ブラックホールって知ってる?と聞かれたら「もちろん!」て答える方がほとんどでしょう。
光さえ飲み込んで、引き込まれたら二度と出られない。ブラックホールの イメージはそんなところですが(やですね、そんなもんに巻き込まれたら)、 未だに「多分あそこにある」という段階で、実際には目の当たりにされて ないんです。以外でしょ?
一体ブラックホールってなんなんでしょう?ちくとばかしまとめてみやした。


★ブラックホールって???

簡単に言えばブラックホールもお星様です。普通のお星様(例えば地球であり 太陽さんとか)が何で球体を保っていられるのかといえば、重力と圧力が 釣り合っているからなのですね。ところがうんと強い重力を持ってしまった お星様は重力崩壊を起こしてしまうのです。そうなったらさあ、大変!お星様は 球体を保てずにどんどんどんどん縮んでいってしまいます。最終的にただ 一点の、しかし莫大な重力を持つ星になってしまうのです。
つまりそれがブラックホールなのです。

★何で吸い込まれたら出られないの???

ブラックホールの恐ろしい重力は、光すら飲み込んでしまいます。誰もその重力 から逃れられません。おまけに飲み込まれた後どうなるのか、どこへ行くのかも わかっていません。ブラックホールはまだまだ未知の天体なのです。
ブラックホールの中心には「特異点」と呼ばれる密度、重力が無限大の点があり、 ここではすべての方程式、法則が破綻します。その手前には「事象の地平面」が 存在し、ここを越えてしまうとすべてのものは一点にとどまっていることが 出来ずに「特異点」へと引きずり込まれてしまいます。もし、ブラックホールに 出会ってしまったら、「事象の地平面」から先へは決して踏み込まないよう 気を付けましょう(^^)

★いつ出来るの???

ブラックホールが重力崩壊を起こした星の成れの果てだとさっき言いましたが、 ではいつ重力崩壊に突入してしまうのでしょう?
そもそもお星様は生き物です。人間がだんだん年をとって死んでしまうように、 お星様もやがては死んでしまいます。その時太陽の3倍以上の質量を持つ恒星は、 最後に一花咲かせるのです。「超新星爆発」ですね。どかーん。
(注:太陽の3倍以下の質量の恒星は、爆発せずに白色矮星(はくしょくわいせい) になって冷えていくだけなのだ。)
その爆発で星の内部は中心に向かって収縮していきます。あ、重力崩壊です。 ほ〜ら、ブラックホールが出来ちゃった(^^)
ただし、太陽質量の3〜8倍のお星様の場合は超新星爆発で吹き飛んでしまい、 なにも残りません。質量が8〜30倍のお星様は中心に中性子星を形成します。 そして30倍以上のお星様がブラックホールになれるのです。ぱちぱち。

★どこにあるの???

ブラックホールが単独であった場合、観測は難しいのだそうです。一番最初にも 書きましたが、ブラックホールそのものが観測されたことはまだありません。 ブラックホールの「候補」たちが観測されているに過ぎないのです。ではその 「候補」は一体どうして観測され、どこにあるのでしょうか?

一番観測し易いのは、連星系のブラックホール(候補)です。連星系とは太陽のような 核融合を起こして光輝く恒星が複数個、お互いの重力によって引き合い、共通の重心の まわりを回っているもののことです。簡単に言えば太陽さんがいくつも集まっている のですね。恒星の半分以上はこの連星系だそうで、太陽のような単体での恒星はむしろ 珍しいのだそうです。
この、連星系内の恒星一つが超新星爆発を起こし、ブラックホールを形成したとします。 やがてそのご近所の恒星も年寄り化して、赤色巨星(温度が低く、名の通り赤く巨大な 星。オリオン座のベテルギウスさんはこれ)になります。するとブラックホールの 引力圏にまで赤色巨星のガスがひろがり、ブラックホールに引き込まれ始めます。 しかし赤色巨星のガスは回転エネルギーを持っているので、すぐさまブラックホールへ は落ちません。ブラックホールのまわりをぐるぐる回り、降着円盤という 平べったいガスの固まりになっていきます。回っているうちに摩擦で回転エネルギーが 失われ、ブラックホールへと飲みこまれるわけですが、この間ガスは摩擦熱によって 高温になり、X線やガンマ線を放出します。それからまだメカニズムはわかっていない のですが、降着円盤の中心からプラズマの放射ジェットがブラックホールの回転軸に 沿って現れます。つまりこの降着円盤とプラズマジェットのおかげで、地球から ブラックホール(候補)が観測されるわけですね。

現在発見されているブラックホール(候補)は20個を越えます。一番我々に近いものは 3000光年ほどの距離にあります。有名なところでは白鳥座X-1や射手座Aスターや アンドロメダ銀河の中心核などが「ブラックホール以外考えられない」とされています。

★ブラックホールが見つかるまで

ブラックホールの名付け親はアメリカの物理学者ジョン・ホイーラーという人です。
しかしブラックホールの(理論上の)発見者は彼ではなく、カール・シュバルツシルト というドイツの天文学者でした。彼は1916年、アインシュタインの有名な一般相対性 理論の難解にもほどがある方程式を初めて解いた人物ですが、その答えを基にしたら 面白いことがわかりました。空間の一点に集中した物質は、そのまわりに奇妙な 境界面をつくるのです。この境界面より内側にはいると、光ですら脱出できないという 答えです。そう、その境界こそ先に述べた「事象の地平面」であり、彼は理論上とはいえ ブラックホールの存在を予言した偉い人なのであります。

でも当時はまだ、理論上の産物であって実在はしないだろうとされていました。しかし 科学は決して立ち止まりません。やがて1934年、中性子星が理論的に存在 することが提唱されました。その5年後には中性子星の質量には上限があり、それを 越えてしまうとブラックホールになってしまう、ということが明らかになりました。 理論が現実に変わり始めたのは1967年のことです。ケンブリッジ大学の アントニー・ヒューイッシュらのグループが、規則正しくパルスを発信する 天体を発見しました。この天体は「パルサー」と名付けられましたが、実はこれが 中性子星であることが判明したのです。そうです、中性子星は「あった」のです。 さあ、次はブラックホールを探しましょう!てんで探していたら、「らしきもの」 が見つかりました。1971年、X線天文衛星「ウフル」が白鳥座X-1を観測した ところ、この星が強力なX線を放ち、また質量が太陽の数倍以上でありながら非常に 小さいものであることがわかりました。初のブラックホール候補の発見です! (しかし実はブラックホールは1918年にすでに観測されていました。M87銀河の 中心の光ジェットがブラックホールのプラズマジェットだと判明するまでには ずいぶん時間を要しましたが。)

その後も観測技術は進歩を続け、現在ではハッブル宇宙望遠鏡などによる詳細な 映像により、ブラックホールはまず間違いなく存在する、とされています。 多くの偉大なる科学者たちに敬意を表して、拍手!パチパチパチパチパチ・・(^^)


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