新潟メモリアルオケは、毎年意欲的なプログラムを無料で聴かせてくれて、秋の音楽シーンを語るときに欠かせない存在となっています。
今日は興味深いコンサートが新潟市内の各ホールで同時開催という特異日となっていて、どのコンサートを選択するか悩ましいのですが、毎年無料で大曲を聴かせてくれるメモリアルオケの心意気に応えなければなりませんし、私の好きな「グレート」が演奏されることもあって、今年も聴かせてもらうことにしました。
指揮は、昨年で山岡先生が退任され、今年から竹内先生に交代しました。竹内先生は、新潟市民吹奏楽団の指揮者として実績を積まれていますが、フルオケでどのような演奏を聴かせてくれるのかも興味深いところです。
青空がすがすがしい、秋晴れの日曜日となりました。13時開場後にロビーコンサートがあるということでしたので、早めに会場入りしましたが、予定より早く、12時50分頃に開場となりました。Cブロック前方に席を取り、ロビーコンサートを聴きました。
最初は意表をついて、指揮者の竹内先生の歌でした。もともとは声楽家ですから、驚くこともないのですが、指揮者がロビーコンサート出演というのは珍しいのではないでしょうか。その後各グループが楽しい演奏を聴かせてくれました。
ばらばらに団員が入場し、音出しをし、全員揃ったところでチューニングというのがメモリアルオケの開演のパターンです。弦の配置は、ヴァイオリンが左右に分かれ、コントラバスが左、チェロが中央、ヴィオラが右という対向配置でした。コンミスは田中さんです。
竹内先生が颯爽と登場して、「グレート」が演奏されました。通常なら序曲で開演というのが常道と思うのですが、いきなりの「グレート」というのは、聴く側も覚悟が要求されます。
弦のアンサンブルはきれいであり、対向配置の演奏効果が上がっていましたが、どうも管の調子がイマイチのようであり、ちょっと残念な場面が垣間見えました。
しかし、昨年までの山岡先生とは違って、スピード感があり、元気良く、生き生きした演奏であり、楽しめるものでした。終楽章の盛り上がりなど聴き応えありました。
「グレート」は超有名な曲ではありますが、なかなか新潟で生演奏を聴く機会はなく、2008年9月のウィーン・フィル以来ではないでしょうか。聴けて良かったです。
後半は、オケの配置が通常に戻り、左からVn1、Vn2、Vc、Vla、Cbとなりました。コンマスは奈良さんに交代しました。「ナブッコ」は、正直言えば、前半同様に、某パートの弱さが気になりましたが、賑やかな演奏でかき消され、聴き栄えする演奏になったと思います。
そして、メインは「ローマの祭り」です。ピアノやオルガン、マンドリンなども加わり、ステージいっぱいの大編成は圧巻です。演奏は文句なく良かったです。各パートとも頑張ってくれました。P席で演奏した3人のトランペットもお見事でした。こういう曲を新潟で聴けるなんて、メモリアルオケに感謝しなければなりません。
今回は竹内先生のお披露目公演でしたが、素晴らしい演奏を聴かせてくれて、ブラボーを贈らせていただきます。新潟市民吹奏楽団の指揮は何度か聴かせていただきましたが、フルオーケストラでも素晴らしい曲作りをされました。歌って、指揮して、大活躍の竹内先生。今後の益々のご活躍を祈念したいと思います。
そして、毎年無料で素晴らしい演奏を聴かせてくれるメモリアルオケには感謝でいっぱいです。日頃新潟では聴けない曲を演奏してくれるのが、メモリアルオケの凄いところです。来年は、ペトルーシュカとチャイコの4番。これも楽しみですね。
(客席:2階C2−9、無料) |