LFJ新潟も3日目を迎えました。今日も天候は良く、絶好の行楽日和となりました。
花で彩られた歓迎門、水面に浮かぶ花たちも日光に照らされて輝いていました。青空はすがすがしく、新潟のベストシーズンです。
さて、3日目最初は能楽堂でのフルートの上野さん、ギターの新井さんの公演です。
フルートとギターの二重奏というのはなかなか聴く機会がないのですが、柔らかく、優しく響くギターに載せて、輝きのあるフルートの調べが能楽堂を満たしました。
途中にフルート独奏による現代曲が交えられましたが、尺八のような和のテイストを醸し出し、能楽堂の雰囲気とピッタリでした。張りつめた空気が心地よい緊張感を生み、心が清められるかのようでした。
美しきフルーティストの超絶技巧と優しく包み込むようなギターに酔いしれた至福のひと時でした。
続いてはコンサートホールでの児玉桃さんと広瀬悦子さんの公演です。これからの公演はセット券を買っていますので、毎回同じ席です。今回も昨日に続いてDブロックですが、最前列中央となりました。近くには知人がおられてびっくりでした。
この公演は当初、児玉桃、児玉麻里の姉妹デュオでの予定でしたが、児玉麻里さんがどういう事情かは説明がありませんでしたが出演できなくなり、急遽広瀬悦子さんに変更になりました。そのため、曲目もかなり変更されました。しかし、準備が間に合わなかったらしく、配布されたプログラムは変更前のままになっており、曲目変更を知らないで戸惑っていた人も多かったようです。
お二人とも鮮やかなピンクのドレスで登場し、セクシーな容姿に、煩悩だらけのジジイはうっとりしていました。ハンガリー舞曲、スラブ舞曲は連弾で、チャイコフスキーは2台ピアノでの演奏(ともに1st:広瀬、2nd:児玉)でしたが、急こしらえのデュオとは思えない息の合った演奏で、楽しませていただきました。
この後は、コンサートホール以外の有料公演は聴かず、交流ステージを楽しむことにしました。
まずは、新潟中央高校のコーラス部です。2年生、3年生のみの出演です。無伴奏の合唱曲4曲が歌われましたが、清廉で透き通るような合唱は、心にしみました。さすがに新潟県トップの実力校ですね。
ここでビストロ広場で昼食をいただきました。音楽仲間と遭遇し、強風吹き荒れる中、いっしょに食事しました。今回はバスセンターのカレーがありましたので美味しくいただきました。毎年ホテルのカレーをいただいているのですが、バスセンターのカレーも良いですね。某ホテルのスープもいただきましたが、これも美味しかったです。
再び交流ステージに戻って、楽しみにしていた新潟市ジュニア合唱団です。7月の定期演奏会での演目の一部が歌われましたが、やぱりジュニアは良いですねえ・・。ダンスも素晴らしく、短い公演時間でしたが、ひとつのショーとして十分に楽しめました。
続いてはコンサートホールでの井上道義さんとシンフォニア・ヴァルソヴィアの公演です。1階席中央のVIP席は毎回空いているのですが、この公演は市長さんが来られていました。
ラ・ダンスというテーマにぴったりの、躍動感あふれる演奏でした。時にダンスしながら指揮する井上さんが、生き生きとした音楽を作り出していました。燃え上がるような演奏は、女性指揮者の時と同じオケとは思えないほどでした。さすがに熟練の井上さんの手腕はたいしたものですね。
大急ぎで交流ステージに行き、今度は山出さんのピアノです。初めて聞くお名前で、これまで存じあげませんでしたが、淀みなく流れる調べは美しく、なかなかの実力者と拝聴しました。
続いては最も楽しみにしていたジュニアオーケストラ教室です。フルート五重奏を明るく、爽やかに奏で、重厚な弦楽アンサンブルの美しさにうっとりと聴き入りました。この弦楽合奏は素晴らしい出来だったと思います。
次はサックス四重奏です。ソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスの4人ですが、すべて同じ日本のメーカーのサックスを使用しているそうで、昨年CDも出したそうです。さすがに演奏は素晴らしく、本公演でも良いような演奏だったと思います。
劇場を出ますと、ホワイエで行われていた遠藤真理さん、高野麻衣さんによるLFJインフォメーションに指揮のジルベールさんが出演されていて、その美しさに驚愕しました。トークが終わって、私のすぐ横を通り過ぎて行かれましたが、小柄で小顔。華奢な感じすらする美女ですが、オケからエネルギッシュな演奏を引き出す力量は大したものだと思います。
再びコンサートホールに戻って、ルネ・マルタンのル・ク・ド・クールです。マルタンさんおすすめのプログラムですが、メイシンゲルのギターとポーランド室内管弦楽団の共演です。
ポーランド室内管弦楽団といってもシンフォニア・ヴァルソヴィアのメンバーと重なっており、全く別の団体というわけではありません。
ギターの独奏に始まって、各曲が演奏され、曲間はギターソロでつながれて、全体がひとつの曲のように構成されていました。ナントでのLFJでも演奏されたそうですが、感動的な演奏であり、スタンディングオベーションとなりました。
あまりの感動に、公演曲が収録されたCDも買ってしまいました。さすが、マルタンさん一押しだけはありますね。
終演が遅れましたので、大急ぎで交流ステージへ急ぎました。楽しみにしていた植木さんの19世紀ギターの演奏だったのですが、本来は全部聴く予定だったのが途中からになってしまいました。
立奏で、19世紀の小品とバッハのブーレ、アンコールにショパンのノクターンが演奏されましたが、柔らかなギターの音色は心を癒します。素朴さ、優しさは現代のギターにない魅力ですね。
続いては新潟中央高校音楽科卒業生による声楽とピアノ演奏です。ソプラノとピアノの二人ですが、Heptachordというネーミングになっていて、それぞれのお名前のクレジットはありませんでした。まだお若いようにお見受けしましたが、緊張しながらも堂々と演奏されていました。10月22日に、だいしホールで演奏会を開かれるとのことであり、楽しみですね。
交流ステージの最後を飾るのは日垣さんです。もともとはジャズピアニストでいらっしゃいますが、クラシックにも挑戦されていて、昨年も聴かせていただきました。私と同年代の熟年パワーを発揮し、交流ステージの大トリを見事にこなしてくださいました。これで今年の交流ステージでの公演は全て終わりです。
そして、いよいよコンサートホールでの最終公演です。最後はエル=バシャとシンフォニア・ヴァルシソヴィアの共演です。演目はショパン。
熟練のエル=バシャと若き女性指揮者ジルベール。親子と言いますか、おじいちゃんと孫みたいな対比が面白かったです。春の音楽の祭典の最後を飾るにふさわしい熱き演奏だったと思います。
これで今年のLFJ新潟は終わりです。祭りが終わる寂しさを感じながらホールを後にしました。
七色に照らされた通路を踏みしめながら、夢の世界から現実の世界へと戻りました。
来年はどうなるか心配ですが、再びの開催を祈りたいと思います。
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