〜 JIS Z 8206「工程図記号」で、製造工程の流れを図式化する 〜
製品や原料が、加工・運搬・検査・停滞・貯蔵のどの状態にあるかを、文章ではなく共通の図形記号で表したものが工程図記号です。JIS Z 8206ではこの基本記号が定められており、工程分析やプロセスフロー図(PFD)を読み書きする際の前提知識になります。
工程図記号は、対象(原料・仕掛品・製品)がたどる状態に応じて、次の5種類の基本図形で表されます。
| 記号 | 名称 | 意味 |
|---|---|---|
| 加工 | 原料・部品・製品の形状や性質を変化させる工程(反応・混合・加熱など) | |
| 運搬 | 対象を別の場所へ移動させる工程(配管による移送、コンベア搬送など)。加工の丸(半径15)より小さい丸(半径7.5、1/2)で表す | |
| 検査 | 数量や品質を基準と比較し、良否・合否を判定する工程(分析・計量など) | |
| 貯蔵 | 計画的にある期間、対象を蓄えておく状態(原料タンク、製品倉庫など)。頂点が下を向いた逆三角形で表す | |
| 停滞(滞留) | 次の工程に進めず一時的に足止めされている状態(在庫待ち、順番待ちなど) |
実際の工程分析では、これらの記号を矢印や線でつなぎ、原料の受け入れから製品の出荷までの一連の流れを1枚の図に表します。次の例は、原料を受け入れてから反応・検査を経て貯蔵するまでの、ごく簡単な工程の流れです。
工程図記号を用いた簡易フロー例(原料投入→反応→検査→移送→貯蔵)
このように記号だけで工程の種類が一目で分かるようになるため、複雑な製造プロセスでも、文章で説明するより短時間で全体像を把握できます。プロセスフロー図(PFD)では、これらの記号がより専門的な装置記号に置き換わり、物質収支の情報が加わっていきます。