NHK交響楽団
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2000年7月5日 新潟市民芸術文化会館コンサートホール
 
指揮:マティアス・バーメルト
ピアノ:中野翔太
 

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲

リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 (ピアノ:中野翔太)        

(休憩)

ブラームス:交響曲第1番 ハ短調

(アンコール)
ブラームス ハンガリー舞曲第1番

 

 
 
 N響演奏会は年1回新潟市と長岡市で新潟県主催で毎年行われています。某地方銀行の後援を得ているのですが、今年限りで後援を止めてしまうとのことで、来年以降どうなるのか心配です。今後も継続できるよう県の首脳の配慮をお願いしたいです。
 新潟市では昨年までは新潟県民会館が会場でしたが、今回初めてりゅーとぴあ(市民芸術文化会館)での公演です。昨年の演奏会はちょっと欲求不満でありましたので、今年はどうなのかと期待していました。

 本日は隣の県民会館で郷ひろみのコンサートがあり、駐車場は満杯。少し離れた駐車場に何とか駐車し、開演ぎりぎりに着席しました。
 会場はステージ裏・横の席に空席がありますが、8分程度の入りでしょうか。東響定期など新潟もコンサートがやたら増え、人気のN響公演も有り難みが薄れてきたように思われます。本日は車椅子席は満席。他にも障害を持つ方が客席におられました。障害を持つ方も生の演奏を是非楽しんでもらいたいものです。私の座席は2階席中央(Cブロック)、私の斜め前には県のVIPがおられます。

 さて、指揮者のバーメルト登場。この指揮者は不勉強で全く知りません。チラシの写真は帽子をかぶっていて、ニヒルな渋い男を想像させましたが、頭のはげたじいさんでした。

 ウェーバーで演奏開始。このところ新潟交響楽団新潟大学管弦楽団とアマチュア・オケを続けて聴いていたので、やっぱりプロの音は違うなあとまず実感しました。毎回ほぼ同じ席で聴いているのですが音の厚みが違います。弦のガサツキがありません。そしてホルンの響きが美しいです。
 そんなこんなで1曲目は音を楽しんでいるうちに終了してしまいました。少しあっさりした演奏でした。2曲目はリスト。実演で聴くのは初めてです。1984年生まれという期待の若手、中野さんの登場。ステージ上の所作はいかにも少年で、初々しいですが、演奏自体は感性に満ちていましですた。ホールの響き、座席にもよるのかもしれないが、ピアノがオケに埋もれた印象がありました。しかし、繊細な響きということも言えましょう。N響に負けていたのは仕方ないにしても、N響ももっと気を遣ってくれればいいのになあ、などというのは余計なお世話かな。まだ15か16歳。カーテンコールのぎこちない姿が実にすがすがしいです。今後の活躍に期待したいものです。会場からも惜しみない拍手が送られていました。

 休憩の後ブラームスです。重厚なN響サウンドが響き渡ります。しっかりした低音に支えられたピラミッドサウンドです。アンサンブルの乱れもないです。音は重厚ですが音楽は重くありません。少し早めのテンポで流麗に音楽が流れます。音を楽しみ、曲を楽しむことができました。もう少し緩急の幅があっても良かったかなとも思いますが、昨年とは違って、これは満足できた演奏でした。指揮者の個性というのはあまり感じられなかったですが、重苦しくなりすぎないブラームスであり、疲れないで良かったです。
 アンコールもブラームス。流れるような軽やかな爽やかな演奏。アンコールも含めて8時50分頃と早めの終了でしたが、私としては充分堪能できたコンサートでした。

 会場を出ると、郷ひろみのコンサートもちょうど終わったところで、県民会館からご婦人方がゾロゾロと出てくるところでした。人波に飲みこまれないよう早足で白山公園を抜け車に向かいました。