ラ・フォル・ジュルネ新潟2015 第2日
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2015年5月9日(土)   新潟市民芸術文化会館
 
 
10:00 231 アルデオ弦楽四重奏団
          生と死の物語〜シューベルトによる乙女と死神の対話
            シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810 「死と乙女」

11:15 211 シンフォニア・ヴァルソヴィア、ロベルト・トレヴィーノ(指揮)
          ベートーヴェンのいのちのパシオン
            ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 op.55 「英雄」

12:35 232 姜建華(二胡)
          中国版パシオンの冒険〜時空を越える二胡の旅
            劉天華:光明行、坂本龍一:ラスト・エンペラー ほか

13:50 212 梁美沙、シンフォニア・ヴァルソヴィア、トリオ・カレニーヌ

        アルデオ弦楽四重奏団
          ルネ・マルタンのル・ク・ド・クール(ハート直撃コンサート)
            J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ほか

15:20 223 オリヴィエ・シャルリエ(Vn)、クレール=マリ・ルゲ(Pf)
          至福の愛〜ヴァイオリンとピアノによる愛の告白集
            ラフマニノフ:2つの小品 ほか

16:45 213 シャニ・ディリュカ(Pf)、シンフォニア・ヴァルソヴィア

        ロベルト・トレヴィーノ(指揮)
          恋する作曲家たち〜グリーグの幸せな結婚
            リスト:交響詩「前奏曲」、グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調

18:00 234 フォル・ジュルネ・カメラータ
          恋の物語〜シェーンベルクの禁断の恋の行方
            シェーンベルク:浄められた夜 ほか

19:15 214 オリヴィエ・シャルリエ(Vn)、シンフォニア・ヴァルソヴィア

        ロベルト・トレヴィーノ(指揮)
          恋する作曲家たち〜ベートーヴェンの恋の至福
            ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
 
 
 
 今日はせっかく休みをいただきましたので、有効に使用すべく、朝のうちから参加しました。9時半頃にりゅーとぴあに到着し、早速交流ステージを聴かせていただきました。

 ステージでは稲垣汐音さんがシマノフスカの「ポーランド舞曲」を演奏中であり、輝きのあるしっかりとした演奏をホワイエいっぱいに響かせていました。ドレス姿も似合っていて、どんな人が演奏しているのかと思いましたが、ステージを降りると可愛らしいお嬢さんで、そのギャップに驚きました。
 続く井口里佳さんもショパンの「華麗なる変奏曲」を力強く堂々と演奏し、ともに将来が楽しみです。

 最初の公演の時間となり、5階の能楽堂に上がり、アルデオ弦楽四重奏団による「死と乙女」を聴きました。第1、第2ヴァイオリンの二人は見覚えがあるように思いましたが、昨夜バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲を演奏した二人のようです。演奏は力強く、気合の入ったもので、精神集中のすさまじさを感じました。気迫に圧倒されるようであり、早くも今回のベスト公演候補にしたいほどでした。

 終演後は外に出て、11時発売の公式弁当の「パシオン弁当」を購入しました。限定発売で、10分で完売という触れ込みであり、実際すぐに完売となりましたが、発売時間前に並んで無事購入できました。
 小雨が振り出してちょっと心配な天候になってきました。次の開演時間が迫り弁当を食べる時間はありませんでしたので、弁当を持ってコンサートホールに向かいました。

 続いては今日最初のオーケストラ公演です。例年複数のオケが来演していましたが、今年のオケはシンフォニア・ヴァルソヴィアだけで寂しいです。孤軍奮闘、頑張っていただくしかありません。
 昨夜は小編成の弦楽だけでしたが、通常のオケの編成に大きくなり、曲目は「英雄」です。てきぱきとメリハリのある指揮に応えて、躍動感ある演奏を聴かせてくれました。第2楽章を重厚に演奏し、第3楽章から終楽章へとスピードを上げ、怒涛のフィナーレへと突進しました。

 終演後に外のテントに行き、先ほど買ったお弁当をいただきました。新潟の農家と若手シェフがプロデュースしたというもので、これまで味わったことのないイタリアン・テイストの洋風おにぎりが美味しかったです。
 でも、外は小雨が降り、風も出ていて、せっかくのお昼時というのに、外で楽しくランチという天候でないのが残念でした。

