東京交響楽団第102回新潟定期演奏会
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2017年9月24(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:ヘルマン・ボイマー
トランペット:マティアス・ヘフス
コンサートマスター:水谷 晃
 

 
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」

(休憩20分)

ケルシェック:ラッパ達が鳴り響く(日本初演)

(アンコール)
  ホートン:6重奏曲から 第1楽章

ヤナーチェク:シンフォニエッタ

 りゅーとぴあの改修工事に伴い、4月23日以来5ヶ月ぶりの新潟定期です。休館の分を取り戻すため、これからコンサートラッシュが始まります。

 本来なら13時からの東響新潟定期の日に恒例の東響ロビーコンサートも聴くのですが、今日は業務上の講演会に出席せねばならず、断念せざるを得ませんでした。今日はホルンセクションの出演でしたが、きっと素晴らしい演奏で楽しませてくれたことでしょう。

 今日の定期公演は、昨日の川崎名曲全集第129回と同じ内容であり、目玉はトランペットの饗宴です。多数のトランペットのバンダが登場することがアナウンスされており、どんな演奏になるのか期待が膨らみました。
 特に日本初演の「ラッパ達が鳴り響く」が注目されます。前日に川崎で演奏された後ですので、残念ながら本当の日本初演ではありませんが、2番目ではありますし、どんな曲かも気になります。そして、トランペットの名手・ヘフスがどんな演奏を聴かせてくれるかも楽しみです。
 ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」も楽しみです。トランペットのバンダが多数必要なためもあってか、生演奏を聴く機会がほとんどありません。新潟では、2014年12月の新潟ウインドオーケストラ第54回定期演奏会で演奏されており、13人のバンダの迫力が記憶に残っています。今後聴く機会はないかも知れず、東響定期ならではの演目と思われますので、期待が高まりました。

 そして、もう1曲はお馴染みの「新世界より」です。通常はメインの演目であり、後半に演奏されるのが普通と思いますが、今回は前座として前半で演奏されます。
 この曲は、今年1月にNHK交響楽団、7月に新潟大学管弦楽団で演奏されていますし、同じく7月に山形交響楽団が第4楽章のみですが演奏しています。さらに年末にはキエフ国立フィルで演奏されます。
 名曲中の名曲であり、何も定期演奏会に取り上げなくてもと思いますが、2007年5月の第41回新潟定期以来10年半ぶりですから、ちょうど良い時期かもしれません。まあ、集客増には欠かせない曲ですし、聴き比べという意味でも楽しみにしましょう。
 
 さて、今日は朝から隣の県民会館で開催された講演会に参加。夕方までたっぷりと勉強し、疲れきった頭と体で東響定期に臨みました。久しぶりに座るいつもの席。何故かほっとします。何せ102回も同じ席で聴いてますものね。
 ステージ右手にはチェンバロが置かれ、開演間際までチューニングしていました。前半は「新世界」ですからチェンバロはないはずですので、後半に向けての準備なのでしょう。

 拍手の中に団員が入場。オケはヴァイオリンが左右に分かれ、コントラバスとチェロが左、ヴィオラが右の対向配置です。そして、今日のコンマスは水谷さんです。

 ボイマーさんが登場して開演しましたが、出だしのホルンで今日の名演が確信されました。ティンパニの大きな音に一瞬びっくりしましたが、早目のテンポで軽快に演奏が進みました。第2楽章のイングリッシュ・ホルンがちょと枯れた感じでしたが、演奏は美しかったです。第3楽章、第4楽章はアタッカで突進し、新大陸の広大な大地をスポーツカーで疾走するかのような爽快感を感じる演奏でした。燃える演奏に気分も高揚し、これで終演でも良いような満足感を感じました。

 休憩後は、ヘフスさんが登場して「ラッパ達が鳴り響く」です。トランペット協奏曲的な曲なのでしょうが、独奏トランペットのほかに、バンダの9本のトランペットが大活躍しました。1階席右手、2階席の両サイドと後方にトランペットのバンダが出て、サラウンド状態。音響的にも楽しめました。
 1年前の2016年9月26日に初演された現代曲ですが、馴染みやすい曲でした。初演のトランペットソロもヘフスさんでしたので、慣れたものかもしれません。3種類のトランペットを吹き分け、多彩な音色を作りだして、超絶技巧で魅了しました。
 幽玄な音色で始まり、途中から軽快なマーチ風になり、その後はジブリ映画の久石譲の音楽のように親しみのあるメロディを壮大に演奏したかと思うと、突然ロック風になって、チェンバロの乱れ弾きとなり、大きく盛り上がったときに総休止となり、大きなフライング拍手が起こりました。
 ここでバンダのトランペット9人がステージに上がって演奏が続き、最後はバンダの9人、オケの2人、そしてヘフスさんの総勢12人のトランペットがステージ前方に横1列に並んで、迫力あふれるファンファーレを奏でて終演となりました。
 曲も、演奏も、音響的にもすばらしく、贅沢なひと時でした。この曲は今後二度と聴く機会はないと思われますが、いい体験ができて良かったです。

 大きな拍手に応えて、12人のトランペットで6重奏曲が演奏されましたが、これもすばらしいものでした。これで終わりでも良いくらいに盛り上がりましたが、この後に「シンフォニエッタ」が控えていました。

 興奮を鎮めるかのようにステージが整えられ、ヘフスさんも加わって、総勢13人のバンダ(トランペット9、バス・トランペット2、テナー・テューバ2)がステージ右奥に並びました。
 バンダの大ファンファーレで始まって、途中は多彩な曲調で彷徨いますが、最後は再び冒頭のファンファーレで華やかに〆てくれました。
 多数のバンダが必要であり、エキストラの皆さんも大活躍でしたが、これだけたくさんのトランペット奏者を集めるのも大変だったのではないでしょうか。

 東響定期でもなければ決して聴けない曲を聴けて良かったです。曲も演奏も満足できました。トランペットの魅力を存分に、お腹いっぱいに堪能できました。今年のベストコンサート候補に挙げるべき内容だったと思います。

 朝からスケジュールいっぱいで、疲れた1日でしたが、疲れも吹っ飛ぶ感動に、気分も軽やかに家路に着きました。
  

(客席:2階C*-*、S席:定期会員 ¥5670)