合唱団ユートライ 第30回記念定期演奏会
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2014年11月16日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:名島啓太
ピアノ:鈴木真理子、澤村牧子 パーカッション:山田恵美子、齊藤陽介
 
1.第1ステージ

   千原英喜:混声合唱のための「十字架上のキリスト最後の言葉」
      第一の言葉
      第二の言葉
      第三の言葉とStabat Mater (タンバリン:山田恵美子)
      第四の言葉
      第五、六、七の言葉
      エピローグ:Pater noster

(休憩10分)

2.第2ステージ 〜過去の演奏会プログラムから〜 (*ピアノ:鈴木真理子)

   パレストリーナ:バビロン川のほとりで
   ヴィクトリア:アヴェ・マリア
   ヴィラ-ロボス:知識に祝福あれ より 
         2.知識の口唇、3.知恵のはじめ、4.知恵のある人は力つよい
   武満徹:うた U より 島へ
   尾形敏幸:抒情小曲集 より 春が来たなら *
   グリントン・編:浮気はやめた *
   グリトン・編:In the mood *

(休憩15分)

3.第3ステージ 〜公募団員と歌う30回記念ステージ〜
    (ピアノ:鈴木真理子、澤村牧子 パーカッション:山田恵美子、齊藤陽介)

   オルフ:カルミナ・ブラーナ 〜2台ピアノとパーカッション版〜
       1.おお、運命の女神よ
       2.運命の女神の痛手を
       3.春の愉しい面ざしが
       4.万物を太陽は整えおさめる (バリトン独唱:佐藤匠)
       5.見よ、今は楽しい
       6.踊り
       7.森は花咲き繁る
       8.小間物屋さん、色紅を下さい
       9.円舞曲
       10.たとえこの世界がみな
       23.とても、いとしいお方     (ソプラノ独唱:入西宏子)
       24.アヴェ、この上なく姿美しい女
       25.おお、運命の女神よ

(アンコール)
 夕焼け小焼け(?)
 
 
 この合唱団は聴きたいと思いながらもこれまで聴いたことがなく、今回が初めてです。30回記念ということで、公募合唱団を交えて、「カルミナ・ブラーナ」を演奏すると知り、今回は是非聴きたいと思いました。
 これまでは音楽文化会館や江南区文化会館を会場に定期演奏会を開催していましたが、今回はりゅーとぴあが会場で、チラシも祝祭気分を盛り上げています。

 今日はいろいろと公演が重なり、りゅーとぴあはフル稼働。正直言えば仲道郁代さんのコンサートに魅かれましたが、先にチケットを買っていたこちらを選択しました。陸上競技場ではサッカーの試合が行われており、駐車場はどこも満車。仕方なく、ちょっと離れたコインパーキングに駐車して、りゅーとぴあへと急ぎました。

 客席は3階席は閉鎖されていましたが、ほどほどの入りでしょうか。団員が入場して、最初はアカペラで「十字架上のキリスト最後の言葉」です。合唱団は女声17人、男声11人の編成。いきなりの男声ソロで始まりびっくりしました。宗教曲ながらも、面白く楽しめる曲で、3曲目などはタンバリンも入ってゴスペル調のノリノリの曲で面白かったです。でも、やはり宗教曲であり、合唱の美しいハーモニーが心を打ちました。

 休憩を挟んで第2ステージは、これまでの29回の定期公演で演奏された曲です。最初は第1回演奏会で歌われた「バビロン川のほとりで」で、心に染みる歌声に心が癒されました。続くヴィクトリアの曲も素晴らしかったです。これらの曲ように、これまでルネサンス期の音楽を数多く取り上げてきたそうです。実に美しい曲であり、歌声であり、もっと聴いていたかったです。
 その後は、これまで取り上げてきた、国内外の近現代音楽から、ヴラ=ロボスと武満の曲を演奏し、その後の3曲はピアノを交えて歌われ、ジャジーな曲などレパートリーの多彩さを知らしめてくれました。

 再び休憩を挟んで、いよいよメインの「カルミナ・ブラーナ」です。ステージ手前に、左からピアノが2台、ティンパニー、各種パーカッションが並んでいます。合唱団は公募団員を含めて80人だそうです。

 ピアノとパーカッションだけで、どのようになるのかと心配だったのですが、全くの杞憂に終わりました。パーカッションが良い味付けになっていて、フルオケに負けないほどの演奏効果を上げていて、十分な迫力を生んでいました。
 合唱団の歌声も抜群。十分に歌い込まれていることが分かりました。お馴染みの佐藤さんの歌声が良いのは驚きませんが、公募団員の入西さんの歌にはびっくりしました。いや〜、あの高音はたしたものですね。

 この曲は私の大好きな合唱曲ですが、新潟ではなかなか実演を聴く機会がありません。私がこれまで聴いたのは、1998年のりゅーとぴあ開館記念演奏会と2010年の第57回東響新潟定期以来3回目です。
 今回はオケ版ではありませんが、十二分に満足できました。ピアノの二人と打楽器の二人、そして合唱団が、名島さんの指揮の下、30回を記念演奏会にふさわしい一期一会の見事な演奏を創り上げてくれました。

 アンコールは誰もが知っている唱歌でしたが、素晴らしい編曲もあって、涙が浮かぶような感動的なフィナーレを迎えることができました。

 合唱といいますと、合唱コンクールのつまらない課題曲がトラウマになって、これまで敬遠してきたというのが正直なところなのですが、この素晴らしい合唱団をこれまで聴かなかったことを悔やみました。これからは陰ながら応援させていただきたいと思います。
 

   
(客席:C6−2、\1000)