今日は毎年夏休みに開催されている新潟県少年少女合唱団合同演奏会です。県内各地で持ち回りで開催されており、昨年は見附市で開催されましたが、今年は新潟市での開催になりましたので、久しぶりに聴かせていただくことにしました。新潟市での開催は、コロナ禍での中止を挟んで、2018年8月の第41回以来7年ぶりです。
今年の参加団体は、新潟県央ジュニア合唱団 “ブレーメン”、アルカディア少年少女合唱団、長岡少年少女合唱団、新潟市ジュニア合唱団の4団体で、最後には総勢約200名による合同演奏が濱野芳純さんのオルガンとともに行われるとのことであり、これも楽しみです。
8月も下旬になりましたが、厳しい残暑が続いています。今日も朝から晴れ渡り、気温はぐんぐんと上がりました。いつものルーチンワークを終えて昼食を摂り、りゅーとぴあへと向かいました。
白山公園駐車場に車をとめて、県民会館に立ち寄りましたら、パレエの発表会の観客で大混雑でした。チラシ集めもままならず、直ぐに退散してりゅーとぴあ入りしました。こちらは静かな空気が流れていて、ほっとしました。
チラシ集めをして、開場の列ができたところで私も列に並びました。ほどなくして開場となり、2階正面に席を取りました。
1階の前方は合唱団の団員席になっていて、一般者は1階後方と2階席でした。次第に客が入り、サイド席には余裕がありましたが、正面はびっしりと埋まりました。
開演時間となり、ホスト合唱団である新潟市ジュニア合唱団の代表2人による挨拶があり、以後この2人の司会進行により、演奏会が進められました。
最初はオープニング合同演奏です。1階前方の客席に座っていた各合唱団の全員が起立して後方を向き、1階席後方で馬場幸さんが指揮をして、ステージ上の袖山さんのピアノとともに「マイバラード」が歌われました。
子供たちの澄んだ歌声がホールに響き、汚れのない美しいハーモニーに、早くも感動が込み上げてきて、これを聴けただけでも満足にすら思えてしまいました。
歌い終わって大きな拍手が贈られ、子供たちは前を向いて着席して、いよいよ各合唱団の個別の演奏の始まりです。
まず最初は、新潟県央ジュニア合唱団 “ブレーメン”です。指揮は櫻井 綾さんで、ピアノは品田真彦さんという強力な布陣です。12人の団員が客席からステージに上がりました。指揮者、ピアノのほかに、なんと本間美恵子さんが出てこられてびっくりしました。
まず最初は、「合唱のためのたのしいエチュード」からの3曲が歌われました。本間さんが鳴らす鈴の音とともに「あめ」が歌われ、清らかな声にうっとりしました。
続く「どうじょうだじょ」は、本間さんが叩く太鼓とともに力強く歌われ、「きりん」は、本間さんの鈴に導かれて、清らかなハーモニーで魅了しました。
本間さんが退場して合唱団のキャプテンによる挨拶があり、男子1名が加わって13人になり、以後品田さんのピアノ伴奏とともに演奏が進められました。
次は、「今日はこのままおうちにいて」からの3曲が歌われました。最初の「今日はこのままおうちにいて」は、楽しく明るく歌い、「ひばりに」は、ちょっと悲しげにしっとりと歌い、「涙が乾く処方箋」は、年少者の4人が加わって17人となり、身振りも加えて楽しく軽快に歌い、心も明るくなりました。
続いては「こころの歌」として、お馴染みの童謡が2曲歌われました。「かもめの水兵さん」は、かわいらしく、ほのぼのと、「われは海の子」は、聴きながら子供時代を思い起こして昭和の時代を懐かしみました。
続けて最後に「歌のメリーゴーラウンド」を明るく楽しく、振りも交えて歌い、気分も明るくエンディングとなり、大きな拍手が贈られました。
団員が客席に戻り、ステージ右側に、なんとマリンバが2台並べられました。2番目に登場するのはアルカディア少年少女合唱団です。司会者に促されて団員がステージに上がりました。
最初は、女声・同声合唱による10のメルヘン「愛する歌」からの4曲がピアノ伴奏で歌われました。木下牧子さんの作曲ですが、作詞は朝ドラで話題になっているアンパンマンのやなせたかしさんです。
「ひばり」は、しっとりと歌い、「きんいろの太陽がもえる朝に」は、明るく軽快に、「犬が自分のしっぽをみて歌う歌」は、明るく爽やかに楽しく、「さびしいカシの木」は、しっとりと清廉に歌い、しみじみとした感動を誘いました。
指揮者が交代して、続いてはカッチーニの「アヴェ・マリア」です。この曲を子供の合唱で聴けるとは驚きでした。清らかな歌声がコンサートホールに響き、ホールが教会になったかのような厳かな空気で満たされました。心が洗われるような歌声が、しっとりと心に沁みてきて、切なく涙を誘いました。
