📏 製図の基本(線・投影法・寸法)

〜 すべての図面に共通する、JIS製図の土台を身につける 〜

まずは「共通言語」としてのルールを知る

化学プラントのPFDやP&IDも、機械部品の図面も、すべて同じ製図のルール(JIS B 0001など)の上に成り立っています。ここでは、図面のサイズ・尺度、線の種類、投影法、寸法記入という4つの基礎を、順を追って学びます。

1

図面のサイズと尺度

図面には用紙サイズの規格があり、A0(最大)からA4(最小)まで、面積が半分ずつになるように定められています。学校や現場でよく使われるのはA3・A4サイズです。

また、実物と図面上の大きさの比率を「尺度」といいます。実物と同じ大きさで描く「現尺(1:1)」、小さく描く「縮尺(1:2、1:5など)」、大きく描く「倍尺(2:1など)」があり、図面には必ずどの尺度を使ったかを明記します。

💡 化学プラントのPFDやP&IDは装置や配管を実寸で描くわけではないため、尺度を意識せず「概念図」として描かれることが多いですが、機器図・配置図(レイアウト図)では正確な尺度が必須になります。
2

線の種類とその使い分け

図面ではすべての線に意味があります。同じ太さ・種類の線を使い分けることで、輪郭・かくれた部分・中心線などを区別します。

線の種類 名称 主な用途
外形線(太い実線) 対象物の見える部分の輪郭を表す
寸法線・引出線(細い実線) 寸法の記入や説明の引き出しに使う
かくれ線(破線) 対象物の見えない部分(内部構造など)を表す
中心線(一点鎖線) 円の中心、対称の軸などを表す
想像線(二点鎖線) 可動部分の移動範囲や隣接部分を仮想的に表す
💡 化学プラントの配管図(P&ID)では、この線種のルールに加えて、配管の種類(本管・トレース配管・計装ラインなど)を区別する専用の線種がJIS Z 8209で定められています。詳しくは「化学プラント用配管図記号」のページで扱います。
3

第三角法による投影図

立体を平面の図面で表すために、日本の製図では主に「第三角法」という投影方法が使われます。対象物を透明な箱の中に置き、正面・上面・側面のそれぞれの方向から見た形を、箱を開くように展開して並べる考え方です。

平面図 正面図 側面図

第三角法における配置の例(正面図の真上に平面図、右に側面図を並べる)

正面図(対象物の代表となる面)を基準に、真上から見た「平面図」はその上に、右側から見た「側面図」はその右に配置します。この配置ルールを覚えておくと、初めて見る図面でもどの面を表しているかがすぐに分かるようになります。

4

断面図の表し方

内部の構造が複雑な場合、対象物を仮想的に切断し、その断面を描く「断面図」を使います。切断した部分には、間隔を空けた斜めの細い線(ハッチング)を描き入れ、そこが切断面であることを示します。

切り方には、全体を1平面で切る「全断面図」、対称な形状の半分だけを切る「半断面図」など、対象物の形に応じていくつかの種類があります。

5

寸法記入の基本ルール

寸法は「寸法線」「寸法補助線」「寸法数値」の3つの要素で構成されます。単位は原則としてミリメートル(mm)を使い、図面上では単位を省略するのが一般的です。

寸法記入で特に重要なのは、寸法を二重に記入しない(重複を避ける)ことと、関連する寸法はできるだけ1か所にまとめて読みやすくすることです。これは化学プラントの配管図でも同様で、配管の口径・長さ・勾配などを整理して記入することで、施工現場での誤読を防ぎます。