フジコ・ヘミング & ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団
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2017年11月18日(土) 15:00  新潟県民会館 大ホール
 
指揮:マリオ・コシック
ピアノ:イングリット・フジコ・ヘミング
 


J.シユトラウスU:「こうもり」序曲

リスト:ピアノ協奏曲第2番

 ラフマニノフ:前奏曲 ト長調 Op.32-5
 リスト:ラ・カンパネラ

(休憩15分)

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

(アンコール)
 ブラームス:ハンガリー舞曲第5番、第6番

 

 今週は冷たい雨が降り続き、少し青空が見えたかと思うと、すぐに鉛色の空が広がります。新潟平野を取り囲む山々には雪が降り、明日は平野部でも降雪が予想されています。今日も雨模様で、心も晴れません。

 今日はフジコさんのコンサート。チケットは完売となり、人気のほどがうかがわれます。正直申し上げて、私はフジコさん目当てではなく、ブダペスト・フィルを聴くのが目的です。
 これまでフジコさんのコンサートは、2004年7月(ベルギー国立管弦楽団)、2006年11月(モスクワ・フィル)、2007年6月(スペイン国立放送交響楽団)と3回聴いており、今回は10年振り4回目となります。

 フジコさんはかなりお年を召されたはずですか、活発な演奏活動には感服します。毎回いろんなオケと共演されますが、今回のオケのブダペスト・フィルはこれまで聴いたことがありませんでしたので、チケットを買った次第です。

 雨が降り続く中、県民会館に到着。開演まで時間がありましたので、りゅーとぴあのロビーで、コンサートホールから漏れ聴こえる合唱をしばし聴き、おもむろに県民会館に移動して開演を待ちました。

 チケット完売だけあって、満席の客席は壮観です。おそらくはフジコさん目当ての人たちが多数を占めると思われ、いつものオケの客層とは異なるようですが、たくさんの人がクラシックコンサートに足を運んでくれることは素晴らしいですね。願わくは、フジコさんや辻井さんのときだけでなく、東響定期など、他のコンサートにも足を運んでもらいたいものです。

 拍手の中団員が入場。オケはステージの後方に配置され、通常のコンサートより2〜3mは後ろに下がっているのではないでしょうか。弦5部は、12-10-8-6-5と小型の編成です。中央にはすでにピアノがセットされていました。

 コシックさんが登場して最初は「こうもり」序曲です。軽快に始まり、オケの音色も申し分ありません。この曲はつい先日の10月29日にハンガリー国立歌劇場の公演で聴いたばかりですが、どこか似たような印象が・・・。
 実はハンガリー国立歌劇場管弦楽団の選抜メンバーがブダペスト・フィルを名乗ってコンサート活動をしているのだそうです。ちょうどウィーン国立歌劇場管弦楽団とウィーン・フィルとの関係と同じだそうです。
 ということは、ハンガリー国立歌劇場としての全国公演が終わった後、オケがブダペスト・フィルとして公演を続けているということでしょうか。ご苦労なことですね。
 それはさておき、演奏は良かったです。オケの水準の高さは十分に感じさせる切れのある小気味良い演奏でした。

 続いて、ゆっくりとした足取りでフジコさんが登場してリストのピアノ協奏曲第2番です。この曲は2004年7月の公演でも演奏されています。協奏曲では珍しく譜メクリストの男性を従えています。
 演奏は悠然としたもので、人生の年輪を感じさせるものでした。楽譜を見ながらゆっくりと演奏し、独自の音楽世界を展開していました。先ほどは軽快に飛ばしていたオケもフジコさんに優しく寄り添うようにゆったりと演奏していました。ピアノとオケがせめぎ合うという緊張感は無く、柔らかな、ほんわかとしたロマン溢れる音楽を生み出していました。もともとこの曲は単一楽章で、協奏曲的味わいが少ないので、これはこれで良い演奏だったと思います。

 通常のコンサートですと、ここでソリストアンコールとなるのでしょうが、この公演は初めからラ・カンパネラがプログラムに載っていました。
 フジコさんの挨拶の後、プログラムには無かったラフマニノフのプレリュードとコンサートの売りにもなっているラ・カンパネラが続けて演奏されました。フジコさん=ラ・カンパネラですので、何もいうことはありません。この曲一筋的なパワーが感じられます。音楽は演奏技術だけではないことを示してくれます。
 後半のベートーヴェンも素晴らしい演奏なので、大きな拍手を贈ってほしいというフジコさんの挨拶があって休憩に入りました。

 後半は「英雄」です。小編成のオケが機動力を発揮し、速めに軽快に演奏が進みます。エネルギー感、躍動感にあふれ、心躍るような演奏でした。第2楽章も暗くならず、第3楽章、第4楽章とエンジン全開に突進し、興奮のフィナーレを迎えました。
 と書きたいところだったのですが、いつものコンサートの客層と異なりますので予想されたことではありますが、各楽章間には盛大な拍手が起こり、演奏の余韻が寸断されたのが残念でした。そんな文句を言っているのは私くらいのようで、皆さん真剣に聴き、一生懸命拍手しておられました。
 この曲は、7月29日にチョン・ミョンフン&東京フィルで聴いたときの感動が記憶に残っていますが、この演奏もいい演奏だったと思います。ちなみに12月4日の東響新潟定期(指揮:ノット)で演奏されます。同じ曲が続くときは続きますね。

 アンコールはハンガリーのオケということもあってかハンガリー舞曲を2曲。ここでも今日の聴衆はお見事でした。ハンガリー舞曲第5番では手拍子が始まりました。まるでニューイヤーコンサートのラデツキー行進曲のようで、手拍子を躊躇した私はアウェイ感を感じました。
 この演奏も良かったです。軽快にバシッと決めて、まさに踊りたくなるような躍動感溢れる演奏に気分も爽やかになりました。

 外に出ますと音楽の感動を冷ます様に氷雨が降り続き、アルビレックスJ2降格のニュースが伝えられました。気分は晴れませんが、元気出していきましょう。

 

(客席:2階3-42、S席:会員割引¥10800)