毎年団員が入れ替わるのが宿命の学生オーケストラです。今年のできはいかに。ということで興味津々でした。思えば新潟大学管弦楽団(オケラ)を初めて聴いてから30数年。我が母校のオケということもあって、長いお付き合いです。私も年を取ったということですね。
昨日は大雨でしたが、今日は曇り模様。暑すぎることもなく、過ごしやすい陽気です。家族はそれぞれ出かけてしまい、ひとり家に取り残されてしまいました。コンサートまでは時間もあるので、映画を1本見てきました。封切り早々のダイハード4.0。今日はアルビの試合があるせいか、意外にも空いていて、580席の大スクリーンに観客は2〜30人程度。ゆったりと見ることができました。やはりアクション映画は映画館で見るに限ります。
6時前にホール到着。すでに長い開場待ちの行列ができていました。私も並んで入場し、33階正面に席を取りました。今日はTVの収録があるようで、TVカメラが数台いい場所を占拠していました。観客は8〜9割程度でしょうか。かなりの大入りです。
1曲目は「運命の力」。意外にもいい演奏です。最初の金管の和音からいい音。その後も目立ったミスもなく流麗な音楽を奏でてくれました。今年のオケラはいいぞ、と感じさせました。
2曲目は「火の鳥」。これまたいい演奏でした。神秘的な序奏から演奏に引き込まれました。強奏での迫力はすばらしかったですが、弱奏の美しさがもう少しあったらもっと良かったと思います。また、ホルンという楽器の難しさもあらためて感じました。でも、演奏としては満足できるものであり、咳払い休憩なしで、全曲版のように途切れなく演奏したのも良かったです。
個人的には「火の鳥」は大好きな曲ですが、1945年版は今ひとつなじめません。終曲の8分音符の「切り刻み」がどうにも受け入れがたいのです。2005年の東響第33回新潟定期でミッコ・フランク指揮で聴いていますが、この時もいい印象がありませんでした。終曲については1919年版がいいですね。
休憩ののち、後半は「運命」です。オケの編成は大きく、チェロが15人、コントラバスが10人もいます。演奏は前半同様に大変良かったと思います。破綻もなく、安心して曲に没頭できました。人数がいた割りには低弦の響きが薄く感じましたが。その分重くなりすぎず、爽やかな演奏になりました。
欲をいえば第3楽章など鋭い切れ込みがほしかったですが、あれだけ人数がいると微妙な音のずれが生じて、音がぼやけてしまうのでしょう。細かいことはよしにして、本当に楽しめた演奏でした。
アンコールは、「ハンガリー舞曲」。これは練習が不十分なのか、音がばらけていました。編成が大きすぎたのかもしれません。
昨年のサマーコンサートはイマイチのできだったように記憶していますが、今年はすばらしい演奏を聴かせてくれました。12月の定期演奏会ではさらに進歩した姿を見せてくれるに違いありません。次はスメタナの「わが祖国」全曲です。東京公演も予定されており、大いに楽しみです。
外に出るとライトアップされた木々が美しく、すがすがしく感じます。暑すぎない程よい気温ということもありますが、いい音楽を聴いて気分が高揚していたのでしょう。音楽っていいなあ・・・。
(客席:3階I 2-9、自由席:700円) |