関 敦子 ピアノリサイタル
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2017年9月30日(土)14:00 西川多目的ホール
 
ピアノ:関 敦子
 
ハイドン:ピアノソナタ 第59番 変ホ長調 Hob.XVI:49

ベートーヴェン:ピアノソナタ 第12番 変イ長調 作品26

(休憩15分)

シューベルト:即興曲 D935 Op.142 (全4曲)

(アンコール)
モーツァルト:ロンド ニ長調 K.485

 夜雨が降り、今日も午後から雨になる予報でしたが、朝から青空が見え、清々しい天候になりました。仕事上のトラブルがあり、どうなるか危ぶまれましたが、問題解決し、予定通りに西川多目的ホールに向かいました。

 ここは西区在住の私としましては、近くて便利なホールです。図書館もありますし、いろいろ楽しめます。このホールでは、時々掘り出し物的なコンサートが開催されますので、注意して情報集めしているのですが、今回も関さんのリサイタルが開催されると知り、聴きに行くことにしました。そういえば、昨年も今頃に関さんのリサイタルがあり、聴きに行っていました。
 関さんは、ドイツで活躍しながらも、毎年新潟で:コンサートを開いてくれてありがたいです。それも無料というのはこの上ない喜びです。

 開場とともに入場。満席とはいきませんが、かなりの入りであり、大盛況といえましょう。主催者挨拶の後、司会者による曲目紹介があり、その後に関さんが登場。挨拶があって、椅子に座るやいなや演奏が始まりました。

 最初はハイドンです。ピアノはフルコンサートではない小型グランドピアノですが、音楽の泉が涌き出るかのように、明るく色彩感のあるメロディが、優しく淀みなく流れ出てきました。
 名前のごとく多目的ホールであり、平土間に収納式の客席があるタイプですが、音響反射板を備えて、響きも十分にあり、目を閉じれば音楽ホールに引けを取りません。
 最初の1曲から、関さんの素晴らしさを再認識し、淡々とした演奏姿からは想像できない生き生きとした音楽に、ただ身をゆだねるのみでした。

 ここで間違って休憩のアナウンスがありましたが、すぐに訂正されました。続くベートーヴェンも、ハイドンでの印象そのままに、流れるような演奏でした。第3楽章の葬送行進曲も暗さは感じませんでした。優しい響きの中に秘めた情熱も感じさせながら突き進むピアノにうっとりと聴き入りました。

 休憩後のシューベルトも同様です。卓越した演奏技術によるものと思いますが、流れるように、滑らかに繰り出される音楽に心躍りました。
 4曲をピアノソナタのように続けて演奏しましたが、草原に吹き渡るそよ風のような爽やかさを感じました。お馴染みの第3曲の優しいロザムンデのメロディにうっとりと聴き入り、対照的に情熱的な第4曲へ突入。森の中を白馬に乗って駆け抜けるかのように疾走して演奏を閉じました。

 アンコールはモーツァルトのロンドでした。仲道郁代さんのテレビCMで聞きなれた曲ですが、爽やかに演奏し、コンサートを締めくくりました。

 地元の市民団体主催のコンサートで、手作り感あふれるものでしたが、単なる名曲コンサートではなく、本格的なリサイタルであり、聴き応え十分でした。関さんの素晴らしい演奏を無料で聴けるというのは、なんとも贅沢でした。

 外に出ますと道路が濡れていました。演奏中に降雨があったようです。雨の後に青空が広がり、今日の演奏のごとく、爽やかな気分で家路につきました。
 
  

(客席:C-21、無料)