梅雨空が続き、鬱陶しい毎日です。昨日モスクワ・フィルを聴いたばかりですが、今日は長岡まで遠征して、長岡交響楽団を聴いてきました。前回聴いたのは2015年7月の第56回定期ですので、2年ぶりになります。
雨が降り続くなか、いつものように、分水・与板経由で長岡入りしました。農道を快適に飛ばして、ちょうど良いドライブコースです。ホールの隣のハイブ長岡では催しがあって、リリックの駐車場に違法駐車しないかチェックしていました。非常に混み合っていましたが、何があったのでしょうね。
早めにリリックに入り、情報ラウンジで音楽雑誌を読んで時間調整。ころあいを見計らって当日券を購入。早めに開場待ちの列に並び、中央付近に席を取りました。ホールが小さいせいもありますが、客の入りは良好で、ほぼ満席となりました。ステージは狭いので、オーケストラには窮屈そうです。
前半は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲です。独奏は読売日本交響楽団の1st ヴァイオリン・フォアシュピーラーで、長岡交響楽団の客演コンサートマスターを務めている舘市さんです。舘市さんによる協奏曲を聴くのは、2013年6月の第54回定期以来になります。独奏が始まるまで、オケと一緒に弾いたりしながら精神集中して演奏に入っていました。
オケの演奏が始まるとともに、その音を聴いて、オケのレベルの高さを実感しました。いい音を出しているなあというのが第一印象でした。
横島さんの体全体を使ったエネルギッシュな指揮に応えて、熱気溢れる演奏を聴かせてくれました。第2楽章のオーボエのソロも破綻なくこなされていました。
舘市さんのヴァイオリンは、やや線が細く感じられましたが、第1楽章終盤の長大なカデンツァなどは聴き応えありました。オケとのせめぎ合いは熱く、聴く者の心を揺り動かしました。
後半は、ドヴォルザークの8番です。舘市さんはコンマスとして演奏に参加していました。これは文句なく素晴らしい演奏でした。
第1楽章冒頭のチェロのアンサンブルを聴いて、今日の名演を確信しました。管も弦も言うことなしであり、前半よりさらにヒートアップしました。
緩急の幅を大きく揺り動かし、歌わせるところはしなやかに歌わせ、大きなアクションで感情のうねりを作り出す横島さんの指揮。オケをグイグイと牽引するゲストコンマスの舘市さん。一丸となってそれに応えるオケのメンバー。それぞれの相乗効果で、一期一会の渾身の演奏が生まれました。第4楽章初めのファンファーレが高らかに奏でられ、感動と興奮のフィナーレへと猛スピードで突進しました。
こんなに生き生きと、生命感溢れる演奏は、滅多に出会えません。もしかしたら、これまで聴いたこの曲の最良の演奏だったかも知れません。
プロだのアマだの、演奏技術がどうのなどと議論するのは意味のないこと。いかに人の心を揺り動かすかこそが重要です。今日の演奏はプロの演奏でも味わえない感動を与え、ホールを埋めた聴衆を、異次元の夢幻の音楽世界へと誘いました。
アンコールに、長岡交響楽団の定番となったジュピターを演奏して終演となりましたが、このアンコールの弦楽の響きの美しさも特筆すべきでしょう。
決して期待を裏切らない長岡交響楽団。横島さんと長岡交響楽団の組合せは、新潟県内最強ではないでしょうか。新潟から長岡まで聴きに行く価値は十分にあります。これをお読みの皆さんも、是非お聴きください。
(客席:14-10、当日券:¥1700) |