🔄 工程図記号を読む

〜 JIS Z 8206「工程図記号」で、製造工程の流れを図式化する 〜

製造工程を「記号」で表す

製品や原料が、加工・運搬・検査・停滞・貯蔵のどの状態にあるかを、文章ではなく共通の図形記号で表したものが工程図記号です。JIS Z 8206ではこの基本記号が定められており、工程分析やプロセスフロー図(PFD)を読み書きする際の前提知識になります。

1

5つの基本記号

工程図記号は、対象(原料・仕掛品・製品)がたどる状態に応じて、次の5種類の基本図形で表されます。

記号 名称 意味
加工 原料・部品・製品の形状や性質を変化させる工程(反応・混合・加熱など)
運搬 対象を別の場所へ移動させる工程(配管による移送、コンベア搬送など)。加工の丸(半径15)より小さい丸(半径7.5、1/2)で表す
検査 数量や品質を基準と比較し、良否・合否を判定する工程(分析・計量など)
貯蔵 計画的にある期間、対象を蓄えておく状態(原料タンク、製品倉庫など)。頂点が下を向いた逆三角形で表す
停滞(滞留) 次の工程に進めず一時的に足止めされている状態(在庫待ち、順番待ちなど)
💡 貯蔵と停滞はどちらも「動きが止まっている状態」ですが、貯蔵は計画的・意図的に蓄える工程であるのに対し、停滞は計画外に一時的に足止めされている状態を指す点で区別されます。
2

記号を組み合わせて工程を表す

実際の工程分析では、これらの記号を矢印や線でつなぎ、原料の受け入れから製品の出荷までの一連の流れを1枚の図に表します。次の例は、原料を受け入れてから反応・検査を経て貯蔵するまでの、ごく簡単な工程の流れです。

原料投入 反応・加熱 品質検査 配管移送 製品タンク貯蔵

工程図記号を用いた簡易フロー例(原料投入→反応→検査→移送→貯蔵)

このように記号だけで工程の種類が一目で分かるようになるため、複雑な製造プロセスでも、文章で説明するより短時間で全体像を把握できます。プロセスフロー図(PFD)では、これらの記号がより専門的な装置記号に置き換わり、物質収支の情報が加わっていきます。