312 自然の神秘
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2016年4月30日(土) 13:45 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ルイス=フェルナンド・ペレス(ピアノ)
ハンガリー・ジュール・フィルハーモニー管弦楽団
マールトン・ラーツ(指揮)
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ラウタヴァーラ:鳥と管弦楽のための協奏曲「カントゥス・アルクティクス(北極圏の歌)」

ファリャ:交響的印象「スペインの庭の夜」

(アンコール)
ショパン:ノクターン第20番
 
 
 
 

 寒風が吹き抜けるライン広場で急いで食事し、コンサートホールへと急ぎました。今回はなじみのない曲ということもあってか空席が目立ちました。

 開演時刻になり団員が入場。コンミスは昨日は異なる人で、指揮者も別です。指揮のラーツさんが颯爽と登場し演奏開始です。
 
 最初は「鳥と管弦楽のための協奏曲」です。題名を見ても何のことか分かりませんが、録音された鳥の鳴き声とオーケストラとの共演ということです。
 神秘的な管弦楽の調べと鳥のさえずりが重なり合い、幻想的、神秘的な音世界を創造していました。まさに鳥との協奏曲です。「北極圏の歌」とありますように、白夜の情景が思い浮かぶようでした。

 このような秘曲を聴くことができたのは貴重であり、もしかしたら、もう二度と聴く機会はないかも知れません。今年のLFJ新潟で一番の収穫でした。どうせならラス&ブコーとの共演だったらもっと面白かったかもしれません。

 続いてペレスさんが登場してファリャです。この曲も初めて聴きます。題名からは想像できませんでしたが、ピアノ協奏曲的な曲なんですね。
 ピアノとオーケストラが絡み合い、紡ぎ合い、色彩感ある音楽世界を作っていました。先ほどの冷え冷えした北欧の世界とは異なり、南欧の、まさにスペインの庭を実感させました。

 大きな拍手に応えて、ソリストアンコールはショパンのノクターン。ゆっくりと、大きくアクセントをつけて、切々とした調べが心に染み渡りました。

 今日のジュール・フィルは、指揮者もコンミスも別ということもあるのかも知れませんが、昨日のオケとは全く別のような、すばらしい演奏を聴かせてくれました。
 昨日はちょっと雑に感じた場面もありましたが、今日は寸分の狂いもなく、「自然の神秘」を見事に音楽で具現化してくれました。空席がもったいないくらいの充実した内容に大満足でした。
 

 
(客席:2階D1-18、¥2000)