新潟メモリアルオーケストラ第27回定期演奏会
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2017年10月1日(日)14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:工藤俊幸
ヴァイオリン:風岡 優
 
ロビーコンサート

 1. ホルン四重奏
 ワーグナー:「ローエングリン」より 婚礼の合唱

 2. 木管五重奏
 日本の歌メドレー

 3. クラリネット五重奏
 チャイコフスキー(武満徹・編):「四季」より 秋の歌

 4. フルート四重奏
 チャイコフスキー:「くるみ割り人形」より 葦笛の踊り

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ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より 第1幕への前奏曲
                         エルザの大聖堂への入場

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調

(ソリストアンコール)
  ビーバー:パッサカリア

(休憩20分)

ショスタコーヴィチ:交響曲第12番 「1917年」

 秋晴れの日曜日。運転免許の更新をして、某所でひと休みして、りゅーとぴあへと向かいました。開場は1時と早かったですが、開場とともに入場。いつもの場所に席を取り、1時10分からのロビーコンサートを聴きました。

 ホルン四重奏の柔らかなサウンドにうっとりとし、木管五重奏の軽快な演奏に心躍らせ、クラリネット五重奏のしっとりとした調べに秋の訪れを実感し、フルート四重奏の爽やかな演奏に気分もすっきりしました。

 ホールに戻りますと、一人、二人と、ステージに団員が出てきて音出しを始め、開演5分前にはほぼ全員集まりました。開演時間となり、場内が暗転し、チューニングとなりました。

 工藤さんが登場して、最初はワーグナーです。弦のアンサンブルも素晴らしく、壮大で幽玄な音楽世界を示現していました。この演奏を聴いて、今年の定期演奏会の成功が確信されました。例年以上の仕上がりではないでしょうか。オケのサウンドがこれまで以上に洗練され、レベルアップしているのが実感されました。指揮者が変わったせいでしょうか。

 続いては、オケの編成が小さくなって、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲です。長らく弦のトレーナーとして関わり、このオケとの関係も深い風岡さんの独奏とあって、桶の意気込みも違うのではないでしょうか。
 風岡さんは、老練の演奏とでもいいましょうか、華やかさや溢れ出るパワーは感じられませんが、いぶし銀のような落ち着きと内に秘めた情熱を感じ、崇高さを感じる演奏に胸打たれました。
 大きな拍手に応え、花束をもらった後にアンコールを演奏してくれました。これがまた素晴らしいもの。何と私が好きなビーバーのパッサカリアでした。6月に鈴木理恵子さんの演奏を聴いて感動したのも記憶に新しく、わずかの期間に続けて聴くことができたのは感激でした。

 後半は、オケの編成が大きくなってショスタコーヴィチです。交響曲第12番というのがいいですね。CDは持っていてもなかなか聴かず、こういう生演奏でなければ聴くこともないように思います。このような曲をあえて選ぶのがメモリアル・オケの真骨頂といえましょう。
 演奏はすさまじいもので、快演、爆演と言って良いでしょう。パワーにあふれ、ショスタコーヴィチの壮大で混沌とした音楽世界を見事に表現していました。
 ホールいっぱいに響き渡るオーケストラサウンド。音響に身をゆだねていますと、精神的高揚感が湧き上がってきます。目を閉じていれば、これがアマチュア・オケの演奏とは信じられず、東響定期を聴いているのではないかという錯覚を感じました。
 この曲は、家の貧弱な音響機器では楽しめず、生演奏ならではの感動をいただきました。汗がほとばしるような熱い演奏に、感動を抑え切れませんでした。

 メモリアル・オケならではの選曲で、メモリアル・オケならではの演奏。こんな演奏を無料で聴かせていただいて、感謝するばかりです。

 山岡重信さんとの蜜月時代が終わり、どうなるかと勝手に心配しましたが、着実に歩みを進めています。来年は9月23日(日)に、ブラームスの悲劇的序曲とマーラーの交響曲第6番「悲劇的」が演奏されます。悲劇特集が今から楽しみです。

 メモリアル・オケの素晴らしさを再認識し、高鳴る感動を胸に家路に着きました。
 
  

(客席:2階C3-7、無料)