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毎年年末恒例の「新潟第九コンサート」です。毎年聴いていますので、今年も聴きに行かねばという強迫観念に駆られて、チケットを買ってしまいました。まあ、1年を締めくくるにはこれしかありませんから、今年最後のコンサートとして聴かせていただきたいと思います。
とはいうものの、今年は3月の東京交響楽団第140回新潟定期演奏会で「第九」が演奏されており、今年2回目の「第九」となりました。気分も新たに聴かせていただきましょう。
さて、第四銀行主催による「だいしライフアップコンサート」を前身として、1999年に始まったこの「新潟第九コンサート」も、コロナ禍の中断をはさんで、今年で第24回目となりました。
オーケストラは毎年新潟交響楽団が務めており、指揮者は2022年の第21回から引き続いて平川範幸さんです。独唱者は昨年の第23回と全く同じメンバーです。合唱は公募による市民合唱団ですが、今年はどんな歌声を聴かせてくれるでしょうか。
毎年人気のこのコンサートですが、今年もチケットは早々に完売となり、立ち見席も販売されました。市民オケに市民合唱団。新潟市民手作りの「第九」を大いに楽しませていただこうと思います。
と、期待して臨んだ演奏会でしたが、つい先日身内に不幸があって、悲しみの日を過ごしていました。こんなときに「歓喜の歌」でもあるまいと思ったのですが、落ち込んでばかりでは故人に申し訳ありませんので、思い切って出かけることにしました。
今週は天候が落ち着いていて、過ごしやすい陽気が続きました。今日は天気予報通りに昼過ぎから雨が降りだしましたが、気温は高くて助かりました。
小雨が降る中に車を進めましたが、今日はイベントが重なっているためか白山公園駐車場は満車でした。西堀のコインパーキングに車をとめて、上古町から白山神社を抜けて、りゅーとぴあ入りしました。
館内に入り、チラシ集めをしていましたら、ほどなくして開場となりましたので、私も入場しました。今日は日頃このホールに来られないような高齢者が多いようで、席がわからなくて苦労されている人が多数おられました。相変わらず、3階の
I ブロックの I を 1 と間違えている人が多数おられ、客席の急な階段に戸惑っている人もおられました。
開演15分前から合唱団が入場し、ステージ周りのEブロックにソプラノ、Pブロックにテノールとバス、Aブロックにアルトが着席しました。
開演時間が近づくに連れて客席は埋まり、立見も含めて、満席の客席は壮観です。といきたかったのですが、チケット完売ながらも来られない客もおられるようで、若干ではありましたが、虫食い状態に空席がありました。
ステージ上と左右の客席にはTVカメラが配置され、カメラマンも正装していました。コンサートの模様はBSNが収録して、12月29日(月)の8時から放送されるそうです。
駐車場が混雑して客の入場が遅れているとのことで、開演時間から5分遅れて、オケの団員が拍手の中に入場しました。全員揃うまで起立して待ち、最後にコンマスが入場して大きな拍手が贈られてチューニングとなりました。オケは通常の配置の14型で、弦5部は
14-13-9-8-7 です。
平川さんが登場して、1曲目はモーツァルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲です。暗い弦楽に導かれて、重々しく音楽が始まりリました。その後は軽快さや明るさも見せました。
劇的な序曲を重厚に演奏し、モーツァルトの音楽世界をうまく表現し、前座の曲としては十分な仕上がりだったと思います。
指揮者が下がって、団員が増強されるとともに、客席には遅れて来た客がゾロゾロと入場しました。平川さんが入場し、オケとともに合唱団も起立して拍手に応えました。いよいよ「第九」の開演です。
ホルンに載せて第1ヴァイオリンが演奏し、力を増して全奏となって、第1楽章が始まりました。緊張感を保ち続ける引き締まった演奏で、いい出だしでした。緩急の後にティンパニが連打されて緊張感は頂点となりました。一息置いて、繰り返しの後に、再び緊張感を高めて楽章が終わりました。
第2楽章は、軽快にリズムを刻んで始まりました。途中はやや鈍重にも感じましたが、聴かせどころの流麗な弦やホルン、オーボエなどの管楽器も頑張ってくれました。繰り返しの後に楽章は終わりました。
ここで独唱者の4人が入場して、ステージのオケの後方に着席しました。左からソプラノの中須さん(白いドレス)、アルトの横瀬さん(紺色のドレス)、テノールの平野さん、バリトンの牧山さんです。この間に、再び遅れて来た客がゾロゾロと入場しました。
ひと呼吸置いて、第3楽章がゆったりと始まりました。穏やかで、天国的に美しい楽章をうまく表現していましたが、ヴァイオリンに潤いと流麗さがあればさらに良かったかなと思いました。それでもアマオケとしましては十分だったと思います。
アタッカでなく、咳払い休憩を置いて第4楽章が始まりました。これまでの楽章のメロディをチェロとコントラバスが力強く否定し、チェロとコントラバスが地を這うように静かに歓喜の歌のメロディを奏で、ヴィオラが加わって厚みを増し、ヴァイオリンが加わり、さらに管も加わって全体で歓喜の歌を奏でますと、否応なく胸が高鳴りました。
そして合唱団が立ち上がって、バリトンが歌い出し、いよいよ盛り上がって、となるはずでしたが、バリトンの声の調子が良くないようで、ハラハラしてしまいました。
それでも、合唱団が力強く歌い、独唱者の四重唱となりますと、どんどんと演奏に引き込まれました。私が好きなマーチの部分の大太鼓の響きも美しくて良かったです。
独唱陣はイマイチに思いましたが、合唱団は頑張ってくれました。総勢300人になろうという大合唱団の迫力は素晴らしく、左右に分かれた女声合唱がステレオ効果を生んで、音響的にも楽しめました。
どんどんと盛り上がりを見せてフィナーレへと駆け上がり、ホールを埋めた聴衆に、大きな感動と興奮をもたらして、演奏が終わるともにブラボーと大きな拍手が沸き上がりました。
カーテンコールが何度も繰り返され、花束贈呈も行われました。合唱トレーナーの鈴木由香さんが出て来ましたが、亡くなられた箕輪先生の後を継いで合唱指揮をしておられる佐藤匠さんが出て来られず、寂しかったです。
アンコールは、定番のアヴェ・ヴェルム・コルプスと踏んでいたのですが、意表をついてシベリウスの「フィンランディア」でした。独唱者は参加されませんでした。
金管の地を這うような力強い合奏で演奏が始まりましたが、これが素晴らしい演奏でした。後半に合唱が加わりますと、感動が胸に込み上げて、胸が高鳴りました。誠に申しわけありませんが、「第九」以上の感動をいただきました。
アンコールにはもったいない演奏であり、感動のクリスマスプレゼントをいただいたように思います。カーテンコールが行われて、コンマスが礼をして、演奏会は終演となりました。
アマチュアですので、当然完璧な演奏ではありませんが、生み出される感動はプロをも凌駕するものがあります。独唱者のコンディションが良くなかったのは残念でしたが、いい演奏会だったと思います。
今年は悲しい別れがあったりと、決していい年ではなかったのですが、何とか生き延びることができました。「第九」を聴きながら一年を振り返り、「フィンランディア」の熱い演奏から明日への希望の光を感じ取ることができました。
外に出ますと雨が降り続いていましたが、いい音楽を聴いた私の心は晴ればれでした。来年の「第25回新潟第九コンサート2026」は、12月20日(日)に開催されるそうです。来年も「第九」を聴くことができますよう精進したいと思います。
(客席:3階 I 4-8、S席:¥3000) |