私が1年で最も楽しみにしているコンサートです。ベルリンフィルが来ようが、ウィーンフィルが来ようが、私はジュニア・オケを選びます。という気概で臨んでいます。プロにはない魅力があふれ、虜にされています。今日も、台風迫る中、出張先から欠航寸前の飛行機で駆けつけました。まさに万難を排しての参加です。
上古町の「楼蘭」で大好きな冷やし中華を食べ、久しぶりのりゅーとぴあに行きました。改修工事の長期休館後、初めてです。やはり、ここが私のホームグランド。気持ちが落ち着きます。
開場待ちの列に並びましたが、開場時間間際ながらも例年より列が短くて、ちょっと意外でした。2階正面前方に席を取り、ロビコンを聴くために、いつもの3階バルコニーに向かいました。
階段に並んだ金管と打楽器によりファンファーレが演奏され、残響豊かなホワイエに響き渡る音楽に、コンサートへの気分が盛り上がりました。
軽快なフルートアンサンブルの後は、弦楽合奏による演奏。すべてがピチカートによる曲でしたが、アンサンブルの素晴らしさに驚きました。さすがにジュニアオケですね。
ホールに戻りますと、やはり例年より客は少なく、いつもは混んでいる1階席前方の空席が目立ちました。2時となり、いよいよ本プログラムの開演です。
最初は藤井さんの指揮による初級のA合奏です。弦の数が少なく、ヴィオラがいなかったりしますが、チェロは5人いて、フルートやクラリネットは5人いたりして、バランスが悪い編成ですが、音としては良かったです。
最近のA合奏のレベルアップは目を見張りますが、今回もなかなか良いサウンドを聴かせてくれました。十二分に楽しませていただきました。
そして続いては、松村さんの指揮によるB合奏です。編成も普通のオケになり、チューニングの音からして違いを見せ付けてくれます。指導の先生方も一部参加されており、お馴染みの方々がジュニアの中に入って溶け込んでおられました。
B合奏の前半はショスタコーヴィチの洒落た曲です。さすがに上級者だけあって素晴らしいアンサンブル。性格の違う各曲を見事に弾き分け、楽しませていただきました。
そして後半は注目されていたチャイコフスキーの5番です。この曲は2011年9月の第30回演奏会で演奏され、伝説の名演として以後語り継がれています。あれから6年が経ち、メンバーは入れ替わり、全く別のオケとなっていますが、どんな演奏を聴かせてくれるかが楽しみでした。
今年の新潟は「チャイ5」の演奏が続き、6月に北区フィルの定期演奏会での演奏を聴いたばかりですが、10月8日にもぎオケ、9日にロンドンフィルと2日続けて演奏され、11月12日はロシア国立響、12月9日には新潟大学管弦楽団と、これでもかと続きます。偶然なんでしょうが、どうしたことなんでしょう。(同じように、今年は「英雄」の演奏も多いです。)
さて、演奏は期待にたがわぬもの。冒頭の暗いロシアのイメージがきれいに表現され、本日の名演が確信されました。第2楽章冒頭の長大なホルンソロとそれにつながるクラリネットソロも頑張ってくれました。柔らかな第3楽章のメロディーをきれいに奏で、第4楽章は大爆発しました。ジュニアならではの情熱とパワー。これで卒団するメンバーの思いも載せて、感動と興奮のフィナーレへと駆け抜けました。
感動に満ちたホールに拍手が響き渡り、アンコールはもちろん「威風堂々」。オルガン席に照明が付けられると既に胸が高鳴ってきます。1階席後方で聴いていたパーカション指導者のHさんもステージに上がっておられました。
演奏は何もいうことはありません。演奏以上の感動がここにあります。これを聴くために私は1年生きています。ストレスたっぷりな毎日ですが、この演奏を聴くと、来年まで頑張ろうという元気をもらいます。
実は、今日で松村先生は最後なんだそうです。新たな指導者は誰なのか、次はどんな曲を、どのように演奏してくれるか楽しみにして、lこれからの1年を生きていきたいと思います。
(客席::2階C2-9、会員割引:\630) |