今年も新潟大学管弦楽団の定期演奏会に行けず、その代わりといっては失礼になりますが、吹奏楽部の定期演奏会に行くことにしました。今回は第50回ということもあってか、サン=サーンスの「オルガン」を演奏するとのことであり、大変楽しみにしていました。このオケの演奏を聴くのは2011年の定期演奏会以来です。
再び雪の日曜日となり、雪が降り続く中会場入りしました。開場の行列に並び、2階正面に席を取りました。ステージでは開演前のパフォーマンスが繰り広げられ、楽しませていただきました。
だんだんと客が入り、開放された客席は9割以上入っていたのではないでしょうか。幼児から老人まで、年齢層の広さはたいしたものです。
プログラムを見て残念だったのは、今日の目玉と思っていたサン=サーンスが全曲演奏でなかったこと。全曲演奏するという話を聞いたことがあり、チラシにも部分演奏の言葉はなく、さすがに50周年記念で、意欲的なことをやるのだなあと感心し、大いに期待していました。しかし、実際の演奏は第2楽章の第2部のみ。ちょっとといいますか、かなりがっかりしてしまいました。勝手に期待した方が悪いのですけれど。
開演時間前に、ステージには団員が揃っています。開演のチャイムが鳴り、第1部の開演です。学生指揮者の女性2人による指揮での演奏です。
最初は、コンサートの開演にふさわしい明るく色彩感のある音楽でした。このオケのレベルの高さを示す良い演奏でした。次のスパルタクスは重厚な曲で、聴き応え満点の演奏でした。
休憩を挟んで、第2部はプロ指揮者の岡田さんによる指揮です。岡田さんの曲目解説のあと、2曲演奏されました。最初のシュミットの曲は良かったです。明るくパワーがあり、吹奏楽の醍醐味を存分に味あわせていただきました。
続いては、メインと思っていたサン=サーンスです。部分演奏ということで、いきなりの終楽章で始まり、感情移入できぬまま演奏が進められました。これまでは吹奏楽の曲で、聴き映えするものばかりでしたが、交響曲の編曲物は、違和感を感じてしまいます。原曲の良さを知っているだけに、吹奏楽版の貧弱さを感じないではいられません。これは決して演奏のせいではなく、編曲の限界によるものでしょう。
全曲演奏して、徐々に盛り上がれば別だったと思いますが、いきなりのフィナーレですから、ちょっと白けた印象を感じずにはいられませんでした。オルガンの迫力も十分でなく、演奏効果も上がっていませんでした。でも、それなりに盛り上がって、となりのご婦人はブラボーを叫んでおられました。
休憩後の第3部は、ポップスステージ。これも聴いておきたかったのですが、所用でここで帰らせていただきました。学生ならではの若々しい素晴らしい演奏を聴かせてくれたものと思います。
学生らしいキビキビシ動き。ステージマナーは最高であり、見ていて気持ちいいです。よく指導され、鍛えられていることが分かります。団長の挨拶も良かったです。こういう爽やかさはこのオケならでは。新潟大学管弦楽団でも感じられず、もちろん数ある社会人吹奏楽団からは感じられません。本当に素晴らしいです。演奏以上に感激しているのは私くらいかな。
(客席:2階C3-7、\500)
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