第15回新潟第九コンサート2014
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2014年12月28日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:伊藤 翔
管弦楽:新潟交響楽団
合唱:新潟第九合唱団(合唱指揮:箕輪久夫)
ソプラノ:菊地美奈、アルト:小川明子、テノール:馬場 崇、バリトン:大久保光哉
 



ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲


ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 合唱付


(アンコール)
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
 
 

 今日は久しぶりの青空。太陽の光のありがたさを実感します。気分も晴れ晴れ。関東の冬晴れのように、いつもこういう天候だと良いのですが・・・。

 こんな好天の中、りゅーとぴあへと車を走らせました。今日は今年最後のコンサート。〆にふさわしい年末恒例の第九です。毎年聴いていますので、半ば習慣となってしまいました。ワンパターンではありますが、歓喜の歌に酔いしれ、1年を締めくくることにしましょう。

 最近の指揮者は、2011年までの松沼俊彦さんに引き続いて、2012年2013年は諸遊耕史さんでしたが、今年は11月の潟響定期で新潟デビューしたばかりの若き指揮者・伊藤翔さんです。定期では潟響から一皮むけたサウンドを引き出してくれましたが、どんな第九を聴かせてくれるか楽しみです。

 チケットは完売となり、立見席が販売されたくらいで、満席の客席は壮観です。主催者は強気で、SS席の販売までありますが、高額チケットに反発し、今年も3階正面のA席です。S席のすぐ後ろが私の定席です。

 拍手の中団員が入場。最後にコンミスの松村さんが一礼して大きな拍手が贈られました。小柄な伊藤さんが登場して、最初はフィデリオ序曲です。まずまず卒のない演奏で、前菜としてちょうど良い音楽でした。

 ここで、休憩なしで合唱団が入場。Eブロックにソプラノ、Pブロックにテノールとバス、Aブロックにアルトが並びました。いよいよ第九の開演です。

 毎年演奏している潟響の演奏は手馴れたものと思いますが、例年に比して、若干アンサンブルの乱れ、音色の混濁を感じましたが、私の気のせいでしょうか。第2楽章でも印象は変わらず、バシッと決まらない感じを受けました。

 独唱者がオケの後方に着席して第3楽章へ。天国的であるはずの音楽が流れず、細切れ状態で、うっとりと聴き入ることができません。伊藤さんの曲作りと私の好みが合わなかっただけですのであしからず。私の前の席に、行儀の悪いお嬢ちゃんがいて苛立っていたのも一因かもしれません。

 間をおいて第4楽章。さすがに盛り上がりをみせました。各独唱者は無難な歌声。本質と関係ないですが、テノールよりバリトンが小柄というのが面白かったです。
 合唱団は力強く、ホールいっぱいに素晴らしいハーモニーが響き渡りました。多少怒鳴り声的に聴こえた場面もありましたが、市民合唱団の歌声としては良かったのではないでしょうか。
 オケとしてはこれまでの印象と同様で、最後はもう少し突進して爆発して欲しかったというのが私の感想です。そして、私の好みとしては、大太鼓がもっとズシーンと響いてほしかったかな。

 アンコールは、昨年のハレルヤではなくて、定番のアヴェ・ヴェルム・コルプスでした。これもきれいな歌声でした。合唱団はグッド・ジョブです。

 今年は指揮者が交代して、どうなるかと期待しましたが、イマイチかなというのが私の感想です。先日の定期演奏会があまりに良かっただけに、期待し過ぎていたのかもしれません。
 松沼、諸遊と続いた第九の爆演の記憶が残っており、若き伊藤さんにも同様の爆発とオケの統率を期待した私に問題があるというべきでしょう。
 冷静に考えれば、今日の演奏は奇をてらわない正統的な良い演奏であり、潟響も昨年までの演奏に比して私が違和感を感じただけであり、アマチュアであるということを考えれば、十二分に頑張っていたと思います。合唱団も熱気があふれて良かったです。

 どんな演奏でもそれなりの感動を得られるのが第九マジック。いろいろ書かせていただきましたが、年末を締めくくるにふさわしい良い音楽を聴かせていただき、楽しませていただきました。出演者の皆さんに感謝したいと思います。 


   
(客席:3階 I 5−28、A席:\2000)