山形交響楽団新発田公演
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2017年7月30日(日)16:00 新発田市文化会館 大ホール
 
指揮:永峰大輔
ナビゲーター:爆笑コメディアンズ
 
第1部 〜シネマ・イン・クラシック〜

 グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

 グリーグ:劇音楽「ペールギュント」第1組曲 より 「朝」

 バーバー:弦楽のためのアダージョ

 シューマン:トロイメライ(管弦楽版)

 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」第4楽章

(休憩15分)

第2部 〜爆笑コメディアンズの「運命」大解剖!〜 

 ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」

(アンコール)
 ビゼー:アダージョ
 

 昨夜は長岡で東京フィルによるベートーヴェンを聴いてきたばかりですが、今日は新発田で山形交響楽団です。違うホールで違うオケを連続して聴けるというのは良いですね。

 山形交響楽団はこのところ新発田市と密接な関係を持ち、2年前から夏に来演しています。昨年の2016年7月には山下一史さんの指揮で「田園」が演奏され、2015年8月には大井剛史さんの指揮で「ベト7」が演奏されています。そして、3年目の今日は「運命」と、ベートーヴェン・シリーズが続きます。

 前半のプログラムはシネマ・イン・クラシックというテーマで名作映画に使われた名曲が演奏され、なかなか良い趣向だと思いますが、映画の選定や選曲が一般的とは思えず、ちょっと疑問を持ちながら聴きに行くことにしました。2000円と低料金でもありますし・・・。

 今日も新潟は梅雨明けせず、どんよりとした曇り空の日曜日となりました。4時開演ですので、家でゆっくりした後、おもむろに家を出て、新新バイパスを一路新発田へと快適に進みました。

 ホールに着きますと、すでにたくさんの人たちでロビーは賑わっていました。開場時間となって入場しましたが、館内は階段だらけで、客席表示が分かりにくいのが、このホールの難点です。複雑な館内構造が災いしているものと思います。椅子の背もたれが低いのも気になりますが、扇形に広がるこのホールの雰囲気は好きです。

 開演時間となり、団員が入場。編成は小さく、弦5部は、私の目視で、8ー6ー5ー5ー3で、コントラバスとチェロが左、ヴィオラか右の対向配置です。

 永峰さんが登場して、「ルスランとリュドミラ序曲」で開演しました。きびきびと動き回り、小気味良い演奏で、アンサンブルも良く、オケの質の高さが伝わりました。

 ここでナビゲーターの爆笑コメディアンズの二人が登場。吉本所属のお笑い芸人ですが、これまで存じ上げませんでした。新潟での知名度は低いですが、仙台・山形方面では活躍されているようです。
 クラシック好きの秀作さんと初心者の半澤さんの軽妙なトークにより、楽しく曲目解説しながら演奏が進められました。有名な名曲の数々が、素晴らしい演奏で楽しませてくれました。

 後半は、「運命」の解説と全曲演奏です。爆笑コメディアンズの二人のトークに指揮の長峰さんも加わって、面白おかしく「運命」に隠された秘密が解き明かされました。部分演奏を交えて、興味深く曲が解説され、非常に楽しめました。
 その後の演奏もお見事。小編成のオケならではの軽快さと機動性が発揮され、生き生きとした、色彩感ある演奏に仕上がっていました。全体に速めに飛ばし、精神的高揚感を生み、気分爽快に感じました。
 アンコールをしっとりと演奏し、極上のデザートのプレゼントをいただき、終演となりました。

 前日の東京フィルに決して引けを取らない山響の皆さんの素晴らしい演奏に感動しました。オケの音色としましても、山響の方がきれいに感じました。これで2000円というのはお徳です。

 そして、今日のコンサートを盛り上げた爆笑コメディアンズの二人も賞賛すべきでしょう。秀作さんは芸人の中で一番クラシックに詳しいと自己紹介していましたが、プロフィールの記事でも、趣味・特技がクラシック音楽解説とトロンボーン演奏とありました。
 台本もしっかりしているのでしょうが、解説の仕方がお見事で、話し振りからクラシックに詳しいことがすぐに分かりました。半澤さんとのやり取りも楽しく、長峰さんを巻き込んでのトークが楽しかったです。

 最初は、クラシックコンサートにどうしてお笑い芸人が出てくるんだろうと危惧したのですが、全くの杞憂であり、コンサートの成功を生んだ立役者ともいえましょう。話し振りも、話の内容も全く嫌味がなく、高感度満点でした。素晴らしい芸人に羽ばたいてほしいですね。

 ロビーでは山響のCDのほか、コンサートのチケットも販売されていました。行きたいのは山々ですが、山形までは行けないですものねえ・・。誰か買いましたでしょうか?
 

(客席:A-11-17、¥2000)