新潟市音楽文化会館練習室10
     今井あい(ソプラノ)・斉藤晴海(ピアノ)
       花、初恋、行く春
       スペインの歌2曲
       私のお父様、ミラネル
       ホフマン物語より オランビアのアリア
       春の声

16:30 新潟市音楽文化会館練習室11
     アモーレ・マルー
       カザッティ:チャコーナ
       ダウランド:カム・アゲイン
       アリアス・ゴイヤー編:タイタニックのテーマ&アメイジングゲレイス
       ヴィヴァルディ:四季より 「冬」 リコーダー独奏版
       ヘンデル:オペラ「シビオーネ」より アリア「荒れ狂う海の中にあっても」
 

 毎年ゴールデン・ウィークに恒例になった新潟クラシックストリートが今年も開催されました。もう8年目にもなるんですね。今年は市内26ヶ所で計125公演開催されました。
 魅力ある公演がいくつも重なり、物理的に回れる限界もありますので、どの公演を聴くか思案するのが悩みであり、楽しみでもあります。

 昨夜は雷雨で、今日はどうなるかと思いましたが、夜が明けたら雨雲は去り、絶好のクラシックストリート日和になりました。12時スタートでしたが、家を出るのが遅くなり、12時半から参加することにしました。

 まずは NEXT21 6階の市民プラザでの新潟医療福祉大学吹奏楽部です。300席のホールですが、客はそれなりにというところでした。
 1曲目は、フルート、クラリネットX2、サックス、トロンボーン、チューバ、コントラバスの7人の編成で、パガニーニの主題による狂詩曲です。小編成ですので、各奏者の技量がダイレクトに伝わり、ハラハラ・ドキドキのひとときでした。
 2曲目はラプソディ・イン・ブルー。編成は大きくなって、ホルン、トロンボーンがもう1人、ユーフォニアム、パーカッションが加わって総勢11人です。最初のクラリネットのグリッサンドがうまく決まって、なかなか楽しめる演奏に仕上がりました。
 まだ時間はたっぷりと残っていましたので、3曲目は何かと待っていましたが、そのまま撤収作業が始まってしまいました。


 続いてはホテル・オークラに移動して、バー・エジンバラでのキャトル・フルートの公演です。本来は東京で活躍中の丸山悠太さんを加えての4人編成ですが、今回は手島尚子さん、西山直子さん、水島あやさんの3人のトリオでの演奏です。演奏のクオリティもさることながら、ヴィジュアル面の素晴らしさも一級品です。
 なかなか入る機会のないシティホテルのバー。さすがに落ち着いた雰囲気ですね。中に入りますと、水色のドレスが爽やかな西山さん、手島さん、そして落ち着いた青緑のドレスの水島さんが待機しておられました。せっかくのですので、コーヒーをいただきながら開演を待ちました。
 時間となり、西山さん、水島さん、手島さんの順にトーク・曲目紹介をはさみながら演奏が進められました。響きの少ない空間でしたが、バーの非日常的空間で聴くフルートの調べは格別であり、抜群の演奏技術と相まって、大きく盛り上がって終演となりました。この後、3人ともそれぞれ別のグループでの演奏が控えており、ご苦労様です。


 ゆっくりと音楽文化会館へ移動して、次は練習室12での Sound Story です。小さな会場のためもあって、立ち見も含めて超満員となりました。ソプラノの内澤さんとピアノの古川さんの演奏ですが、寸劇仕立てで、楽しく聴かせていただきました。内澤さんのコミカルな演技と歌の素晴らしさもさることながら、古川さんのピアノも良くて、独奏の場面ではうっとりと聴き入りました。


 エレベーターで3階に上がって、次はホールでのアンサンブル・フィーデルです。ヴァイオリン8、ヴィオラ2、チェロ3の編成で、これにピアノが加わります。いつもは高橋百合さんがコンミスとして参加されているのですが、今年はお名前がありませんでした。毎年聴かせていただいていますが、音楽を楽しみ、合奏する喜びが伝わり、プロには感じられないほのぼのとした演奏が魅力です。
 最初は村山和子先生の指揮でホルベルグ組曲です。 アンサンブルのほころびは若干ありましたが、練習の成果が出ていて、なかなか聴かせる演奏に仕上がっていたと思います。
 続いては村山先生のピアノ独奏でドヴォルザークのピアノ五重奏曲です。2016年に第1楽章を演奏していますが、今回は第2・3楽章です。さすがに村山先生のピアノが入りますと演奏が引き立ちますね。良い演奏だったと思います。


 練習室10に移動して、今井あいさんと斉藤晴海の演奏です。斉藤さんは多彩な活動をされていますので、これまで何度も聴く機会がありましたが、今井さんは2015年7月以来になります。このときもピアノは斉藤さんでした。
 斉藤さんによる曲目紹介で演奏が進められました。日本の歌曲を3曲歌った後、スペインの歌曲を2曲、カスタネットを手に情熱的に歌いました。
 その後はイタリア、フランスへと続きましたが、ホフマン物語ではコミカルな演技もあって、楽しませてくれました。鳴り止まない拍手に応えて、春の声を華やかに歌って終演となりました。
 今井さんは斉藤さんという最高のパートナーを得て、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。華を感じさせる素晴らしい歌い手さんですね。
 今井さんは、9月に新潟県民会館と神奈川県民ホールで、ジョン・健・ヌッツォさん、デニス・セドフさんらとのコンサート(ピアノ:栄長敬子さん)を開催されるとのことです。大物との共演の成功を祈りたいと思います。


 練習室11に移動して、次はアモーレ・マルーです。リコーダーの丸山友裕先生をリーダーに、ヴァイオリン(井口歩、白井麻也)、ヴィオラ(和田意織)、チェロ(瀬高伸一郎)、バロックフルート(水島あや)、チェンバロ(笠原恒則)からなるバロックアンサンブルで、ソプラノの風間左智さんが加わります。水島さんは先ほどオークラで聴いたばかりでしたが、黒いシックな装いに変身しての参加です。
 アモーレ・マルーの演奏は、つい先日のりゅーとぴあロビーコンサートで聴いたばかりで、演目も重なっていますが、何度聴いても楽しめます。卓越した演奏技術に支えられた素晴らしいアンサンブルですね。特にヴィヴァルディの冬での丸山先生の超絶技巧には驚くばかりです。風間さんの表現力豊かな味のある歌声もお見事です。スライド投影も良かったです。


 まだまだたくさんの公演が続きましたが、私はここでタイムアップ。結局6公演のみというのは寂しかったですが、内容豊富で楽しめましたので良しとしましょう。
 新潟の春に定着したこのイベント。新潟ジャズストリートとともに長く続いてほしいですね。関係の皆様のご尽力に感謝申し上げます。


(1日フリーパス:¥1000)