東京交響楽団 第41回新潟定期演奏会
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2007年5月20日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館コンサートホール
 
指揮:飯森範親
コンサート・マスター:大谷康子
アコーディオン:coba、パーカッション:仙道さおり
 
 
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」作品9

coba:agua monegros
    
eye
    アコーディオン カホン オーケストラのための森の連鎖によるUrbs

  (アンコール)
   
coba:ヴィーナスの誕生〜ピアソラ:リベルタンゴ

(休憩20分)

ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界より」

 
 

 ようやく東響新潟定期の2007年度シーズンの開幕です。今年から年6回公演となり、チラシも昨年度の単色刷の安っぽいものから、まともなものになりました。すこし惨めでしたからね。今日の公演は新潟市の政令指定都市移行の記念公演とされ、新潟に縁のあるcobaの出演や「新世界」という聴きやすい曲ということもあってか、早々にチケットは完売となっていました。最近では珍しいですね。ぎっしりと満席の客席は気持ちいいです。今日のコンマス(コンミス)は大谷さんであり、これも期待を持たせます。

 最初はベルリオーズ。東響の弦の音が美しく、柔らかな心地よいサウンドを聴かせてくれて、今日のコンサートの成功を予感させてくれました。流麗な音楽に早くも心を奪われました。
 次にcobaが登場して3曲演奏しました。この時だけPAが使用され、アコーディオンだけでなく、オケの中にもマイクが配置されていました。アンプを通した音は少し違和感がありましたが、増幅されたアコーディオンの音はパイプオルガン並みの迫力があり、低音もよく響いていました。曲は比較的聴きやすいものでしたが、現代音楽的な響きが随所に現れ、ポピュラー音楽とは一線を画する重厚な前衛的な響きで、聴き応え十分でした。3曲目にはショートパンツ姿の女子高生風の若い女性が登場し、ビックリしてしまいましたが、この女性がパーカッションの仙道でした。生足に膝までのソックスが艶めかしくも感じられました。四角い箱に座って出番を待っていましたが、楽器は持っていません。実は座っている箱自体がカホンという楽器だったのです。楽譜は床に広げられ、曲の後半から出番となり、前屈みになって箱を叩いていました。足で音色を変えたりしており、単なる木箱じゃなくて、奥深い楽器のようでした。容姿に似合わぬ迫力ある演奏ぶりにビックリしてしまいました。この曲はcobaの新作ですが、前夜の川崎での演奏会が世界初演でしたので、残念ながら新潟は2回目になります。アコーディオンのイメージを覆す演奏の迫力とテクニックそしてオーケストラとの融合が見事でした。さすがに世界的な奏者です。アンコールもまた名演奏で、大満足でした。

 後半はドヴォルザークです。あまりにも有名すぎる曲なので、今さらという感じがしましたが、メロディを思いっきり歌わせ、緩急のアクセントを付ける飯森の曲作りによって新鮮な印象を与えてくれました。今回の公演の直前にCD録音しており、十二分にこなれた演奏になっていたものと思われます。東響のサウンドの美しさに息を呑むことも度々でした。今日の東響の演奏は最近では最も美しく感じました。大きな身振りの飯森の指揮ぶり、それに応える東響の頑張り。いい演奏でした。最後に飯森の挨拶があって、アンコールがあるものと期待しましたが、そのままコンサートは終了しました。

 すばらしいコンサートでしたが、ひとつだけ残念なことがありました。未就学児は入場できないはずなのに、幼児が騒いでいたこと。「新世界」で最も重要な第2楽章の冒頭で騒ぎ出し、それもCブロックの最前列でしたから雰囲気は台無し。さすがに保護者が連れ出しましたが、連れ出す足音がホールに響き、思わずため息でした。情操教育のつもりなのかもしれませんが、ガマンできない幼児は連れてくるべきじゃありません。未就学児入場不可としておきながら入場を許可したりゅーとぴあの責任も問われるべきでしょう。去年の定期でもPブロックの目立つ場所で落ち着きのない子を連れた母子がいました。いずれにせよ、これが新潟の文化レベルということです。

 最近目覚ましい活躍の飯森さん。今日はすばらしい名演を聴かせてくれました。cobaの演奏もすばらしく、今シーズンの開幕にふさわしい大成功の定期演奏会だったと思います。昼の「マイ・フェア・レディ」に引き続いてのコンサートで疲労感たっぷりでしたが、それ以上の満足感を得ることができました。
 

(客席:2階Cブロック5-35、S席:定期会員 5000円)