久石 譲 オーケストラコンサート2009 〜ミニマリズム ツアー〜
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2009年8月22日(土) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:久石 譲
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:河内長野ラブリーホール合唱団、栗友会合唱団
 
 
Minima_Rhythm
 I..Links
 II..MKWAJU 1981-2009
 III..DA・MA・SHI・絵

Sinfonia for Chamber Orchestra
 I..Pulsation
 II..Fugue
 III..Divertimento

(休憩20分)

The End of the World
 I..Collapse
 II..Grace of the St.Paul
 III..Beyond the World (Chorus)

Ponyo on the Cliff by the Sea (Chorus)
 Movement.1
 Movement.2
 Movement.3
 Movement.4

(アンコール)風の谷のナウシカ (Chorus)
 
 
 

 久石譲のコンサートは2006年10月以来2回目です。今回は新作アルバムの「Minima_Rhythm」の曲をプログラムとするオーケストラコンサートです。久石譲は、もともは現代音楽の作曲家として音素材をミニマル(最小、極小)に切りつめて、反復を執拗に繰り返すミニマル・ミュージックを作曲しており、その原点に回帰してこのアルバムが作られたそうです。アルバムはロンドン交響楽団と録音されましたが、新潟公演は新日本フィルとの共演であり、期待が膨らみました。
 今日は各ホールとも公演が重なり、大にぎわいです。私は早めにホールに着きましたが、駐車場に苦労して遅れた人も多かったようです。満席のホールは久しぶりに思います。

 久石さんによるトークがあった後、拍手の中楽員が入場し、開演となりました。ステージいっぱいのフル編成のオケは壮観です。弦5部は14−12−10−8−7。ハープが2台、マリンバ、ピアノなどが所狭しと並んでいます。後半にはコーラスがP席いっぱいに配置され、豪華な布陣です。コンマスはソロコンサートマスターの崔文洙さんです。

 曲は、ミニマリズム・ツアーと名乗るだけあり、アルバム「Minima_Rhythm」の全曲が演奏されました。フルオーケストラによる演奏は迫力がありましたが、同じようなリズム、音型を繰り返し演奏するミニマル・ミュージックが延々と続くと疲労感を禁じ得ません。口直しがあれば良いのですが、同じような曲が続くと飽きが感じられなくもありません。
 休憩後の「The End of the World」は合唱も入って良かったですが、やっぱりミニマル・ミュージック。最後に「崖の上のポニョ」のコーラス付きのオーケストラ組曲が演奏されて漸くほっとしたように感じました。ちなみにポニョの歌詞は日本語ではありませんでした。アンコールの「ナウシカ」は言い尽くせぬすばらしさであり、これだけでも聴きに来た甲斐があったように思います。会場は大盛り上がり。スタンディングオベーションとなり、オケや合唱団が退席した後も久石さんはステージに呼び戻されていました。その後ピアノだけのアンコールがあったかも知れませんが、所用があって早めに退席しました。

 これでもかと続くミニマル・ミュージックに心地よい疲労感を感じましたが、新日本フィルの演奏は素晴らしかったと思います。執拗に繰り返されるリズムの上に、様々な楽器が重なり、オーケストラの醍醐味を味わうことができました。演奏は大変だったと思いますが各楽器のソロはお見事でした。イージーリスニングとはほど遠い重いプログラムであり、聴き応えがありました。内容的にはクラシックコンサートと言うべきものでしたが、会場の皆さんはどう感じたのでしょうか。ベートーベンの第九の第一楽章やワーグナーのワルキューレの騎行を彷彿させる曲があったりしてニンマリしたりもありました。

 フル編成のオケに合唱団。大変豪華なコンサートであり、満足感あるものでした。会場は熱狂的に盛り上がりましたが、私としては後半は良かったものの前半は同じ曲調が続き、プログラムにもう一工夫あればもっと良かったように思います。そのほか合唱団はどういう人たちか分かりませんが、クオリティに問題があり、力不足だったように感じました。

 ともあれ、楽しめて良かったです。個人的にはジブリ関係の曲をもっと聴きたかったですけれど。 
 

(客席:2階C5−11、S席:8500円)