ラ・フォル・ジュルネ新潟2013
312 ユレル、吉野直子、セヴェール、オーヴェルニュ室内管弦楽団、ヴェセス
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2013年4月28日(日) 13:45  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
フルート:ジュリエット・グリコ
ハープ:吉野直子
クラリネット:ラファエル・セヴェール
オーヴェルニュ室内管弦楽団
指揮:ロベルト・フォレス・ヴェセス
 


フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299

クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

(ソリストアンコール:セヴェール)
コダーイ:クラリネットのための小品
 

 交流ステージをゆっくり楽しみ、「モナミ広場」で昼食をいただきました。晴れてはいたものの風が強く、昨日ほどではありませんが肌寒さを感じました。

 午後の最初はモーツァルトを代表する名曲を2曲聴ける公演です。実は、だいしホールでの小黒亜紀さんのリサイタルへも行きたかったのですが、こちらを選んでしまいました。でも、なんでこの日なの?

 ホールはP席を除いてほぼ満席です。今回もやっぱり与えられた席は1階席です。

 開演時刻になり、ばらばらに登場した香港シンフォニエッタと違い、団員が拍手の中に入場しました。弦5部の編成は6-5-4-4-2です。

 濃紫色のドレスのグリコさん、白の吉野さん、そして小柄なヴェセスが登場してフルートとハープのための協奏曲です。指揮台はなく、指揮棒を使用しないでの演奏です。
 演奏は悪いはずはなく、木管フルートの柔らかな音色と吉野さんのハープに酔いしれました。先日N響と山宮さん、小山さんのフレッシュな演奏を聴いて感激したばかりですが、円熟した今日の演奏はさらに良かったです。

 うっとりと聴き入り、これだけで満足という気分でしたが、その後にさらなる感動と興奮が待っていました。後半は、昨日能楽堂でプラジャークと素晴らしい演奏を聞かせてくれたセヴェールの登場です。

 弱冠19歳の若者ながら、そこから作り出される音楽は年齢など超越したものです。椅子に座った昨日の五重奏とは違って、長身の体を大きく揺り動かしながら、緩急自在、表情豊かな演奏です。
 第2楽章は思いっきりゆったりと歌わせ、天に昇るような気分にさせてくれました。若き天才の演奏に、ただただ身を委ねるだけでした。モーツァルトが降臨したかのようです。

 アンコールもすばらしく、満員のホールは熱狂しました。個人的には今年のLFJ新潟のベスト演奏に挙げたいと思います。

 公演予定時間を大きく超え、急ぎ足で次の公演に向かいました。
   

(客席:1階9−39、2000円)