新潟大学管弦楽団第53回定期演奏会
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2016年12月10日(土) 18:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮: 河地良智
 


ニコライ:歌劇「ウインザーの陽気な女房たち」序曲

ボロディン:交響曲第2番 ロ短調

(休憩15分)

ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op.73

(アンコール)
ブラームス:ハンガリー舞曲第6番

 ここ数年、冬の定期演奏会は忘年会と重なって聴きに来れなかったのですが、今年は忘年会が昨日の金曜日になりましたので、聴きに来ることができました。
 今年の7月のサマーコンサートは、チケットを買っていたものの、仕事が入って聴きに来れませんでしたので、新潟大学管弦楽団を聴くのは2015年7月以来であり、随分と久し振りになります。

 所用を済ませ、小雪が降る中りゅーとぴあへと向かいました。到着しますと、すでに開場待ちの長い列ができており、最後尾に並んで開場を待ちました。時間となって入場し、2階正面に席をとりました。ホールは老若男女で賑わっていました。

 時間となり団員が入場。最後にコンミスの板さんが登場して大きな拍手が贈られました。一礼してチューニング。おなじみの河地さんが登場してニコライで開演しました。
 静かに始まる序奏から音は美しく、なかなか良いなあと思わせました。毎年団員が入れ替わるのが学生オケの宿命ですが、今年のオケもいいですね。目まぐるしく変化する曲調を、明るく躍動感たっぷりに表現し、しっかりとまとめ上げていました。

 ここで団員全員が一旦退場して団員の入れ替えがあり、次いではボロディンの交響曲第2番です。CDでは聴いていますが、実演は初めてです。
 荒々しく粗野な冒頭から一気に演奏に引き込まれました。団員が息を合わせる呼吸が客席にも伝わるようで、集中度の高さが伺われました。若さに裏打ちされたパワーでグイグイと突進し、興奮のフィナーレへと駆け抜けていきました。聴いていて気分爽快になる演奏であり、オケが鍛え上げられていることを実感しました。

 休憩後の後半はブラームスの交響曲第2番です。オケのメンバーは再び入れ替わっています。第1楽章は緊張感を感じさせました。前半から出演していたのはコンミスをはじめ少数であり、別のオケと言っても良いでしょうから当然かもしれませんね。
 この曲は前半とは違ってポピュラーな人気曲であり、聴きなじみがありますので、聴くほうの思い入れも違います。大事な聞かせどころのメロディが聴こえずアレッと思ったり、緩徐な部分での歌わせ方がもっと滑らかだと良いなあ、などと思いながら聴いていましたが、だんだんと落ち着きを見せて、素晴らしい演奏に仕上がっていきました。終楽章でエンジン全開し、興奮のフィナーレを迎えました。

 アンコールをしなやかに、爽やかに演奏して終演となりましたが、良い演奏会だったと思います。メンバー表を見ますと、3曲それぞれにメンバーが大きく異なり、3つのオケを聴いたようなものです。それだけ大所帯のオケということでしょうが、選抜することなく、全員ステージに載せようというのは良いことですね。

 今日の演目を持って3年に一度の東京公演に臨みます。今日の演奏は観客の入ったゲネプロということで、修正され、さらにブラッシュアップされるものと思います。東京の人たちに今日以上の演奏を届けてください。成功を切に祈りたいと思います

 

(客席:2階C4-5、¥700)