アンサンブル・リリック with 澤クヮルテット 15周年記念コンサート 
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2012年1月8日(日) 14:00  長岡リリックホール コンサートホール
 
指揮:澤 和樹
ヴァイオリン:大野有佳里
 



モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 

(休憩15分)

モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K.385

(アンコール)
モーツァルト:交響曲第40番 より 第1楽章
 
 
 2012年最初のコンサートです。新潟市内でもコンサートはありましたが、長岡まで遠征しました。

 アンサンブル・リリックは、澤クヮルテット指導による弦楽講習会の受講生による弦楽合奏団です。これまで、2010年1月2007年3月の演奏会を聴いたことがあり、なかなか素晴らしい演奏だったという記憶があります。今回は15周年記念ということで、管楽器、打楽器を加えてのコンサートです。新潟出身の期待の星・大野有佳里さんとの共演もあり、このコンサートに行くことにしました。

 今週末は寒波も一休み。晴れ間も見えて、比較的過ごしやすい日曜日となりました。いつものように、分水・与板経由で長岡入り。某温泉で一休みした後、コンサートに臨みました。
 リリックホールの劇場では「新潟吹奏楽コンクール新人戦」が開催されており、中学生や高校生の吹奏楽部員で賑わっていました。また、隣の美術館に行く人の通路ともなっていて、リリックホールは人でいっぱいでした。

 早めに開場の列に並び、中央付近に席を取りました。開演が近付くにつれ客席は埋まり、最終的には8〜9割り程度の入りでしょうか。

 拍手の中奏者が入場。もともとのアンサンブル・リリックは弦楽のみで、編成は小さいのですが、ヴァイオリン、コントラバス、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、ティンパニのトラの皆さんが加わって、立派な編成のオーケストラとなっていました。
 コンマスは澤クヮルテットの大関さんで、ヴィオラのトップは市坪さん、チェロのトップは林さんと、要所はしっかりと固められています。そして、指揮は澤和樹さんです。

 最初はフィガロの結婚序曲。ホルンが外した一箇所を除けば素晴らしい演奏でした。弦のアンサンブルはきれいであり、トラのコントラバスに支えられたサウンドは厚みがあってきれいでした。

 続いては、メンデルスゾーンのコンチェルト。赤いドレスの大野さんは、ステージ映えして、堂々としていました。演奏も音量豊かに堂々と、力強いものでした。第1楽章終盤のカヅンツァはお見事であり、その実力が伺われました。ただ、緩徐部での歌わせ方はもう一息というところでしょうか。音に艶が加わるともっと良いのでしょうが、まだ弱冠16歳。これからの成長が期待されます。

 後半はモーツァルトの交響曲第35番。これも文句なく楽しめました。おそらくは音大生と思われる若いトラの皆さんの素晴らしい演奏もあって、聴き応えあるものでした。高水準の演奏であり、アマチュアとは思えないほどに感じました。
 アンコールもモーツァルトでまとめて終演となりましたが、はるばる長岡まで来た甲斐は十分ある良い演奏だったと思います。

 ただし、私のすぐ前のオバさんには参りました。前半は咳き込みが多いだけでまだ我慢できましたが、後半はモーツァルトの音楽に合わせて動きだしました。体や頭を揺らし、足でリズムを取ったり。こんな動きをする人はホール中を見回してもこの人だけ。視界に入らないようにすることもできず、目を閉じていないと音楽に集中できませんでした。演奏中にペットボトルのお茶を飲んだり、咳払いをしたり、なかなかの強者でいらっしゃいました。
 頭を一発叩いてやろうという衝動に駆られましたが、じっと我慢。新年早々、ちょっとついていないなあと嘆いたしだいです。演奏は素晴らしかっただけに、ちょっと残念に感じました。

 帰り道、FMをつけたら、学生音楽コンクールで優勝した新潟出身のフルート奏者・石崎彩夏さんの演奏が流れてきました。あまりにも素晴らしい演奏に、思わず聴き入ってしまいました。大野さんといい、石崎さんといい、新潟から素晴らしい音楽家が育っていることを誇らしく思いました。

   
(客席:12−11、1000円)