創立30周年記念 新潟ウインドオーケストラ第58回定期演奏会
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2016年12月4日(日) 13:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮: 汐澤安彦、山内信栄
 

第一部 指揮:汐澤安彦

リード:セカンド・センチュリー
ワーグナー/カイエ編:歌劇「ローエングリン」より 「エルザの大聖堂への行進」
伊福部昭/和田薫編:バンドのためのゴジラファンタジー
ホルスト:吹奏楽のための第一組曲

(休憩15分)

第二部 指揮:山内信栄 司会:小林智子

ホワイティング/岩井直溥編:ハリウッド万歳
和泉宏隆/真島俊夫編:オーメンズ・オブ・ラブ
マッコイ/岩井直溥編:アフリカン・シンフォニー
星出尚志:ディズニー・ファンティリュージョン!

(アンコール)
岩井直溥編:イン・ザ・ムード
ヘンデル:ラルゴ
真島俊夫編:君の瞳に恋してる(フルートとバンドのための)
岩井直溥編:エル・クンバン・チェロ
J.シュトラウスI:ラデツキー行進曲

 先週の新潟市民吹奏楽団に続いて、今日は新潟ウインドオーケストラの定期演奏会です。創立30周年を記念して汐澤さんを客演指揮者に迎えての演奏会であり、新しい常任指揮者の山内さんのお披露目でもあります。

 開場時間少し前にホールに着きましたが、すでに開場待ちの長い列ができていました。クラシックコンサートと違って、若い人たちがたくさん来ていて、私などは高齢者の部類になりそうです。
 開場とともにロビーコンサートが始まり、金管アンサンブルの美しい響きがロビーにこだましていました。2階正面に席を取り、フルートアンサンブル、クラリネットアンサンブルの生き生きした演奏を楽しみました。奏者の皆さんは若々しく、フレッシュで良かったです。

 時間となり第一部の開演です。指揮は汐澤先生です。ステージいっぱいの大編成のオケは視覚的に壮観です。常任指揮者に就任した山内さんは、もともとフルート奏者であり、前半は奏者として参加していました。
 演奏は、これぞ吹奏楽というようなレベルの高いしっかりとした演奏で、芸術性を感じさせるものでした。大編成のオケの音の厚みとパワーは贅沢であり、切れの良い演奏と相まって、爽快な気分にさせてもらいました。中でもゴジラファンタジーは聴き応え十分。迫力ある見事な演奏でした。

 休憩後の後半は山内さんの指揮でポップスステージです。ポップスといっても羽目を外すことはなく、吹奏楽として楽しめる、しっかりとした聴かせる演奏でした。パワーにあふれるエネルギッシュな演奏は躍動感にあふれていました。

 アンコールは5曲とサービス満点でした。汐澤先生が再登場して、山内さんはフルート奏者として参加し、見事なソロも披露して、聴衆を魅了しました。これから指揮者としてこのオケを率いていくわけですが、フルート奏者としての力量を見せ付けてくれて、お披露目の演奏会としては大成功だったのではないでしょうか。
 エル・クンバン・チェロで大爆発し、これで終わりかと思ったところでラデツキー行進曲が始まり、手拍子で盛り上がって終演となりました。

 大編成の吹奏楽の醍醐味を知らしめてくれた良い演奏だったと思います。演奏水準の高さは県内トップクラスと思われ、明るくパワーにあふれる演奏は新潟ウインドの魅力だと思います。
 松井慶太さんとともに数々の名演を聴かせてくれたこのオケが、これから山内さんとともにどんな演奏を聴かせてくれるか大変楽しみです。陰ながら応援し、見守りたいと思います。

 会場には若い観客が多数あり、平均年齢はかなり低いものと思います。客席の賑わいを見ますと、吹奏楽人口の多さと活動の活発さを感じます。
 吹奏楽とクラシック音楽はそんなに違わないと思いますが、観客という点では両者の間に大きな溝があります。東響定期など、通常のクラシックコンサートでもこのような若者たちが集まってくれると良いですね。

 

(客席:2階C3-12、¥1000)