東京交響楽団 第44回新潟定期演奏会
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2007年10月8日(月) 17:00  新潟市民芸術文化会館コンサートホール
 
指揮:秋山和慶
ソプラノ:野田ヒロ子、メゾ・ソプラノ:小川明子、テノール:錦織 健、バリトン:三原 剛
合唱:にいがた東響コーラス(合唱指揮:山神健志)
コンサートマスター:大谷康子
 
 
シューベルト:交響曲第7番ロ短調 D.759「未完成」

(休憩20分)

モーツァルト:レクイエム K.626

(アンコール)
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618

 
 

 親戚に不幸があり、葬儀に出席した後、急いで喪服を着替えて会場に急ぎました。雨の中の野辺送りでした。こんな日の曲目が「レクイエム」とは、何たる偶然でしょうか。葬儀もさることながら、生活面でのつらい出来事が重なり、精神的にも参っていました。元気そうに振る舞うのももはや限界だと感じていました。コンサートには行くまいと最初は考えていましたが、家にいるのもいたたまれず、いつしか「りゅーとぴあ」へと車を進めていました。肌寒さが身にも心にも響いてきます。

 本日のコンサートは前売り券が完売となりました。年1回のにいがた東響コーラスの出番ということもあるのでしょう。チケット完売とはいうものの、空席がチラホラ。とはいえ、ほぼ満員のホールは気持ちいいですね。その分マナーのないお客さんがおられたのは残念でしたけど。
 ステージ上に合唱団席が作られていました。本日の指揮は久しぶりに秋山先生です。昨年の7月以来になります。コンマスは大谷さん。今回のプログラムは、オペラシティ、川崎に引き続いて3日連続3回目の演奏です。合唱団は違うものの、十分に演奏が深められたはずですですから期待が持てます。シューベルト、モーツァルトのいずれも未完に終わった作品を並べたというのも興味深いですね。

 前半はシューベルトの「未完成」です。6月の新潟交響楽団の定期演奏会でも演奏されましたが、さすがに東響の演奏は違います。ゆっくり目の堂々とした演奏で、大曲の風格を感じさせました。あまりに有名すぎて、逆に実演で聴く機会がなかったのですが、今年はアマとプロとで聴き比べることができて幸運でした。

 後半は「レクイエム」です。この曲は1999年の第3回東響新潟定期で、現音楽監督のスダーンの指揮で演奏されています。そのときも満員の盛況だったと記憶しており、にいがた東響コーラスの頑張りが印象に残っています。
 合唱団が入場し、そのあと東響が入場しました。チューニングはオルガンの音出しで始まりました。合唱団の中には知った顔もチラホラ。
 演奏は心に響く感銘深いものでした。各ソリストとも申し分なくすばらしい歌声でした。われらが「にいがた東響コーラス」の熱演もすばらしかったです。終始暗譜で歌っていたというのも驚きでした。パイプオルガンの重厚な音色も良かったです。心洗われ、疲れた精神が癒されたように感じました。

 レクイエムの後にブラボーはないよなあ、とは感じましたが、皆さんも感激されたようで、熱い拍手が続きました。アンコールなど不要と感じましたが、アンコールが演奏されました。曲目はこれしかありませんよね。アヴェ・ヴェルム・コルプスです。これがまたいい演奏でした。

 悲しい気持ちで臨んだコンサートでしたが、癒され、心が落ち着き、少しだけ勇気をもらった気がしました。人生いろいろ、悪いことの後にはきっといいこともあるに違いません。もうちょっと頑張ってみようと決心して帰宅したのですが、現実は・・・。
 

(客席:2階C5-35、S席:定期会員 5000円)