今年のラ・フォル・ジュルネ新潟2016は、秋葉区文化会館でプレコンサートが開催されました。これを記念して、秋葉区文化会館アーティストアーカイブズ登録アーティストによるコンサートが企画されました。
プレコンサートというのはよくありますが、アフターコンサートというのはあまり聞きません。ラ・フォル・ジュルネ新潟の関連イベントは数多く開催されましたが、おそらくおれが最後のイベントとなるものと思います。秋葉区で始まり、秋葉区で終わるというのも良いですね。
ということで、せっかくのイベントですので、私も参加させていただきました。今日は快晴の上天気となり、絶好の行楽日和となりました。今日はドライブがてらに、バイパスでなく、農道経由で新津入りしました。
今日のイベントは、秋葉区文化会館のホールと第1練習室でプログラムが同時進行されましたが、私はホールでの公演を観させていただきました。
ホールに入りましたら、加藤礼子さんと館長との対談が行われており、その後加藤さんのコンサートが開始されました。
ステージ上にはホワイトボードが用意されており、そこにJ.S.バッハについてとパルティータ第3番についての解説が書かれていました。
赤とピンクのドレスの加藤さんが登場して開演となりましたが、まずはホワイトボードを使ってバッハについての解説と、パルティータというのはどういうものかの解説がありました。ホワイトボードはカメラで撮影され、ステージの後壁に投影されました。この解説が面白く、パルティータの意味が今さらながら良く分かりました。勉強になってよかったです。
その後パルティータ第3番の解説に移り、以後1曲ずつ解説しながら演奏が進められました。加藤さんのヴァイオリンは響きの良いホールに朗々と響き渡り、さすがに期待通りの演奏を聴かせてくれました。生ですので、多少の傷もあったように思いますが、良い演奏だったと思います。
通常のコンサートというより、レクチャーコンサートになりましたが、こういう趣向も面白いですね。茂木大輔さん風に表現すれば、「バッハのパルティータ徹底解説!」というような感じでしょうか。いろんな曲でシリーズ化するのも面白いかもしれませんね。
続いては新潟の合唱を支える佐藤さんの指揮で、新潟大学医学部合唱団の演奏です。医学部合唱団という名前ではありますが、歯学部も、秋葉区にある新潟薬科大学の学生さんも参加されているそうです。
佐藤さんの説明をはさみながら、無伴奏で演奏が進められました。混声合唱ならではのハーモニーの厚さと面白さが感じられ、楽しく聴かせていただきました。ホールに響く澄んだ歌声の美しさに感銘しました。
次はお馴染みの品田真彦さんのピアノ演奏です。別会場(第1練習室)での演奏を終えて、本日2度目のステージになります。ご苦労様です。
品田さんは2012年12月に初めて演奏を聴かせていただいて以来のファンであり、以後活発な活動をされていますので、何度か聴かせていただいております。今日も楽しみにしていました。
曲目紹介をしながら演奏が進められましたが、今年のラ・フォル・ジュルネのテーマにちなんで、自然に関係する曲を選んだそうです。
シューマン、ヤナーチェクとも私には馴染みのない曲でしたが、優しく、柔らかに響くピアノの響きが美しかったです。「月光」も、しっとりと柔らかな第1、第2の後、颯爽と駆け抜ける第3楽章で盛り上げて終演となりました。
最後は新津出身の根來さんです。ピアノ伴奏は田中さんという強力なサポートです。「日本の自然を歌う」というテーマで、着物姿で登場されましたが、一見すれば、演歌歌手の歌謡ショーでも始まるという雰囲気でした。
ピアノはステージのかなり後方にセッティングされ、根來さんもステージ後方で歌われましたが、ホールの音響を勘案してのことでしょうか。
トークを交えながら、日本の歌曲をしっとりと歌ってくれましたが、地元の歌である「四季の新津」では会場の手拍子で盛り上がりました。そして「唄」という歌を歌って終演となりました。
ラ・フォル・ジュルネを締めくくるにふさわしいコンサートで楽しめました。秋葉区文化会館の活動の活発さは賞賛すべきと思います。
そして、今日改めてホールの響きの良さに感銘しました。前方の客席で聴いたのですが、残響が天から降ってくるようで、心地良かったです。今日のようなヴァイオリンやピアノの独奏、室内楽などには最適だと思います。
もっと近いと良いのですが、それは仕方のないこと。秋葉区のホールですものね。今後の企画に期待したいと思います。
(客席:3-22、無料) |