東京交響楽団第101回新潟定期演奏会
←前  次→
2017年4月23日(日)17:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:沼尻竜典
ピアノ:菊池洋子
女声合唱:にいがた東響コーラス(合唱指揮:安藤常光)
コンサートマスター:水谷 晃
 
モーツァルト: ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466

(アンコール)
モーツァルト:4手のためのソナタ ニ長調 K381 より 第3楽章

(休憩20分)

ホルスト: 組曲「惑星」 作品32
 T 火星 戦いをもたらすもの
 U 金星 平和をもたらすもの
 V 水星 翼をもつ使者
 W 木星 陽気さをもたらすもの
 X 土星 老いをもたらすもの
 Y 天王星 魔術師
 Z 海王星 神秘主義者

 
 ロビーコンサートの後、昼食を食べ、4時過ぎに出直しました。快晴の空のもと、陸上競技場では競技会が開催され、県民会館でも若者向けの公演があるようで、周辺はたいそうな賑わいをみせていました。桜は散り、その代わり新緑が目に鮮やかであり、まさに春爛漫です。

 今年はりゅーとぴあの改修工事が行われる関係で、定期演奏会は変則的な日程となり、3月に引き続きいての開催となりました。前回は100回の節目を迎え、今回から新たな出発です。

 今回の指揮は沼尻竜典さんです。沼尻さんは、2015年8月の第91回新潟定期に出演されていますので、2年経たない間に再登場ということになります。

 昨夜の川崎での定期演奏会では、前半にグバイドゥーリナのアッシジの聖フランチェスコによる「太陽の讃歌」が日本初演されましたが、チェロ独奏と打楽器群、合唱団からなる特異な編成による現代曲のためか、新潟定期の演目からは外され、代わりにモーツァルトのピアノ協奏曲第20番というポピュラーな曲に変更されました。この方が馴染みやすく、集客が期待できて良いように思います。

 ということで、開演時間が近付くにつれ客席は埋まり、8〜9割くらいの入りでしょうか。最近では珍しい混み具合となりました。これだけの集客は久しぶりです。

 拍手の中団員が入場。今日のコンマスは水谷さんがです。沼尻さんと長い髪が麗しい菊池さんが登場してのモーツァルトの20番で開演です。オケの編成は小さく、いわゆる10型でしょうか。菊池さんの演奏を聴くのは2010年1月以来ですので、7年ぶりになります。
 軽やかに駆け抜けるピアノが小気味良く、小型のオケが機動力を発揮して、ピアノと絡み合っていました。ちょっと暗さも感じさせながらも、爽やかな春風を感じさせる音楽に、心は沸き立ちました。
 大きな拍手に応えて、アンコールはなんと沼尻さんも加わって、モーツァルトの4手のためのソナタが演奏されました。息の合った二人の演奏。沼尻さんのピアノもお見事でした。このサービスには脱帽しました。

 休憩後の後半はホルストの「惑星」です。有名な割には実演で聴く機会はなく、「木星」はたまに聴く機会がありますが、全曲聴くのは2004年11月以来13年ぶりになります。ステージいっぱいのフル編成のオケにパイプオルガンも加わり、視覚的にも豪華に感じられます。
 大音響で圧倒する火星に始まり、神秘的な金星など、性格の違う7つの惑星の音楽を様々に描き分けていました。最後の海王星でのステージ裏から聴こえる女声合唱もきれいに響いて心に染みました。
 こういう音楽は堅苦しいことはいわず、音響を楽しむのも良いものです。大編成のオーケストラサウンドに酔いしれ、絢爛豪華な音の洪水に身をゆだねるのは本当に贅沢な時間です。
 ただし、へそ曲がりな私としましては、オケは良く鳴っていましたが、わずかにばらけた感じがあり、強奏部での音の切れがもう少しあったらなあなどと感じました。でも、良い演奏だったと思います。

 新シーズンの開幕公演に相応しい演奏であり、ホールを埋めた観客の皆さんも大満足だったのではないでしょうか。

 今後りゅーとぴあは改修工事に入るため、5月29日(月)〜9月7日(木)まで全館休館となります。そのため、次の第102回新潟定期演奏会は9月24日となり、5ヶ月間もご無沙汰することになります。ちょと長すぎますが、楽しみにして待ちたいと思います。



(客席:2階C*-*、S席:定期会員:¥5670)