チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団
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2019年2月11日(月・祝) 14:00 新潟県民会館 大ホール
 
指揮:レオシュ・スワロフスキー
チェロ:マシュー・バーリー
 



スメタナ:交響詩「わが祖国」より "モルダウ"

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104

(ソリストアンコール)
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より サラバンド

(休憩20分)

ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」

(アンコール)
ドヴォルザーク:スラブ舞曲第15番

 りゅーとぴあが改修工事中ということもあってか、このところ大型の公演はなく、久しぶりのオーケストラ公演です。私は久しくコンサートから遠ざかってしまい、昨日のジュニアコーラス・フェスティバルで漸く冬休み明けというのが実情です。春に向けて、錆付いたエンジンを調整していかねばと思います。

 今日のコンサートはブルノ・フィル。毎年恒例の東欧オケによるコンサートです。演目はお決まりの「モルダウ」、「ドボコン」、「新世界」。新味はありませんが、王道を行く、このお決まりの演目こそが東欧オケの楽しみであり、喜びでもあります。何度聴いても楽しめるのが名曲中の名曲の証であり、毎回新たな発見もあります。

 さて、私がブルノ・フィルを聴くのは、2007年11月2011年10月以来、3回目となります。指揮は前回同様のスワロフスキー。今日は2月9日から始まった日本ツアー全11公演の3日目に当たります。どんな演奏で楽しませてくれるでしょうか。


 昨日までの雪模様から一転して、今朝は起きたら青空が見えていて、束の間の冬の晴れ間です。某所で昼食を取り、穏やかな天候の中、県民会館に到着。すでに開場が始まっており、私も入場しました。客の入りとしましては、ほどほどというところ。馴染みやすい名曲コンサートですので、もう少し若い人たちに来てほしかったです。

 拍手の中、団員が入場。最後にコンマスが入場し、大きな拍手が贈られました。指揮者が登場し、「モルダウ」で開演しました。
 柔らかな弦の響きが耳に優しく、濁りのないハーモニーに、オケの素性の良さが感じられました。湧き出た水がせせらぎとなり、谷を下って平野へ。川辺の村では村人がダンスに興じ、やがて川は海へと注ぎます。こんな風景が眼前広がる雄大な音楽が奏でられました。何ら淀むことのない音楽の流れに身を任せました。

 続いてステージに演奏台が設置され、チェロ協奏曲です。ソリストのバーリーは初めてですが、イギリス出身で、モスクワ音楽院で学んだそうです。演奏は洗練された上品さが漂い、美しくメロディを歌わせました。荒々しさは感じさせず、のどかなボヘミアの風景を想起させました。拍手に応えて、アンコールにバッハの無伴奏チェロ組曲を演奏し、うっとりと感動に浸って休憩に入りました。

 後半は「新世界より」です。これはもう手馴れたもの。何も言うことのない本場ものの音楽です。これぞ「新世界」という圧倒的な演奏に、聴きほれるばかりでした。

 アンコールは当然ながらスラブ舞曲。2007年のときと同じ15番でした。華やかに演奏して、観客を高揚させて終演となりました。

 曲目はまたかいう感じでしたが、本場のオケが演奏する本場の音楽は、説得力があり、曲のあるべき姿を知らしめてくれます。理屈抜きに楽しめた良い演奏だったと思います。
 前回は楽章間に拍手がありましたが、今回はありませんでした。コンサート慣れした人ばかりなのでしょうか。コンサートデビューするにはちょうど良い演目ですので、もっとたくさんの人に聴いてもらいたいですね。

 外に出ますと、ぱらぱらと雨。好天は長続きしませんね。冬ですから仕方ないでしょうけれど・・。

 

(客席:2階4-29、A席:会員割引¥6300)