 再び能楽堂に上がって、姜建華さんの二胡演奏を聴きました。中国の曲だけでなく、クラシック曲を二胡で弾くという離れ業もあって、満席の客席は超絶技巧にうなりました。

 ここで、交流ステージへ行きますと、ちょうどSHIMOHONCHO QUARTET により、「カルメン」の演奏が始まるところでした。クラリネット2人(高橋ご夫妻)と箏(奥村京子さん)、ピアノ(山際規子さん)という変則的編成ですが、これが曲と良く合っていて、何の違和感もなく、編曲の良さを感じました。先日のクラシックストリートで聴くことができなかったので、今日聴けて良かったです。

 ホワイエでお見かけした同業の先輩に挨拶し、続いてはコンサートホールでの「ルネ・マルタンのル・ク・ド・クール」と題されたコンサートです。マルタンさんお勧め奏者、曲を紹介するもので、いろんな奏者をまとめて聴けるというメリットがあります。
 マルタンさんの挨拶の後、アルデオ弦楽四重奏団によるボロディンの弦楽四重奏曲、トリオ・カレリーヌによるベートーベンのピアノ三重奏曲、そして梁美沙さんとシンフォニア・ヴァルソヴィア(昨夜と同じ弦楽とチェンバロの編成)によるバッハのヴァイオリン協奏曲第1番が演奏され、いずれもが甲乙付けがたい素晴らしい演奏で大満足でした。
 梁さんは独奏に弦楽四重奏にと大活躍です。バッハではステージ上で大きくステップを踏み、昨夜以上に身振りの大きい演奏で、音楽に生命感を生んでいました。

 ここで友人と出合って話が弾んで時間がなくなり、交流ステージに行く間もなく劇場に向かいました。オリヴィエ・シャルリエさんと昨夜のオープニングイベントで演奏したクレール=マリ・ルゲさんの演奏です。
 ヴァイオリンの小品を並べたおもちゃ箱のようなプログラムで、多彩な曲を、歌心にあふれた演奏で楽しませてくれました。満席となった劇場は楽しい雰囲気に包まれました。
 驚いたのは譜めくりの人。ただならぬ存在感があり、ダークスーツに胸には赤いチーフ。自分が弾きたそうにしていたそのお姿は・・・。私にとってはサプライズでした。

 交流ステージでのパリ・コロンヌ弦楽四重奏団を聴きたかったのですが、混み合った劇場から退席するのに時間がかかって、聴けませんでした。

 次はコンサートホールでのシャニ・ディリュカさんとシンフォニア・ヴァルソヴィアの公演です。大編成のオケでリストの前奏曲を華麗に豪快に演奏して盛り上げ、グリーグのピアノ協奏曲をロマンチックに演奏し、充実した内容に大満足でした。

 ここで交流ステージでのREVOIRの演奏を聴きました。芥川也寸志の「弦楽のための三章」を演奏しましたが、力強くも乱れのない弦楽合奏の迫力に圧倒され、本公演に出ても遜色ないんじゃないかとすら感じました。最後まで聴きたかったのですが、次の公演が迫り、大急ぎで能楽堂に上がりました。

 次はフォル・ジュルネ・カメラータの演奏です。ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ2という6人編成で、R.シュトラウスのオペラ「カプリッチョ」からの弦楽六重奏とシェーンベルクの「浄められた夜」が演奏されました。アンサンブルの美しさに酔いしれました。
 リーダーは先ほど劇場で楽しいヴァイオリン名曲を聴かせてくれたシャルリエさんです。シャルリエさんはパリ高等音楽院の先生であり、学生さん5人を選抜してこのユニットを編成したようです。1人の熟練教師と5人の若者が、精緻な音楽を作り出していました。

 ここで友人と出会い、飲み会の約束をして、コンサートホールへと向かいました。今度はシャルリエさんとシンフォニア・ヴァルソヴィアによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲です。本来オーギュスタン・デュメイのはずで、私も楽しみにしていたのですが、肩を痛めてシャルリエさんに変更になりました。
 マルタンさんが事情を説明して開演となりました。シャルリエさんは30分前に能楽堂で演奏したばかりなのに、今度はコンチェルトと、今日の午後だけで3公演というのは驚きです。
 しかし、シャルリエさんは疲れは感じさせず、堂々とした余裕のある演奏を聴かせてくれました。自分の演奏のないときは楽団員を見回したりして余裕をみせて、リラックスした様子でした。当然演奏も文句のないもの。オケも独奏も素晴らしく、情熱にあふれたベートーヴェンを聴かせていただきました。

 今日はもう1公演あるのですが、さすがに疲れて、今日はこれで終了としました。外に出ましたら星空が見えていました。明日はきっと良い天気になるでしょう。
 今日は思ったほどの混みようではなく、寂しさも感じましたが、明日の日曜日は賑わって盛り上がることでしょう。