新潟セントラルフィルハーモニー管弦楽団演奏会
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2014年8月2日(土) 18:30  新潟市音楽文化会館
 
指揮:磯部省吾
ヴァイオリン:佐々木友子
 


ベートーヴェン:エグモント序曲

ブルッフヴァイオリン協奏曲第1番

(休憩:15分)

ベートーヴェン:交響曲第7番

(アンコール)
チャイコフスキー:「白鳥の湖」より オデットのヴァリアシオン
 
 

 新潟セントラルフィルは、2011年春に結成され、県央地区のバレエ公演でのオーケストラとして活動していましたが、今日がオケとしての初めての演奏会となります。この記念すべきデビューコンサートは何としても聴かねばという思いに駆られ、早々にチケットを買って楽しみに待っていました。

 最近お気に入りの、上古町の某中華料理店で冷やし中華(ここの冷やし中華は新潟一と思います)を食べ、音楽文化会館へと急ぎました。すでに開場が始まっており、中ほどに席を取りました。客足は多く、9割方は埋まったのではないでしょうか。

 三々五々団員がステージに登場して音出しをし、開演時間になってチューニングが始まりました。オケは小振りで、弦5部は、6-5-4-5-2。コントラバスが左に来る対向配置です。
 団員の名簿を見て驚きましたが、ヴァイオリンには後藤はる香さんや佐々木将公さん、チェロには片野大輔さん、コントラバスには星野勝彦さんがいて、トランペットには藤井裕子さん、フルートには大御所の榎本正一さん、ティンパニーには大越玲子さんなど、県内を代表する演奏家が参集しています。いやー、凄いメンバーです。

 磯部さんが登場してエグモント序曲で開演です。最初の和音を聴いただけで、オケの素晴らしさが感じ取れました。アマチュアとは一線を画したプロのサウンドです。小編成のオケではありますが、切れがあって迫力十分な演奏を聴かせてくれました。

 続いては、お馴染みの佐々木友子さんを迎えてのブルッフです。がっしりとしたオケに支えられて、佐々木さんの演奏はお見事でした。心に切々と訴えかけるような第1楽章、朗々と歌った第2楽章、そして情熱的に燃え上がった第3楽章。心に染みる良い演奏でした。

 休憩後はメインのベト7です。渾身の演奏をしたばかりの佐々木さんが第2ヴァイオリンの末席に着かれていました。
 演奏はすさまじいもので、小さな軽自動車にジェットエンジンを積んだかのような迫力でした。管楽器の見事なソロで決めてくれた第1楽章、低弦がしっとりとリズムを刻んだ第2楽章、そしてエンジンの出力を上げて突き進んだ第3楽章、そして第4楽章は大爆発。こんなにも小気味良く、気分爽快な演奏はありません。外の猛暑を蹴散らすような、熱い演奏でした。小編成の弦と、強力な管とのバランスが悪く感じた場面もないではなかったですが、このような演奏を前にしては些細なことでしかありません。

 アンコールに口直しにちょうど良いチャーミングな曲を演奏して終演となりました。県内で活躍するプロの音楽家が要所を固め、高水準の演奏を聴かせてくれました。いきなりの県内最高水準のオケの誕生です。

 この第1回の演奏会に立ち会うことができたことは、何とも幸せであり、聴きにきて良かったと思いました。佐々木友子さんの演奏にも感激しました。これまで、独奏や室内楽での演奏は何度か聴かせていただいており、一番最近では、新潟クラシックストリートでの演奏が記憶に新しいところです。今回はコンチェルトを見事に演奏し、その実力を再認識しました。

 早くも次の公演が楽しみです。今度はヴァイオリンなら加藤礼子さん、ピアノなら小黒亜紀さんでコンチェルトをやってほしいなあ・・・。やっぱ、ショパンかなあ・・、ラヴェルもいいかも・・。渋谷陽子さんでフィンジのチェロ協奏曲なんて最高だろうなあ・・。などと思い巡らしながら家路につきました。
 


(客席:14-10、2000円)