オーケストラはキミのともだち
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2018年8月4日(土) 11:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮・話:飯森範親
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:水谷 晃
 


バデルト:「パイレーツ・オブ・カリビアン」メドレー

小室昌広編:ディズニーのメロディによる管弦楽入門
        (ナレーション:榎本広樹)

宮川彬良:シンフォニック・マンボNo.5

ビゼー:歌劇「カルメン」より 第3幕への間奏曲

オッフェンバック:喜歌劇「天国と地獄」序曲より カンカン

シュトラウスU世:トリッチ・トラッチ・ポルカ

アンダーソン:ワルツを踊る猫、フィドル・ファドル

エルガー:行進曲「威風堂々」第1番 ニ長調
       (オルガン:山本真希)

(アンコール)
久石 譲:「天空の城ラピュタ」より 君をのせて




 

 昨年まで新潟市の小学校5年生全員は、りゅーとぴあに招待され、東京交響楽団の演奏を聴くという「わくわくキッズコンサート」が毎年秋に開催されてきました。一流のオーケストラ演奏を、学校の体育館でなくコンサートホールで聴くという貴重な機会であり、私の娘たちも感動して帰ってきていました。
 東京交響楽団の皆さんは日曜日の新潟定期演奏会から水曜日まで新潟に泊り込んで何回もの公演をするという大きなイベントになっていました。
 当初は子供たちだけのコンサートでしたが、その後一般人も特別割引の低料金で聴ける「りゅーとぴあ特割コンサート」の枠が作られ、私も2011年11月に1回だけ聴いたことがありました。

 この素晴らしい企画が新潟市の財政難から今年から中止されてしまいました。これに代わるものとして、ほぼ同じ内容のコンサートを有料で開催するというのがこのコンサートです。
 「子どものための芸術文化体験事業」という名目ですが、昔は子どもだった私も聴かせていただくことにしました。11時半と15時の2回公演ですが、11時半の公演に参加しました。

 白山公園駐車場は午前というのに満車。交通整理の職員も大変そうでした。盛況で何よりです。ホールは家族連れで賑わっており、子どもたちがたくさん来てくれて良かったです。

 開演時間となり団員が入場。いつもの新潟定期方式ではなく、団員はすぐに着席しました。オケの配置は、ヴァイオリンが左右に分かれ、コントラバスとチェロが左、ヴィオラが右の対向配置です。飯森さんの時はいつもこの配置です。コンマスは水谷さん、次席は廣岡さんです。

 開演に先立ち新潟市長の挨拶があり、その後チューニングとなりました。飯森さんが登場して「パイレーツ・オブ・カリビアン」で開演しました。さすがに大編成のオケは迫力十分。子どもたちも圧倒されたのではないでしょうか。

 続いて、なんと榎本さんのナレーションに乗せて「ディズニーのメロディによる管弦楽入門」です。ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」へのオマージュ的な作品です。最後のフーガなどはブリテンそのものです。楽しく聴かせていただきました。

 次は宮川さんの「シンフォニックマンボ No.5」。ベートーヴェンの交響曲第5番とマンボNo.5を融合させた楽しい曲で、宮川さんの才能を再認識しました。

 次いで「カルメン」の間奏曲でのフルートに魅了され、「天国と地獄」で爆発して盛り上がりました。「トリッチ・トラッチ・ポルカ」を猛スピードで演奏し、「ワルツィング・キャット」を可愛らしく、「フィドル・ファドル」を軽快に演奏して楽しませてくれました。

 そして最後は「威風堂々」。オルガンの山本さんを紹介するときにバッハのトッカータとフーガの冒頭を演奏してくれて、子どもたちにパイプオルガンの素晴らしさを伝えてくれました。
 この曲は新潟市ジュニアオケの定期演奏会のアンコールで毎年演奏され、私の生きがいになっていますが、その感動を呼び起こす演奏でした。ただし、演奏技術は当然東響が何倍も上ですが、個人的な感動としてはジュニアに及ばないです。9月のジュニア・オケの定期演奏会が楽しみになりました。

 アンコールに「君をのせて」を爽やかに演奏して終演となりました。子どもたちは楽しんでくれましたでしょうか。昔の子どもは楽しめましたが・・。

 昔は東響によるファミリー向けのコンサートがあり、我が家も家族で聴きに来る機会がありましたが、そういうファミリーコンサートなくなって久しいです。今後家族向けの企画が増えると良いですね。

 今日のコンサートは15時からも2回目が行われます。盛況となりますことを祈ります。たくさんの子どもたちがオーケストラの友だちになってくれますように・・・
 

(客席:2階C3-11、¥1500)