🧪 化学プラント用配管図記号

〜 JIS Z 8209で学ぶ、配管・バルブ・計器のシンボル 〜

配管計装図(P&ID)を読み解く鍵

化学プラントの配管計装図(P&ID)には、配管・バルブ・計器・装置類を表す専用の記号が数多く登場します。JIS Z 8209(化学プラント用配管図記号)は、これらの記号の描き方を規定した規格です。ここでは、代表的な配管の線種・バルブ記号・計器記号を紹介します。

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配管の種類を表す線

配管図では、線の太さや種類によって「どんな配管か」を区別します。製図の基本で学んだ外形線・かくれ線のルールに加えて、化学プラント特有の配管表現が定められています。

名称 意味
本管(主配管) プロセスの主流体が流れる、最も太い実線で表す配管
枝管(補助配管) 本管から分岐する、本管より細い実線で表す配管
トレース配管 本管に沿わせて保温・加熱するための配管。本管に並走する線で表す
隠れ管 地中埋設や壁の裏など、直接見えない配管を破線で表す
計装ライン 計器と制御対象を結ぶ信号線。細い点線で表す
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バルブ記号

流体の流れを開閉・調整するバルブにも、種類ごとに専用の記号があります。基本形は2つの三角形を向かい合わせた形で、そこに弁の種類を示す線や記号を加えて描き分けます。

記号 名称 意味
仕切弁(ゲートバルブ) 全開・全閉での使用を基本とする、最も一般的なバルブ
玉形弁(グローブバルブ) 流量の調整がしやすく、絞り操作に適したバルブ
逆止弁(チェックバルブ) 流体を一方向にのみ流し、逆流を防止するバルブ。「N」を横に倒したような記号で表す
安全弁(リリーフバルブ) 上部のばね(スプリング)記号でセット圧力を表し、横向きの三角形(弁体)と軸線上の上向き三角形が組み合わさった構造。設定圧力を超えると弁が開き、上部から放出される
💡 安全弁は、危険物取扱者の学習にも登場する「過圧防止」の要となる機器です。配管図の中でも特に注意して読むべき記号のひとつです。
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計器記号

計器類は円の中に、計測する項目と機能をアルファベットで表す方式が広く使われます。円の上半分に項目記号、必要に応じて機器番号を記入します。

記号 読み方 意味
FI FI 流量指示計(Flow Indicator)
PI PI 圧力指示計(Pressure Indicator)
TI TI 温度指示計(Temperature Indicator)
LC LC 液面制御計(Level Controller、自動で調整まで行う計器)
💡 記号の1文字目は測定項目(F=流量、P=圧力、T=温度、L=液面)、2文字目以降は機能(I=指示、C=制御、R=記録など)を表します。この組み合わせを覚えると、初めて見るP&IDでもおおよその意味が読み取れるようになります。
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記号を組み合わせた配管図の例

ここまでの記号を組み合わせると、タンクからポンプで送液し、流量を計測しながら弁で流量を調整する、という簡単なP&IDが描けます。

原料タンク ポンプ 調整弁 FI 流量指示 反応器

タンク→ポンプ→調整弁→流量計(FI)→反応器という簡易P&IDの例。緑の点線は流量計から調整弁への計装信号線

実際のP&IDにはこれに加えて、配管サイズ・材質・保温の有無・安全弁・複数の計器が書き込まれ、非常に情報量の多い図面になります。ここまでの基礎記号を押さえておけば、「プロセス設計入門」で扱う本格的なP&IDもスムーズに読み進められます。