彗星は主に「ちり」と「氷」で形成されています。彗星は太陽に近づくと、太陽から吹き出している「太陽風」の影響を受けるようになります。太陽風は彗星にぶつかると「ちり」や「氷」を昇華させます。太陽風の圧力で「ちり」や「氷」は太陽と反対の向きに吹き流されちまうわけで・・・。で、これが彗星の「しっぽ」なのですね。つまり進んでる方向の後ろにしっぽが出来る訳じゃなくて、常に太陽と反対の方向ということになります。
ただし太陽風は、太陽から遠ざかれば遠ざかるほど弱くなるため、彗星のしっぽも比例して弱く(少なく)なるのです。綺麗な彗星が見れるってことは、太陽の近くのお星様に生まれたことを感謝せにゃね。
彗星は太陽に近づくと、太陽風によって核の表面のちりや氷が昇華して「コマ」と呼ばれる大気を形成し、明るく発光します。コマの中のガスは太陽からの紫外線などによって電気を帯びた粒子「イオン」に変身し、そのイオンは太陽風の電磁場の影響を受けるため、コマの外へと引きずり出されてしまいます。これが「冷たいイオンの尾」です。
なんだ、一つの尾かと思ったら二つの尾が出てたんだねえ。「ちりの尾」は太陽風の光の圧力によって「なびく」のだけど、「冷たいイオンの尾」は電磁場の影響で「なびく」わけですな。
現在確認されている彗星の数は約900個。そしてその殆どが200年以上の周期の長周期彗星です(有名なハレー彗星は周期76年の短周期型)。昨年訪れた「ヒャクタケ彗星」は、その周期がなんと1万5000年だそうで気が遠くなりました。このような長周期型彗星が、またちゃんと太陽に向かってやってきてくれるかといえば少々疑問なのです。というのも、太陽風が太陽から離れれば離れるほど弱くなるのと同じように、太陽の重力もだんだん弱まっていくからです。彗星に対する太陽の重力が弱まるということは、太陽が彗星を捉える力が弱くなるということです。結果、彗星はその軌道上の近くにある強い重力の惑星などに捕まり易くなります。彗星は進路を変え、新しい軌道を形成するやもしれません。中には長周期型が短周期型に変わってしまうものもあるでしょう。
ともかく、遠くにいってしまった彗星の観測は大変難しく、謎な部分が大半だったりもします。
「ヘール・ボップ彗星」のあとはどんな彗星がやってきてくれるのか、楽しみであります(^^)。 お粗末でしたm(_ _)m