ピアノが退場して、新潟の打楽器界を牽引する倉澤桃子さんと本間美恵子さんが登場し、以後の2曲はマリンバ演奏とともに歌われました。
「めぐる季節」は、マリンバ2台のふくよかなサウンドとともに歌われ、「魔女の宅急便」の世界が眼前に広がるかのようでした。この2人のサポートを得ての合唱が悪いはずはなく、ピアノ伴奏では味わえない感動をいただき、うっとりと聴き入りました。
「人生のメリーゴランド」は、マリンバの前奏に導かれてピアニカがしっとりとメロディを奏で、合唱が加わって、ステージはジブリの世界に変わりました。
美しい歌声にふくよかなマリンバニ重奏。感動で胸が熱くなりました。合唱団員によるピアニカ演奏も素晴らしく、ブラボーを叫びたくなりました。
倉澤さん、本間さんのマリンバを起用したアイデアには感服しました。このジブリの音楽にはピアノよりマリンバ、そしてピアニカが合いましたね。大きな感動をもたらして休憩になりました。
休憩後の後半最初は、長岡少年少女合唱団です。司会者に促されて、合唱団員が客席からステージに上がりました。総数22人で、このうち男子は3人でした。
1曲目は「あんたがたどこさ」童声または女声のために です。伴奏なしのアカペラで歌われましたが、手拍子・足拍子も交えて、輪唱も美しく、複雑な構成の曲を、美しく歌ってくれました。
2曲目もアカペラで、無伴奏女声合唱のための「日本古謡のよる2つのタブロー」より「越天楽今様」が歌われました。「越天楽」のメロディが、透明感のある美しく澄んだ歌声で歌われ、心も清められるようであり、ハイレベルな合唱に、うっとりと聴き入りました。
年少者8人が加わって30人編成となり、3曲目の「HANABI」を明るく軽快に歌い、4曲目の「フェニックス」を雄大に伸びやかに、大空に羽ばたくように歌い、悠々とした歌声が心地良く響きました。
指揮者がステージ前に下りて、5曲目は「名探偵コナン」より「キミがいれば」を、振りも交えて、力強く、熱く歌いました。
最後の6曲目は、「銀河鉄道999」を軽快に楽しく、踊りながら歌い、ゴダイゴの名曲に胸が躍り、熱き興奮をもたらして終演となりました。
最後は新潟市ジュニア合唱団です。大人数に圧倒され、数を数えることはあきらめました。ステージ前に指揮者がスタンバイし、7月の定期演奏会で取り上げられた曲の一部が歌われました。
1曲目は、新潟市ジュニア合唱団の定番曲ともいえる「Sing」で、大人数ならではの厚いハーモニーで楽しませてくれました。
2曲目は「大きくなったら」で、年少者の可愛い歌声で始まり、全員合唱となって、楽しく歌って楽しませてくれました。
3曲目は「ドレミの歌」で、定期演奏会で演じられたミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の一場面を再現し、演技を交えて、楽しく演じられ、心もウキウキしました。
人数が減って年長者のみとなり、指揮者はステージに上がって、「女声合唱とピアノのための組曲」から3曲が歌われました。
「川沿いの道にて」は、美しくも力強く、クリアなハーモニーで魅了しました。「夢の意味」は、しっとりと、切々と訴える歌声が胸に迫りました。「夢の名残」は、力強く情熱的に歌い上げ、感動をホールにもたらしてしっとりと終わり、大きな拍手が贈られました。
最後は、全員がステージに上がり、各合唱団の代表により、自己紹介とコンサートの感想、歌った中で一番好きな曲について順に語られました。
そして、オルガン席に濱野さんが登場し、馬場さんの指揮により、エンディング合同合奏として、ラターの「永遠の花」が、オルガンの重厚で穏やかな響きとともに歌われて、大きな感動がもたらされ、目には涙が込み上げてきました。子供たちの歌声に、もはや涙腺崩壊状態となりました。
全員で手を振って終演となりましたが、子供たちの清らかな歌声に魅了され、この上ない感動で胸がいっぱいになりました。
各合唱団とも甲乙付けがたいパフォーマンスであり、大人数の新潟市ジュニア合唱団はもちろん良かったですが、他の小規模な合唱団の透明感のあるクリアな歌声も素晴らしかったです。
いずれの合唱団もハイレベルであり、練習の成果が遺憾なく発揮されていたものと思います。マリンバ演奏など、聴き映えのする演出もあって、大いに楽しませていただきました。子供たちの頑張りにブラボーを贈りたいと思います。
来年は8月30日に燕市文化会館で開催するそうです。県内の少年少女合唱団が集い、交流を深めるこのようなイベントは素晴らしく、子供たちもいい夏休みの思い出になったものと思います。
いい音楽を聴いた喜びとともに、明るい気分でホールを出て、暑さ厳しい白山公園を抜けて、駐車場へと歩きました。
(客席:2階C5-11、無料) |