新潟交響楽団 第80回定期演奏会
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2007年6月17日(日) 14:00  新潟県民会館大ホール 
 
指揮:船橋洋介
 
 
シューベルト:交響曲第7番 ロ短調「未完成」D.759

(休憩15分)

ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノヴァーク版)

(アンコール)
シューベルト:劇音楽「ロザムンデ」間奏曲

 
 

 晴天の穏やかな日曜日です。我が家のすぐ近くに高校野球では地元で有名な某高校がありますが、朝から練習試合が行われていて賑やかです。野球部員たちの掛け声と金属バットの音。夏の大会まであとわずか。甲子園めざして正念場です。

 さて、今日のコンサートは昨年から大変楽しみにしていました。シューベルトとブルックナーの7番の組み合わせというのが面白いですが、何と言ってもブルックナーです。この大曲をわれらが潟響が演奏してくれるなんて大したものです。地方ではなかなか聴けないですからね。
 面白いことに、今日の演目の「未完成」は10月に秋山和慶さんの指揮で、ブルックナーの7番は9月に大友直人さんの指揮で東響新潟定期で演奏されます。偶然ではありましょうが、ほんの数ヶ月の間にアマとプロの競演とは大変興味深いですね。

 1時過ぎに県民会館に行くと開場待ちの長い行列ができていました。毎度ながら、熱心なファンが多いことに驚きます。
 私は並ぶのは嫌いなので、県民会館奥の音楽の書籍コーナーで「音楽の友」を読んで暇つぶしをしていました。ここはあまり知られていないようですが、音楽雑誌が各種あり、DVDも借りて見ることができるのでお勧めです。
 しばらくして入場の行列が短くなった頃におもむろに入場しました。あの長蛇の列がウソのように、空席がかなりあります。私はお気に入りの2階席1列目に席を取りました。

 1曲目はシューベルトの未完成です。アマチュア・オケの定番的な曲ですが、最近はあまり耳にしません。久しぶりに聴きます。なかなか美しいアンサンブルを聴かせてくれた好演で、ブルックナー前の前菜としてピッタリの演奏だったと思います。
 ただし、残念な出来事がありました。1階に声を出すお子様(?)がおられ、演奏中も騒がしく、音楽に集中できませんでした。第1楽章が終わった後も声を出し続け、さすがに船橋先生も第2楽章の演奏を開始できません。静かになることを期待して、しばらく時間が過ぎましたが、静まる様子はなく、仕方なさそうに第2楽章が開始されました。せっかくの演奏なのに、集中力が維持できませんでした。いろいろ事情があってのことなのだろうとは思いますが、アマチュアとはいえ、有料のコンサートであるわけですから、適切な対応が必要だったと思います。
 
 休憩ののち後半はいよいよブルックナーです。さすがに後半は静かに集中して聴くことができました。多数のエキストラが入ってステージいっぱいのオケは壮観です。
 ブルックナー開始から好演を予感させてくれました。弦のアンサンブルは美しく、9本のコントラバスは迫力がありました。ブラスの活躍ができを左右するブルックナーですが、大事なところでの音外しなど、プロなら許されないミスが多々ありましたが、アマチュアとしてはいい演奏だったと思います。何より地方のアマオケが挑戦したということには大きな意義があります。
 東京から応援を得た4本のワグナーチューバの存在感が光っていました。細かいことは抜きにして、オルガン的なブルックナーサウンドの一端を感じ取ることができ、大曲を飽きさせることなく聴かせてくれました。「未完成」でのアクシデントを忘れさせる名演奏でした。

 ブルックナーの大曲の後にはアンコールは不要に思われましたが、前半のシューベルトにちなんで、「ロザムンデ」の有名な間奏曲が演奏されました。こってり肉料理の後のデザートのようないい演奏ではありましたが、ブルックナーの後にはやっぱり不要だったかもしれません。

 会場を出ると隣の陸上競技場ではサッカーL1リーグの試合中で、歓声がこだましていました。アルビレックス・レディース頑張れ!
 

(客席:2階1-10、自由席:1000円)