新潟市ジュニアオーケストラ教室第37回演奏会 
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2018年9月16日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:藤井裕子(A合奏)、永峰大輔(B合奏)
 
(ロビーコンサート)
1.金管ファンファーレ
   藤井裕子:Fanfare 2008 renewal version
2.弦楽アンサンブル
   エルガー:愛の挨拶
3.木管五重奏
   ファルカシュ:「17世紀の古いハンガリー舞曲」より V.サルタレロ
4.フルート・アンサンブル
   ボザ:「夏山の一日」より 第1楽章 ロンド
5.金管十重奏
   スザート:「ダンスリー」より IV.バス・ダンス
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A合奏(指揮:藤井裕子)
  ウッドハウス:ペザント・ダンス
  スコット(ウッドハウス編):アニー・ローリ
  ドウ(ペリー編):フォーク・ダンス・ロンド

B合奏(指揮:永峰大輔)
  グリーグ:「ペールギュント」第1組曲 作品46、第2組曲 作品55
    1.イングリッドの嘆き 2.山の魔王の宮殿にて 
    3.オーセの死 4.朝 5.アラビアの踊り 6.アニトラの踊り
    7.ペール・ギュントの帰郷 8.そるヴェーグの歌

(休憩15分)

  ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1919年版)
     1.序奏 2.火の鳥とその踊り
     3.火の鳥のヴァリエーション 4.王女たちのロンド
     5.カスチェイ王の魔の踊り 6.子守歌 7.フィナーレ

(アンコール)
  エルガー:「威風度々」第1番
 

 今年もこの日がやってきました。1年間この日のために歯を食いしばり頑張って生きてきました。毎年万難を排して休むことなく聴いてきました。昨年は出張先から台風で欠航寸前の飛行機で駆けつけました。
 毎年同じことを書いていますが、ウィーンフィルが来ようが、ベルリンフィルが来ようが、私はジュニアオケを選びます。そんな気持ちにさせるほどの魅力をジュニアオケは持っています。私の生きる源と言っても過言ではありません。特にアンコールには泣かされます。
 こう書いているだけでも胸の鼓動は高鳴ります。こんな気持ちになるのは決して私だけではないものと思います。音楽は演奏技術がすべててではなく、演奏者の音楽に向き合う心が大切だと思います。甲子園で全力で戦う高校球児の如く、ひたむきに音楽に取り組む姿はプロにない魅力があります。

 全国に数あるジュニアオケのほとんどは、楽器経験者をオーディションで選んで編成しています。それでうまいのは当たり前。それに反して新潟は、楽器初心者から受け入れて、単科教室からA合奏、そして上級のB合奏へと進みます。それで「ジュニアオーケストラ教室」としているわけですが、このシステムも全国に誇るべきものと思います。

 第30回演奏会の「伝説のチャイ5」をはじめ、これまで数々の名演を聴かせてくれたジュニアオケですが、今回のメインはなんとストラヴィンスキーの「火の鳥」です。ついにここまで足を踏み入れたかという感じですね。次はマーラーかブルックナーかと妄想は膨らみます。

 さて、今年のジュニアオケの指揮者ですが、A合奏の藤井先生は不動ですが、B合奏は昨年まで松村秀明先生でしたが、今年のスプリングコンサートから永峰先生に変わりました。これまで以上に輝きのある演奏を引き出してくれましたので、今日もどんな演奏を聴かせてくれるでしょうか。

 ということで、今日は某温泉で体を清めてコンサートに臨みました。上古町の楼蘭でいつもの冷やし中華大盛りを食べ、気合を入れて、りゅーとぴあの開場待ちの列に並びました。
 開場後、いつもの2階Cブロック前方に席を取り、ロビーコンサートを聴くべく3階のバルコニーに行って開演を待ちました。

 いつものようにファンファーレで開演し、以後、弦楽アンサンブル、木管五重奏、フルート・アンサンブル、金管十重奏の順に手際よく演奏が進められました。
 毎度ながら、いずれも素晴らしいアンサンブルで、個々の演奏技術の高さが伺われました。残響豊かにこだまする音楽に、本番を前にして満足感を感じました。

 時間となり、いよいよ本公演の始まりです。最初はA合奏です。ここ数年、初級者であるはずのA合奏のレベルアップに驚かされていますが、今日の演奏もしっかりと仕上がっており、オーケストラとしての楽しみが存分に伝わってきました。いい演奏でした。最後は全員で礼をしたのも良かったですね。

 ステージが整えられ、いよいよB合奏です。まずは「ペールギュント」第1・第2組曲です。組曲の順ではなく、実際の物語の順に演奏されました。
 なかなか聴き応えのある仕上がりで、特に弦楽合奏の美しさには驚きました。こんなに美しいアンサンブルは、新潟のオケでも最高ではないかと思うほどです。管も打楽器も負けてはおらず、強奏部の休止の切れの良さはお見事。「オーセの死」や「ソルヴェイグの歌」は切々と心に響き、ジュニアのレベルをはるかに超えていました。後半を待たずにもう満足という気分でした。

 そして休憩後は、いよいよメインの「火の鳥」です。重厚な低弦の調べに乗って、物語が始まりました。前半同様に弦楽合奏の美しさが光りましたが、他のパートもすばらしく、それぞれが実力を発揮し、見事な演奏でした。
 もちろん多少のミスはありましょうが、これがジュニアとは信じられないほどでした。若さに溢れ、生き生きとした色彩感を感じさせました。立ちはだかる壁をものともせずに、全力で立ち向かい、やすやすと乗り越えていくさまは爽快ですらありました。湧き上がる青春の息吹きから力をもらいました。こんな演奏ができるなら、次は「春祭」にも挑戦できるんじゃないでしょうか。

 アンコールはもちろん「威風堂々」。これを演奏して高校3年生は卒団します。万感の思いで演奏し、聴く方にもその思いが伝わってきます。演奏が始まるとともに目には涙が込み上げ、後半のオルガンが出てくるところでは感動を押さえ切れなくなります。
 ああ、今年も泣いてしまいました。この曲は先月、東響の演奏で聴いたばかりですが、そのときの何倍も感動しました。この曲に関しては東響の完敗です。

 最後はA合奏同様に、全員で礼をしてコンサートは終演となりました。コンマスだけの礼でなく、全員というのは良いですね。いい音楽を聴いた感動と満足感を胸にホールを後にしました。

 さて、毎年メンバーが入れ替わるのが宿命のジュニアオケですが、今年は指揮者が代わってオケの音色に若干の変化を感じました。どこか明るくなったといいますか、パワーを増して元気さを感じました。緻密さ、繊細さを磨き上げれば更なる高みに駆け上がって行くものと思います。これから永峰先生の下で、どんな進化を遂げていくのか見守りたいと思います。

 音楽は演奏技術が全てではありません。プロオケからはもらえない感動をジュニアオケからはもらえます。これから1年、次の演奏会を聴くことを楽しみに生きていきたいと思います。
 
 

(客席:2階C3-7、会員割引:\630)